歴史 ― HISTORY (〈1冊でわかる〉シリーズ ― Very Short Introductions日本版)

制作 : 新 広記 
  • 岩波書店 (2003年6月6日発売)
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  • レビュー :11
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268615

歴史 ― HISTORY (〈1冊でわかる〉シリーズ ― Very Short Introductions日本版)の感想・レビュー・書評

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  • 歴史とは何にもましてひとつの議論なのだ。
    (中略)議論することは重要である、それはものごとを変えてゆく可能性を生みだすのだから。
    (p20「1 殺人と歴史」)
      ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

    あるときは人々のアイデンティティとなり、
    あるときは未来のために学ぶべき過去となり、
    また、あるときは「正当性」の証拠として担ぎ出される歴史。

    歴史とは何か、
    そしてそれを研究する歴史学とはいかなる学問なのか、
    いくつかの歴史上のエピソードをひいて紹介する一冊です。

    研究の方法論から、
    「歴史」のもつ宿命的な不確実性と限界、
    そして何よりも、
    その不完全ゆえに生まれる可能性と「おもしろさ」を体感できます。

      ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

    岩波の「一冊でわかる」シリーズ歴史篇。

    歴史の入門書といえども、
    日本史、世界史…といった〇〇史に入る前の、
    いわば「そもそも歴史とはなんぞや」についての入門書です。

    歴史は「真実」か「物語」か?、をテーマに、
    史料が語ること/語っていないこと両方を読み取る研究の方法や、
    それぞれの時代における歴史の「あり方」など、
    歴史という学問をさまざまな方向から掘り下げます。

    史料という「観察できるモノ」から出発して、
    解釈が生まれ、議論がおこる…という流れは、
    歴史が学問であり科学である根拠なのだと感じました。

    「唯一絶対の観方」に「抗弁」するための歴史
    …という筆者の言葉が、深く刺さる一冊です。
     それではっ

  • 要、再読。

  • 歴史学の入門に推薦できる一冊。歴史を学ぶ意義、解釈の姿勢、歴史資料の扱い方など、具体的な歴史学研究がわかる。

  • 歴史学の入門書。

    具体的な歴史記述を行うというケースに沿って、歴史学とは何か、どのように行われてきているのか、歴史を読む・書くにあたりどのような点に注意すべきか、問題点は何か・・・等、歴史を学ぶものが心得るべき「歴史」の大前提が学べる。

    これは力作だと思う。
    「史学概論」なんて、相当な分量になるはずのテーマを、これだけコンパクトに解説していること。
    また本来かなり難易度の高いテーマだと思われるが、具体事例を用いながら一つ一つ解きほぐすように解説している点。
    しかも、非常に興味深い。

    コンパクトで分かりやすく楽しいのに、骨太な一冊。
    歴史を学ぶことに興味を持つなら手にとって、しっかり読み込む価値がありそうな一冊。

    ただし一点、翻訳が絶望的にひどいため、慣れるまで大変読みづらいのが難点。

  • 自分で歴史を描いてみる。

    聞きかじっていたA very short Introduction(邦題:1冊でわかる)シリーズ。
    建築や薬も借りていたにもかかわらず、なぜか読了したのは歴史という。
    確かに、歴史は門外漢なのでこのシリーズを読む読者としては最適だったのかも。

    とにかくも、私も本書にあるように、歴史というのは単一の事実があり、それを様々な資料を紐解き、確固たる真実を発見するものと思っていた。
    しかし、歴史は事実から成り立っているわけでもないようだ。
    純粋な事実もどこまで記述するか(どの記述を省くか)や、資料の客観性をいかに保証するかといった問題が立ちふさがる。適切な資料がなく、多の資料から外堀を埋めるようにしても、結局は推測でしかない。
    さらに言うなれば、適切な資料があった場合にもそれが正当かどうかなど、断言できる人はいない。

    では、なぜ歴史を追求するのか?
    その理由として、筆者は3点挙げている。
    1つは楽しみ、2つ目はモデルケースとしての活用。そして、3つ目は歴史を描く様々な手段をや視点を通して、違った行動への可能性を意識させられるということだ。
    個人的にはモデルケースから波及して述べられる、「見知らぬ国を訪ねるのと似ている」という部分が好きだ。
    違いや差異を通して自分自身を発見する。そして、そこから繋がる帰属(故郷や心性等)もまた気付くことが出来る。
    過去を悔やむより未来に目を向ける方が好きだけれど、支えてくれる地続きの歴史があるから現在、未来がある。

    真実の、物語。

  • 「大きな物語」(大文字の歴史)を無批判に受け入れる事でなく、多様な歴史の在り方を考慮して、自分なりの歴史の納得方法を見つける事の大切さを教えてもらいました。人間が残していく歴史は、事後説明によって編集された事件簿となります。そして私たちは、書かれた歴史を学んで来た訳です。波乱の人生を誰もが体験して行く筈ですが、書き残されなければ過去の闇に葬られるような歴史を私たちは生きて行く。最も現代では個人レベルでのネットワークがパソコンの普及によって広がっていますから、他者の人生の軌跡を知る機会は大変多くなりました。読む事も書く事も、私たちは日々訓練されるようになったと云えます。だから、情報を生む、または受け取る事に関しての独自のフィルターを身に付けようとしています。世界は大きな人間だと考えてみますと、私たちはその人間を形成する分子であるとも言えます。大きな人間の人生を底辺で支えているのは、私たちなのです。歴史とは地球や宇宙のようなレベルで考えて行く視点もある訳です。科学の進歩はミクロからマクロまでの事象を捉える能力を、私たちに与えてくれたのかもしれません。歴史とは視点によって解釈する内容も異なるのではないでしょうか。

  • 卒論書くにあたって参考になることてんこ盛り! 2回生の研究課題としての文献になるほど歴史学専攻の生徒には役立つものやのに当時は、、、あほすぎました。発表する部分しか読まなかったなんて、、、でも今ちゃんと目通しといてよかった!しかし読み辛~い( ; ; )

  • 歴史学の入門書として、歴史学の変遷、学問的方法、歴史哲学について書かれている。特に学問的方法の部分は、歴史家がどのように史料を扱うのかがイメージしやすく、とても参考になった。

  • 訳がひどい。

    歴史は、「問い」から始まる。
    その問いに対する答えを、膨大な史料から見つけていくのが歴史。
    それだけに、とてもとても不安定なものだ。

    問い自体が、何らかの主観であるし、そもそも私達は自分の属している時代精神、極端なことを言えば偏見に気がつかない。
    また、史料についても、細心の注意を持って扱う必要がある。
    例えば、当時の敵方に、見つかることを想定して嘘を書いた密書の例(それが嘘だと分からなかったらどうしただろうか)であるとか、まったく同じ演説に対して、かなり違いのある記録が残っている例が引かれた。

    それだけに、歴史の意味はどこにあるかと聞かれて、第一に楽しみのためと書かれていたのには驚いたが、納得もした。


    あと、思ったこと。
    根拠の無いデマであっても、徹底的に論破しておかないといけないということ。
    なぜなら、後世では、あなたの言い分とデマが、少なくとも1回は同じレベルで判断される。しかも、結果がどうあれ、もうあなたは抗議・釈明をする余地はない。
    まあ、偉い人が気をつけるレベルの話ですな。

    1/26読了

  • 3章の史学史的記述のところが面白かった。
    日本史学史でも参考になるんじゃないか。

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