- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000268875
作品紹介・あらすじ
伝統的な美術史学が巨匠の"傑作"や様式を中心に美術の歴史を捉えてきたことを批判して、社会や文化、思想、人間との関わりのなかで美術を捉えかえす現代の美術史学は、何をテーマとし、どんな議論を展開しているのだろうか?イースター島の巨像からモネの絵画、前衛芸術、さらにはビデオゲームのキャラクターまで、多様な視覚的素材を使いながら、美術にアプローチするさまざまな視点や方法を解説する。「美術」や「視覚文化」について一人一人が考えを重ねていくための格好の手引き書。
感想・レビュー・書評
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【書誌情報】
原題:Art History: A Very Short Introduction (Oxford University Press, 2004)
著者:Dana Arnold(1961-)
訳者:鈴木 杜幾子(1945-)
ジャンル:単行本
シリーズ:〈1冊でわかる〉シリーズ
刊行日:2006/03/28
ISBN:9784000268875
Cコード:0070
体裁:B6 ・ 並製 ・ カバー
頁数:208
在庫:品切れ
巨匠の傑作や様式中心の考え方を批判し,美術を社会や文化,人間との関わりの中で捉えかえす現代の美術史学は,何をテーマとし,どんな議論を行なっているのか.イースター島の巨像からモネの絵画,前衛芸術,さらにはビデオゲームのキャラクターまで,多様な視覚的素材を用いながら,美術について考えるさまざまな視点や方法を解説.
https://www.iwanami.co.jp/book/b256763.html
【簡易目次】
謝辞
序文
献辞
目次
1 美術史学とは何か 001
2 美術史を記述する 040
3 美術史を提示する 078
4 美術史を考える 108
5 美術を読む 126
6 美術を見る 145
用語解説 [157-161]
解説 [163-188]
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20190315 下京図書館
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【サポートスタッフ企画展示:2018春 ブックリスト掲載本】
▼LEARNING COMMONS イベント情報
https://lc.nul.nagoya-u.ac.jp/event/?m=201804&cat=5
▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB03099643 -
訳が難しい
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1.美術史学とは何か
鑑識>>>鑑賞というヒエラルキー
しかし、鑑識≠美術史である
(旧)様式による美術史(→大切なこと/中心的でないことを見落としてしまう)
アーノルド(著者)「美術史は他の歴史学とは別であり視覚的なものは出発点である。記述は研究の終わりではない」
☆美術館に置かれるということ=作品は本来の場所にない→物理的特性に強調点をおくことになる
過去の人物の収集が画家たちの模倣を作った≠現代
・ヴィジュアル・カルチャー=広告や映画など、日常的なものを含む
c.f.ジョン・コンスタブルの《麦畑》展覧会=ビスケット、カレンダーへの使用例を示す
→グローバル資本主義の分析に有効
2.美術史を記述する
古い美術史=画家の伝記or絵画の様式に重点を置く
☆各時代の美術史学
ローマ
・プリニウス
『博物誌』画家アペレスの扱いが後年に影響する
16c
・ヴァザーリ
美術史の記述法の基礎を作る=目きき的アプローチ、観察+画家個人の歴史
―問題1ミケランジェロ以降は?
―問題2ルネサンス3つの区分に疑問がもたれない
判断基準→ディセーニョ(イデアの再現)、ナトウーラ(自然の模倣)、グラーツィア(優美さ)、デコーロ(品位)、マニエーラ(様式)
18c
・ヴィンケルマン
伝記ではなく美術を文化的文脈に位置づける
ギリシャ美術を(レトリックで衰退した)言語理論の歴史と同じく発展と衰退の歩みとした
☆正確な図版を入手できるようになったのは20cなかばからである
影響:1860ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』
19c
・ヘーゲル
ツアイトガイスト=時代精神
社会的文脈も重要視しない、自立的な様式を重視
20c
・ゴンブリッチ、ルドルフ・ヴィットカウアー、フリッツ・サクスル 美術における文化史の提供
・クレメント・グリーンバーグ
歴史ではなく観念からの作品=モダンアート
アヴァンギャルド=芸術の「自律性」
社会主義者であったゆえに、新しい文化を推進したかった(ユダヤ人)
カノンからマイノリティ(ジェンダー、コロニアリズム)を排除
美術=×天才の存在○社会状況によって生まれるもの
>ジェンダー
>非西洋
プリミティヴアートの2つの記述法
・影響を与えるものとして
・侮蔑的に=本性、とか
3、美術を提示する
コレクション=愛国心に訴える
「美術館がある」ことが街に重要=ワシントン・ナショナルギャラリー
アメリカ連邦美術計画
美術館=起承転結を作らなてはならない、現在の考え方のバロメータ、収蔵することで作品を「美術史」にしてしまう
オルセー=直線的
近代=一作品一部屋→体験
→記述方法の変化と近似
☆展覧会と美術史の相互作用
ロジャーフライ「マネと後期印象派」(1910~11)
×様式 ○主題の重要性に重きを置いたかいなか
4.美術史を考える
19c 美術館の成立
・ヘーゲル、マルクス=美術を外的な圧力、影響のパロメータとして見た
マルクスの史的唯物論 (上)生産物、(下)経済基盤
・フーコー 作者とは何か?記号学
・ジャック・デリダ 外部的要素が作品の内部的要素にかかわる
・フロイト ふたたび伝記的に
・記号論=歴史から切り離す
5.美術を読む
鑑賞者と対象の相互作用
(参考:一冊でわかるシリーズ 美術史 岩波書店 ダナ・アーノルド) -
修士論文を書く前に読んでおくべきだった。
美術史の入門とありが、ちょっと初心者は理解に苦しむかも。
どちらかというと中級者向けです。
タイトルが『美術史』だけど、美術の歴史を解説するものではなく、美術史学の研究における基礎情報が述べられています。 -
ざっと目を通しただけだが、美術史の入門書としてはいい本なんじゃないかと思った。
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わかった気になるだけでまだ理解はしていない。