科学哲学 (1冊でわかる)

  • 岩波書店 (2008年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784000268967

みんなの感想まとめ

科学の本質やその探究における価値を深く考察する内容が展開されています。読者は、科学がどのように理論と事実を結びつけるのか、また、科学的推論や説明の仕組みについて学ぶことができます。特に、科学哲学におけ...

感想・レビュー・書評

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  • 【科学的理論が満たす条件の例】

    善悪の価値判断を含まない。

    客観的に反証されうる。

    ある条件のもとでの結果を予測する。





    【理論に優劣をつける基準の一例】

    現実を予測する精度は高いか?低いか?

    単純か?複雑か?


    現実を予測する精度が低いかつ複雑な理論をコストや時間をかけて学ぼうとすることがある。

    理論のテキストブックの中には現実を予測する精度に関して記述がないものがある。

    理論は、その前提条件が忘れ去られ、その前提条件が成り立っていない現実の状況にまで適用されてしまうことがある。

    ある対象についての理論を学ぶと、その対象を注意深く観察しなくなることがある。





    【0≦X≦2πにおけるsin(X)との相関係数】

    sin(X+π/2)   0.0

    sin(X+π)    -1.0


    原因と結果の間にタイムラグがあると、
    原因と結果の相関が弱くなることがある。

  • 1冊でわかるシリーズだけあって、比喩を用いつつ、わかりやすくまとめてある。
     科学の探究において、どういうことを踏まえなければならないのか。ある理論の設定とは、即ち事実とどういう関係にあるのか。そういった謎の考え方が論点ごとに提示される。それが1 科学とは何か2 科学的推論3 科学における説明4 実在論と反実在論のあたりに、解りやすく説明されている。
     5 科学の変化と科学革命はクーンについて描き、6において、物理学・生物学・心理学における哲学的問題、という、実際の科学において科学哲学の問題はどのように適用されるかを見る。
     7 は科学に対する批判者についていくつか述べる。
     教科書的なものよりも学者の名前は少なく、基礎的な理解のきっかけと言った感じか。特に帰納と演繹に関する説明は、アカデミズムに若干でも携わっているなら、最低限は理解したい。

  • 退屈。
    科学的知見を「真に客観的と言い切ることができない」という見解に至るまでの様々な論争が紹介されてるが、そんなの、カントやソシュールの主張によって科学哲学以前から看破されてたことにすぎず、科学哲学って要はそれの「科学領域での再演」くらいの価値しか見受けられなかった。

    帰納的推論が経験的知見と矛盾するのなんかまさにカントのアンチノミーだし、それが発生するのも言語の恣意性によるもので、ソシュールが既に言ってたじゃんみたいな。

    いまがたまたま時代的に科学全盛だからこその一過性の議論って感じ。
    しかも当の科学側の主張がのきなみ、判断主体としての人間の判断メカニズムのブラックボックス性について一個だにしてないところもなんかまあって感じだし。

    人文知ってそんなこと考えてる暇あったんかと思うような眠たい議論が続いて退屈だが、それもこれも人間認知のブラックボックス性について無批判で何の留保もない科学側のていたらくによって半ば仕方なく付き合わされてるようなもんでしかないので、単に理系側が謙虚になりゃいいだけじゃねぇのとしか思えんかったわな。

  • 科学とはどのような営みであるのかを、哲学的な観点から考えてみましょう。(北島雄一郎先生)

    日本大学図書館生産工学部分館OPAC
    https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000213932&opkey=B169881770884089&start=1&totalnum=123&listnum=2&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=00000000000000000000

  • まだ途中だが面白い。以下はメモ。

    科学とは何か、という答えのないことについて考えていく。

    ポパーの、科学は否定することしかできない、というのは誰しも聞いたことがあると思う。そうかもしれんけどまぁ厳しいよね。

    それ以外も色々な思想が紹介されている。

    演繹と帰納がある。
    帰納法というと、どうしても数学的帰納法を考えてしまう。数学的でない普通の帰納法は、複数の事例からの共通点を見つけるなどして結論を導き出す方法だ。

    ポパーは、演繹しか使ってはいけないという。そうなるとどうしても否定しかできない。私としては不満であったが、そう思っている人が自分だけではなさそうだということで安心した。何かが正しい、という場合は帰納法を使わざるを得ない。。

  • 非常に要領よくコンパクトにまとめられた本。20世紀の科学哲学が何を求めていたのかわからせてくれる。

  • 【2021/4/10】
    原題のとおり簡潔にまとまっている良書。対立する立場の主張と反論が順を追って書かれる章がある等、全体的に類書より分かりやすい。

    【2021/6/1】
    再読。やはり分かりやすい(特に4章)。初読時よりも6章や7章が面白く感じた。

  • 【サポートスタッフ企画展示:2018春 ブックリスト掲載本】

    ▼LEARNING COMMONS イベント情報
    https://lc.nul.nagoya-u.ac.jp/event/?m=201804&cat=5

    ▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB01826068

  • 「科学とは何か?」これはずいぶん難問のように思える。物理学は近似と理想化だとファインマンは言っているが、その手法と理論そのものの正当性はどのように保証されるのかという問題がある。これには哲学の手を借りなければなるまい。
    科学哲学と聞けばなんとも胡散臭いと思えるかもしれないが、前述の科学の近似というものがもし本当ならば、研究者は一人ひとり理想化された自然現象を考察していると言える。学生であるなら研究室で教授と話し合うこともあるだろう。その教授だって別段科学の方法論に関する思想で一般人より優れているわけではない。彼らもまた彼らなりに理想化された現象を分析して論じている。一度科学哲学の本を読んでみるといい。それまで自分の中で前提だと捉えていた科学の考え方が、実は何の保証もなしに使われていることに気づくかもしれない。
    そしてたった一人の観点から書かれたこのコメントにも何の保証もないことに気づくだろう。(化学システム工学専攻)

    配架場所:工5号館図書室
    請求記号:A-30:O1-1:1h

    ◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2002551382&opkey=B153974033001760&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

  • A Very Short Introductionシリーズの翻訳。岩波書店から出ている日本語訳ではなぜかシリーズ名が「1冊でわかる」になっているが、元のシリーズ名からわかるように、あくまでほんの短い手引きである。そのためこれ1冊で科学哲学が網羅できるほど詳しくは論じられていないが、易しい文章のため誰でも理解できるだろう。中級者向け以上の難しい本へと誘ってくれる良書である。

  • 原題:Philosophy of Science, 2002.
    著者:Samir Okasha

     オックスフォード大学出版から出ているVSIシリーズの一冊。著者はアイスランド出身で、生物学の哲学を専門にしている研究者。


    【目次】
    謝辞 [iii]
    目次 [vーvi]

    1 科学とは何か 001
    1.1 近代科学の起源 003
    1.2 科学哲学とは何か 012
    1.3 科学と疑似科学 014

    2 科学的推論 020
    2.1 演繹と帰納 021
    2.2 ヒュームの問題 027
    2.3 最善の説明を導く推論 033
    2.4 確率と帰納法 039

    3 科学における説明 047
    3.1 ヘンペルによる説明の被覆法則モデル 048
    3.2 対称性の問題 054
    3.3 関連性欠如の問題 057
    3.4 説明と因果性 059
    3.5 科学ですべてが説明できるのか 064
    3.6 説明と還元 068

    4 実在論と反実在論 072
    4.1 科学的実在論と反実在論 073
    4.2 奇跡論法 078
    4.3 観察可能と観察不可能の区別 083
    4.4 決定不全性論法 089

    5 科学の変化と科学革命 097
    5.1 論理実証主義の科学哲学 098
    5.2 科学革命の構造 101
    5.3 通約不可能性とデータの理論負荷性 107
    5.4 クーンと科学の合理性 115
    5.5 クーンの遺産 118

    6 物理学・生物学・心理学における哲学的問題 122
    6.1 絶対空間をめぐるライプニッツとニュートンの論争 122
    6.2 生物学的分類の問題 133
    6.3 心はモジュール構造をしているか 143

    7 科学とその批判者 153
    7.1 科学至上主義 154
    7.2 科学と宗教 160
    7.3 科学は価値観と無関係か 166

    科学哲学によって〈つながる〉こと(直江清隆) [175ー188]
    日本の読者のための読書案内(廣瀬覚・直江清隆) [189ー194]
    図版一覧 [5]
    読書案内 [1ー4]



    【抜き書き】
    □多重実現について(67-69頁)
     
     それにもかかわらず、科学の各分野がみな対等というわけではないという意見が一般的である。他よりも基本的な科学があるというのだ。ふつう、物理学は最も基本的な科学と見なされている。どうしてかといえば、その他の科学な研究対象は、究極的には物質粒子によって構成されているからである。たとえば、生物について考えてみよう。〔……〕したがって、生物学者の研究対象は、突き詰めていえば、きわめて複雑な物理的対象なのである。同じことは他の科学についてもいえる。社会科学さえ例外ではない。〔……〕。
     このことは、原理上、物理学がそれより高次のあらゆる科学を包摂しうるということを意味しているのだろうか。すべては物理的粒子から形づくられているわかだから、完全な物理学といったものが手に入って、宇宙のあらゆる物理的粒子の振る舞いを完璧に予測できるならば、それ以外の科学は無用ということになるのではないか。しかし、たいていの哲学者は、こうした考えを認めない。「生物学や経済学によって説明されることを物理学が説明できるようになる日が、いつか来るかもしれない」などと考えるのは、正気の沙汰とは思えないからだ。〔……〕未来の物理学がどのようなものになろうと、それが景気の下降を予測するなどということはありえない。〔……〕。
     ここから哲学の難問が浮かびあがる。〔……〕その答えは、高次の科学の研究対象が物理的レベルで「多重実現」されているという事実に求めることができる。多重実現のアイデアを理解するために、例として、灰皿の集合を想像してみよう。〔……〕したがって、「灰皿」という概念を純粋に物理学の用語だけで定義することは不可能である。〔……〕これは、物理的レベルで灰皿が多重実現されていることを意味する――。以上が多重実現のアイデアである。

  • 学部二回生の時の教科書。
    今思い返しても面白いと思えるのは、根本的な思考様式に対する哲学的な問題提起をしているから。
    実験や証明も実は完璧じゃない、そういう態度は良くないけども、そういう一面もあるという風に覚えておく態度(謙虚、慎重な姿勢)は一考の価値あり。

    2013.12.11(火)

  • 1-1 科学論・科学史

  • とても読みやすく、分かりやすかった。さらに科学哲学について興味がわいた。

  • すでに2回、読み返した。コンパクトなのに内容はかなりしっかりしていると思う。ここで書かれているニュートンとライプニッツの論争が気になって、あとで内井さんの「空間の謎•時間の謎」も買った。

  • 図書館。床心理の先生に薦められて。挫折。

  • ●反実在論において、科学の目的は世界の中の観察可能な部分について、真なる記述を与えることである。そのためには、観察可能なものと観察不可能なものとが区別できなくてはならない。どうやって区別できるのか。

    ●観察不可能な対象を措定する科学理論は、観察データによって完全には決定されない(決定不全性)。たしかに原理上は与えられたデータに対し、複数の理論が存在可能である。しかし、それらがどれも同様に確からしいことにはならない。他に理論選択の基準を設ければ、理論の優劣を判断できる。

    ●要するに、決定不全性の問題は、ヒュームの帰納法の問題の変奏に過ぎないのではないか(ベイズ主義によって、判定可能?)。

  • 401/O45

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