科学哲学 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

制作 : Samir Okasha  廣瀬 覚 
  • 岩波書店 (2008年3月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268967

作品紹介・あらすじ

輝かしい成果を挙げ、社会を動かす巨大な力となった「科学」という営み、しかし、科学とは何だろうかと改めて問われたとき、どのように答えたらよいだろうか。本書は、この問いに答えるための基本的な考え方を提示する。科学史上の事例を織り交ぜつつ、科学的方法の特徴といった基礎的問題から、生物学や認知科学など個別科学の基礎にある哲学的問題や、パラダイム論をめぐる論争など、科学哲学の前線をなす重要テーマを、平明かつバランスよく概観する。これから科学に携わろうという人はもちろん、幅広い読者が予備知識なしに読める一冊。

科学哲学 (〈1冊でわかる〉シリーズ)の感想・レビュー・書評

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  • 1冊でわかるシリーズだけあって、比喩を用いつつ、わかりやすくまとめてある。
     科学の探究において、どういうことを踏まえなければならないのか。ある理論の設定とは、即ち事実とどういう関係にあるのか。そういった謎の考え方が論点ごとに提示される。それが1 科学とは何か2 科学的推論3 科学における説明4 実在論と反実在論のあたりに、解りやすく説明されている。
     5 科学の変化と科学革命はクーンについて描き、6において、物理学・生物学・心理学における哲学的問題、という、実際の科学において科学哲学の問題はどのように適用されるかを見る。
     7 は科学に対する批判者についていくつか述べる。
     教科書的なものよりも学者の名前は少なく、基礎的な理解のきっかけと言った感じか。特に帰納と演繹に関する説明は、アカデミズムに若干でも携わっているなら、最低限は理解したい。

  • A Very Short Introductionシリーズの翻訳。岩波書店から出ている日本語訳ではなぜかシリーズ名が「1冊でわかる」になっているが、元のシリーズ名からわかるように、あくまでほんの短い手引きである。そのためこれ1冊で科学哲学が網羅できるほど詳しくは論じられていないが、易しい文章のため誰でも理解できるだろう。中級者向け以上の難しい本へと誘ってくれる良書である。

  • 理論は、その前提条件が忘れ去られ、その前提条件が成り立っていない現実の状況にまで適用されてしまうことがある。

  • 原題:Philosophy of Science, 2002.

     オックスフォード大学出版から出ているVSIシリーズの一冊。著者はアイスランド出身で、生物学の哲学を専門にしている研究者だ。


    【目次】
    謝辞 [iii]
    目次 [vーvi]

    1 科学とは何か 001
    1.1 近代科学の起源 003
    1.2 科学哲学とは何か 012
    1.3 科学と疑似科学 014

    2 科学的推論 020
    2.1 演繹と帰納 021
    2.2 ヒュームの問題 027
    2.3 最善の説明を導く推論 033
    2.4 確率と帰納法 039

    3 科学における説明 047
    3.1 ヘンペルによる説明の被覆法則モデル 048
    3.2 対称性の問題 054
    3.3 関連性欠如の問題 057
    3.4 説明と因果性 059
    3.5 科学ですべてが説明できるのか 064
    3.6 説明と還元 068

    4 実在論と反実在論 072
    4.1 科学的実在論と反実在論 073
    4.2 奇跡論法 078
    4.3 観察可能と観察不可能の区別 083
    4.4 決定不全性論法 089

    5 科学の変化と科学革命 097
    5.1 論理実証主義の科学哲学 098
    5.2 科学革命の構造 101
    5.3 通約不可能性とデータの理論負荷性 107
    5.4 クーンと科学の合理性 115
    5.5 クーンの遺産 118

    6 物理学・生物学・心理学における哲学的問題 122
    6.1 絶対空間をめぐるライプニッツとニュートンの論争 122
    6.2 生物学的分類の問題 133
    6.3 心はモジュール構造をしているか 143

    7 科学とその批判者 153
    7.1 科学至上主義 154
    7.2 科学と宗教 160
    7.3 科学は価値観と無関係か 166

    科学哲学によって〈つながる〉こと(直江清隆) [175ー188]
    日本の読者のための読書案内(廣瀬覚・直江清隆) [189ー194]
    図版一覧 [5]
    読書案内 [1ー4]



    【抜き書き】
    □多重実現 
     それにもかかわらず、科学の各分野がみな対等というわけではないという意見が一般的である。 ……68 他よりも基本的な科学があるというのだ。ふつう、物理学は最も基本的な科学と見なされている。どうしてかといえば、その他の科学な研究対象は、究極的には物質粒子によって構成されているからである。たとえば、生物について考えてみよう。〔……〕したがって、生物学者の研究対象は、突き詰めていえば、きわめて複雑な物理的対象なのである。同じことは他の科学についてもいえる。社会科学さえ例外ではない。〔……〕。
     このことは、原理上、物理学がそれより高次のあらゆる科学を包摂しうるということを意味しているのだろうか。すべては物理的粒子から形づくられているわかだから、完全な物理学といったものが手に入って、宇宙のあらゆる物理的粒子の振る舞いを完璧に予測できるならば、それ以外の科学は無用ということになるのではないか。しかし、たいていの哲学者は、こうした考えを認めない。「生物学や経済学によって説明されることを物理学が説明できるようになる日が、いつか来るかもしれない」などと考えるのは、正気の沙汰とは思えないからだ。〔……〕未来の物理学がどのようなものになろうと、 ……69 それが景気の下降を予測するなどということはありえない。〔……〕。
     ここから哲学の難問が浮かびあがる。〔……〕その答えは、高次の科学の研究対象が物理的レベルで「多重実現」されているという事実に求めることができる。多重実現のアイデアを理解するために、例として、灰皿の集合を想像してみよう。〔……〕したがって、「灰皿」という概念を純粋に物理学の用語だけで定義することは不可能である。〔……〕これは、物理的レベルで灰皿が多重実現されていることを意味する――。以上が多重実現のアイデアである。

  • 学部二回生の時の教科書。
    今思い返しても面白いと思えるのは、根本的な思考様式に対する哲学的な問題提起をしているから。
    実験や証明も実は完璧じゃない、そういう態度は良くないけども、そういう一面もあるという風に覚えておく態度(謙虚、慎重な姿勢)は一考の価値あり。

    2013.12.11(火)

  • 1-1 科学論・科学史

  • とても読みやすく、分かりやすかった。さらに科学哲学について興味がわいた。

  • すでに2回、読み返した。コンパクトなのに内容はかなりしっかりしていると思う。ここで書かれているニュートンとライプニッツの論争が気になって、あとで内井さんの「空間の謎•時間の謎」も買った。

  • 図書館。床心理の先生に薦められて。挫折。

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