科学哲学 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268967

作品紹介・あらすじ

輝かしい成果を挙げ、社会を動かす巨大な力となった「科学」という営み、しかし、科学とは何だろうかと改めて問われたとき、どのように答えたらよいだろうか。本書は、この問いに答えるための基本的な考え方を提示する。科学史上の事例を織り交ぜつつ、科学的方法の特徴といった基礎的問題から、生物学や認知科学など個別科学の基礎にある哲学的問題や、パラダイム論をめぐる論争など、科学哲学の前線をなす重要テーマを、平明かつバランスよく概観する。これから科学に携わろうという人はもちろん、幅広い読者が予備知識なしに読める一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 理論は、その前提条件が忘れ去られ、その前提条件が成り立っていない現実の状況にまで適用されてしまうことがある。

    ある対象についての理論を学ぶと、その対象を注意深く観察しなくなることがある。

  • 1冊でわかるシリーズだけあって、比喩を用いつつ、わかりやすくまとめてある。
     科学の探究において、どういうことを踏まえなければならないのか。ある理論の設定とは、即ち事実とどういう関係にあるのか。そういった謎の考え方が論点ごとに提示される。それが1 科学とは何か2 科学的推論3 科学における説明4 実在論と反実在論のあたりに、解りやすく説明されている。
     5 科学の変化と科学革命はクーンについて描き、6において、物理学・生物学・心理学における哲学的問題、という、実際の科学において科学哲学の問題はどのように適用されるかを見る。
     7 は科学に対する批判者についていくつか述べる。
     教科書的なものよりも学者の名前は少なく、基礎的な理解のきっかけと言った感じか。特に帰納と演繹に関する説明は、アカデミズムに若干でも携わっているなら、最低限は理解したい。

  • 科学とはどのような営みであるのかを、哲学的な観点から考えてみましょう。(北島雄一郎)

    日本大学図書館生産工学部分館OPAC
    https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000213932&opkey=B169881770884089&start=1&totalnum=123&listnum=2&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=00000000000000000000

  • まだ途中だが面白い。以下はメモ。

    科学とは何か、という答えのないことについて考えていく。

    ポパーの、科学は否定することしかできない、というのは誰しも聞いたことがあると思う。そうかもしれんけどまぁ厳しいよね。

    それ以外も色々な思想が紹介されている。

    演繹と帰納がある。
    帰納法というと、どうしても数学的帰納法を考えてしまう。数学的でない普通の帰納法は、複数の事例からの共通点を見つけるなどして結論を導き出す方法だ。

    ポパーは、演繹しか使ってはいけないという。そうなるとどうしても否定しかできない。私としては不満であったが、そう思っている人が自分だけではなさそうだということで安心した。何かが正しい、という場合は帰納法を使わざるを得ない。。

  • 非常に要領よくコンパクトにまとめられた本。20世紀の科学哲学が何を求めていたのかわからせてくれる。

  • 【2021/4/10】
    原題のとおり簡潔にまとまっている良書。対立する立場の主張と反論が順を追って書かれる章がある等、全体的に類書より分かりやすい。

    【2021/6/1】
    再読。やはり分かりやすい(特に4章)。初読時よりも6章や7章が面白く感じた。

  • 【サポートスタッフ企画展示:2018春 ブックリスト掲載本】

    ▼LEARNING COMMONS イベント情報
    https://lc.nul.nagoya-u.ac.jp/event/?m=201804&cat=5

    ▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB01826068

  • 「科学とは何か?」これはずいぶん難問のように思える。物理学は近似と理想化だとファインマンは言っているが、その手法と理論そのものの正当性はどのように保証されるのかという問題がある。これには哲学の手を借りなければなるまい。
    科学哲学と聞けばなんとも胡散臭いと思えるかもしれないが、前述の科学の近似というものがもし本当ならば、研究者は一人ひとり理想化された自然現象を考察していると言える。学生であるなら研究室で教授と話し合うこともあるだろう。その教授だって別段科学の方法論に関する思想で一般人より優れているわけではない。彼らもまた彼らなりに理想化された現象を分析して論じている。一度科学哲学の本を読んでみるといい。それまで自分の中で前提だと捉えていた科学の考え方が、実は何の保証もなしに使われていることに気づくかもしれない。
    そしてたった一人の観点から書かれたこのコメントにも何の保証もないことに気づくだろう。(化学システム工学専攻)

    配架場所:工5号館図書室
    請求記号:A-30:O1-1:1h

    ◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2002551382&opkey=B153974033001760&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

  • A Very Short Introductionシリーズの翻訳。岩波書店から出ている日本語訳ではなぜかシリーズ名が「1冊でわかる」になっているが、元のシリーズ名からわかるように、あくまでほんの短い手引きである。そのためこれ1冊で科学哲学が網羅できるほど詳しくは論じられていないが、易しい文章のため誰でも理解できるだろう。中級者向け以上の難しい本へと誘ってくれる良書である。

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