アフリカ忘れ去られた戦争 (岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から)

著者 :
制作 : 広河隆一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 15
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000269704

作品紹介・あらすじ

戦争の現実と真実を伝える報道写真ドキュメンタリー。コンゴ、アンゴラ、リベリア、シエラレオネ。内戦の犠牲者たち。暴力と殺戮が日常化した社会で生きることの意味を問う。

感想・レビュー・書評

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  • シェラレオネ、アンゴラ、リベリアにおける内戦の犠牲者を訪ね歩いた著者。その報告とモノクロ写真に衝撃を受けた。

    そもそもこの3国であのような内戦があったことすら知らなかった。情報の非対称をここでも強く感じた。



    石油やダイヤモンドの採掘権を巡って政府軍と反政府軍が争う。彼らは採掘で得た利益で、アメリカや中国、ロシアから武器を買う。アンゴラにはその除去に1世紀以上かかるほどの地雷が埋められている。

    どれだけ多くの人々が犠牲となり、全てのものを失ったか。なのに、どうして武器を売り続けるのか。

    「武器商人、民事軍事会社と外国資本がくっついて、アンゴラの資源をくいものに、日本も無関係でない」
    との指摘はその通りだと思う。

  • アンゴラ内戦後、リベリア紛争停戦破棄、シエラレオネの内戦後の様子をモノクロ写真で写した写真集。
    紛争で片目を失ったカメラマンが、報道されない部分を写した一冊。

    シエラレオネは紛争後はフリータウン唯一の精神病院に患者は腐りで繋がれ、アンゴラは全盲、体の一部がなくなってしまった人が多く、リベリアは死体がそこらじゅうに転がったまま。

    自分の日常からはかけ離れ、想像することもできない部分を見ることができます。

    「日本で一人、アメリカで10人、中南米で100人、アフリカでは1000人死なないとニュースにならない」

  • 写真はもちろんのこと、亀山亮さんの文章に深く深く考えさせられた。資本主義で、そのトップに立つ日本にとって、アフリカの現状は、無関係のものではなくて、むしろ、大きく関係している。より多くの日本人に見て、読んで、感じてもらいたい一冊。

  • 戦争を報道する中で
    片目の視力を失った著者による
    アフリカの紛争ルポ。

    平和に生きてることは
    奇跡すぎるぐらい
    幸せなこと。

  • ショック。死体の横を平然と歩く人々。
    それが彼らにとっての日常。

  • 大石さんの写真集を見た後でモノクロってやっぱすごい。この亀山さんって何か別のサイトかテレビで見たことがある。まだ若かった気がした。29歳か。3ヶ月でシエラレオネ、アンゴラ、リベリアをまわったその取材旅行はどれだけ過酷だったろうか。戦場にいくということは想像できない。私も停戦後のエリトリアに行ったときに難民キャンプを見ておくべきだったのかもしれない。忘れられた戦争。人間はダイヤや石油のために争い殺しあう。獣よりも醜い生き物だ。もしこの土地に資源がなかったら…彼らは争いをやめるのだろうか。金とパワーがほしい一部の人たち。こうした悲劇がいつまで地球で繰り広げられるのか。

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著者プロフィール

1976年千葉県生まれ。写真家。15歳のときに初めて手にしたカメラで、三里塚闘争を続ける農家の撮影を始める。96年よりメキシコ、チアパス州のサパティスタ民族解放軍(先住民の権利獲得闘争)の支配地域や中南米の紛争地を撮影。2000年、パレスチナ自治区ラマラでインティファーダ(イスラエルの占領政策に対する民衆蜂起)取材中、イスラエル国境警備隊が撃ったゴム弾により左目を失明する。2003年、パレスチナの写真集「INTIFADA」(自費出版)でさがみはら写真新人賞、コニカフォトプレミオ特別賞を受賞。13年、アフリカの紛争地に8年通って発表した『AFRIKA WAR JOURNAL』(リトルモア発売)で第32回土門拳賞を受賞。その他の著書に『DAY OF STORM』(SLANT)、『戦場』(晶文社)など。

「2018年 『山熊田 YAMAKUMATA』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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