進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ (グーテンベルクの森)

  • 岩波書店 (2006年1月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000269896

作品紹介

図鑑とドリトル先生シリーズによって動物の世界に誘われた少女は、生物学研究者の道に進み、いま進化の視点から「人間の本性」に迫ろうとしている。動物好きの少女がここに至るには、『ソロモンの指環』や『利己的な遺伝子』などの本、大学の恩師やチンパンジー研究者グドールなどとの決定的な出会いがあり、その道は悩み多きジグザグのコースをたどった。これは一研究者のドラマティックな成長の記録であるとともに、興味津々たる読書の履歴書でもあり、動物と進化に関する名作・名著への生きいきとしたガイダンスともなっている。

進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ (グーテンベルクの森)の感想・レビュー・書評

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  • たまには全く畑違いの本に挑戦するのもいいかと。

  • 長谷川先生に頂きました。サインももらっときゃよかったかしら・・。
    人生を振り返る機会に恵まれる人は、学者であれ、政治家であれ、芸術家であれ、真の幸運を得た人だと思います。
    自分史とは、自分の生きた証を自分の手によって残すということですから。
    それがたとえ一面的であったとしても、一つの時代と、時代を生きた人間のナマの資料ですから。

  • 本の紹介を中心とした行動生態学(社会生物学)の著名な研究者である長谷川眞理子の自伝。<br>
    ドーキンスの『利己的な遺伝子』とそのトンデモ解釈の叩きは一部あるが、人間行動の正当な進化生物学的解釈が4枚カード問題の紹介以外ないのが非常に残念。私は「〜はドーキンスのトンデモ解釈だ」というのは聞き飽きたが、「ドーキンスの正当な解釈からして人間行動の〜は〜だ」という具体的な話が世の中にほとんど存在しないのが悲しい。

  • 著名な筆者の半生がさまざまな本とのかかわりから語られている。読めないのに本を積んでおいてしまう気持ち、よくわかる気が…<br>行動生態学のもっともホットだった時代の雰囲気が伝わってきます。

  • 長谷川眞理子先生の新刊.新刊のニュースを入手後速攻で購入.早速読み切った.岩波書店のグーテンベルクの森シリーズの一冊で自伝的な書物案内の本である.
    著者が子供の頃から行動生態学者として活躍している現在までを振り返りながら,そのときそのときに出会った書物を紹介していくものとなっている.子供の頃の図鑑,少女時代に読んだドリトル先生シリーズの思い出がまず語られる.ドリトル先生シリーズは私も大好きであった.そのまま行動生態学者になった著者と,しがない勤め人の私との差というか,しかしその後の著者の苦労ぶりを見るとまあこれでよかったのかも.

    ドリトル先生シリーズでは今読んでみて面白い英国式のユーモアの紹介とかが楽しい.また航海記でクモサル島の王様になったドリトル先生が研究生活に戻るのか王様を続けるべきなのか悩む場面を振り返りつつ,現在(小泉政権の女性優遇政策で)各種審議委員を務めているために研究の時間がとれない悩みをダブらせて,自分の”オオガラスウミカタツムリ”を見つけなければとぼやくところも味がある.
    東大理科二類に入学し分子生物学に惹かれていくが,最後に退官間近の菅原先生から「今もっとも面白いと思う分野」の講義で動物の行動と進化について目を開く.しかし当時行動生態を学べる教室はどこにもなく,霊長類研究ができるということで人類学教室へ,そしてグドールの本に出会いアフリカへ旅立つ.アフリカではあまりいい思い出もなかったようでグドールと違ってチンパンジーは嫌いになったとのぼやきが入る.
    そして衝撃的な利己的遺伝子との出会い.行動生態学者としてのスタートである.私がこの本に衝撃を受けて一気に進化生物学オタクになったときのわずか5年前には,日本の霊長学会でも,この考え方が全く理解受容されていなかったというのは今更ながら驚きである.そして霊長類学会に幻滅を感じ,ロンドンに旅立つ.ここでダーウィンとの出会い.
    性淘汰の研究に明け暮れ,人間の進化,進化心理学に踏み出していく.ロンドンから戻っても全く就職先がないあたりの記述には胸がふさがれる思いである.これほど明晰な行動生態学者にもかかわらず理学博士の就職は非常に困難で(まだ露骨に女性差別も残っていたのだ),パプアニューギニアの職を夫に止められる話まで出てくる.ようやく見つけた専修大学の仕事は教養課程の文系の学生に一般教養として科学を教える職であった.そこで科学と人文・社会との関わりを真剣に考えるようになる.最後についに著者は自分の”オオガラスウミカタツムリ”を見つけたとして本書は終わっている.
    なかなか進化生物学の研究を一生の仕事にするのは大変です.著者が体当たりで好きな生物と進化について研究したいと切り開いてきた人生模様と所々の本音のぼやきがなかなかいい味を出している.

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