啓蒙主義 (ヨーロッパ史入門)

制作 : Roy Porter  見市 雅俊 
  • 岩波書店
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000270946

作品紹介・あらすじ

ルソー、ヴォルテール、モンテスキューら、錚々たる思想家がきら星のごとく輝いた一八世紀。近代ヨーロッパ形成の一大画期となったこの時代は、「啓蒙の世紀」とも「理性の時代」とも呼ばれてきた。宗教的ドグマを斥け、精神の解放と人類の進歩を信奉した啓蒙の思想家とは、理性を崇敬するただの夢想家だったのだろうか。それとも実際に政治や社会を変革したのだろうか。また啓蒙とは、もっぱら知の解放運動だったのだろうか。それとも心性の地殻変動だったのだろうか。啓蒙主義の多様なすがたを色鮮やかに再現する、「啓蒙の社会史」。

感想・レビュー・書評

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  • 啓蒙主義についての入門書。思想としての啓蒙主義というよりも、啓蒙主義の時代の社会史の概観といった内容

  • 啓蒙主義に対する入門書であるが、イギリスの学者である著者ロイ・ポーターの自説も展開されている。ルソー、モンテスキュー、ヴォルテールなどフランス革命前後の18世紀フランスを中心に発生した思想、とするのが啓蒙主義に対する通俗的な理解だと考えられるが、これに依拠しつつポーターはヨーロッパ全域での同時多発的思想であるとしている。しかし訳者は付論でフランス中心とするほうが全体の理解に容易いとやんわり否定したりもする。これは啓蒙主義がコスモポリタン的人間像を理想として掲げながら、実践としては各自のナショナルな領域で活動するに留まっていたことなど、多義的な要素を多く含んでいたことに拠るだろう。かように啓蒙主義思想は読み方によって様々に異なる様相をみせる。20世紀においても極端に言ってしまえば、フーコーら(ポスト)構造主義の以前と以後では「近代自由主義的ヒューマニズムの源泉」としての明るく幸せな社会か(ピーター・ゲイ)、「アンシャン・レジームとは別種の新たな抑圧のはじまり」「絶対主義の萌芽」としての暗い社会か(フーコーやホルクハイマー、アドルノ)、価値が二分されると言ってもいい。本書は基本的にはゲイのほうの立場を採用しているが、もちろん後者の時代を通過したのちのものであり、これらの微妙な問題への手始めとして良い。

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