「戦争と社会」という問い (シリーズ戦争と社会)

  • 岩波書店 (2021年12月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (252ページ) / ISBN・EAN: 9784000271707

作品紹介・あらすじ

暴力をコントロールする手段として社会に深く根差してきた戦争は、殺戮や貧困など様々な悲劇を生み出すと共に、自由・平等・豊かさなどの普遍的価値の誕生にも関わってきた。従来の戦争のあり方が大きく変わりつつあるいま、戦時/平時を問わず社会のなかに遍在する戦争や軍事に対抗するための理論的な構図を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/550303

  • SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/782161

  • 東2法経図・6F開架:210.7A/Sh88s/1/K

  •  序文によれば、誰かの責任を追及し、暴力を批判する動きが際立っていた従来の議論のみならず、「戦争と社会」の関係性を多角的に読み解いていくシリーズとのことである。
     佐藤文香論文、和田論文と平井コラムでジェンダーを扱う。軍隊の男性性や戦時性暴力、一方で軍隊への女性の参加の拡大は一般的な共通認識だろう。佐藤は女性の参加が暴力的性質から目を逸らさせる「ジェンダーのおとり」となると指摘。和田は平和維持活動での武力行使の制限緩和や市民的規範の体現などがむしろ男性性を強調するとする。平井は「女=母=平和」の図式に依拠する平和運動が軍隊内での女性を不可視化してきたという問題を指摘しつつも、戦闘領域への男女共同参画を「新たな課題」とする。軍隊への女性参加を否定的に見る視点はある意味新鮮だった。
     ほか、佐藤成基論文では先進国での総力戦を題材に、「統治者と一般市民との多面的な交換関係から国民国家形成」を論じ、WWII後は強力でリベラルな国民国家が形成されたとする。
     柳原論文では、戦後西ドイツの子供文化を日本と比較して、軍事的なものが忌避されたと指摘するが、今野元の著作で、現代ドイツで軍事史博物館や軍事祭典を通じたドイツ固有性が肯定的に再評価されていると読んでいたため戸惑った。今野の指摘も、柳原論文中にある、2011年の一般徴兵制廃止後に展開された軍の一般向け広報という位置づけなのだろうか。

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著者プロフィール

関西外国語大学国際文化研究所 客員研究員、国際日本文化研究センター 客員教授、上智大学 名誉教授
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士課程中退。博士(文学)。専門は歴史社会学、戦争社会学、国際社会学。
主著に『シリーズ 戦争と社会(全5巻)』(共編著、岩波書店、2021年~2022年)、『引揚・追放・残留 戦後国際民族移動の比較研究』(共編著、名古屋大学出版会、2019年)、『戦争と性暴力の比較史へ向けて』(共編著、岩波書店、2018年)、『中国残留日本人という経験』(編著、勉誠出版、2009年)、『「満州移民」の歴史社会学』(行路社、1994年)など。

「2025年 『多文化共生と民族的マイノリティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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