ナポレオン帝国 (ヨーロッパ史入門)

制作 : Geoffrey Ellis  杉本 淑彦  中山 俊 
  • 岩波書店 (2008年12月18日発売)
3.60
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000272018

作品紹介・あらすじ

ナポレオンはフランス革命の継承者だったのか、それとも破壊者だったのか。大帝国の名のもとに行われた彼の支配は、ヨーロッパのそれぞれの地域に何を遺産として残したのか。ナポレオンが目指し、成し遂げ、断念したものは、彼が築き上げた帝国の実態にこそ表れている。近年目覚ましい展開を見せる新たなナポレオン研究の成果を見渡し、行政組織、法制度、軍事、経済、教会と国家、帝国エリートの編成、従属国支配など、主要なテーマに沿って、ナポレオン体制の現実を総合的に解説した得がたい一冊。

ナポレオン帝国 (ヨーロッパ史入門)の感想・レビュー・書評

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  •  訳者解説によれば、「本書は、マンガやゲームでナポレオンとその時代に興味を持った人にこそ有用な、優れた専門的概説書である」。

     本書は、オックスフォードでフランス近代史を専門とする、社会経済史家の手になる概説書だ。革命戦争・ナポレオン戦争の戦術史ではないし、ボナパルト一族の私生活について描いたものでもない。

     本書ではナポレオンが採用した統治システム(大部分、社会と経済の話)とその影響、一方で旧体制からの人的・制度的連続性について解説されている。面白い。
     帝国と大陸軍を維持するために従属国からかなり徹底した搾取が行われたが、その政策を維持するためには大陸軍が戦争で勝利し続けなければならない、というところがまた面白い。勝ち続けなければ従属国が離反してしまうからだ。要するに、なめられてしまう。そうなると、これまでうまくいっていたものがすべて逆回転し始める。実際、そうなったわけだが。リターン・リバーサルだな。

     本書では戦闘の描写であるとか、元帥列伝みたいなことは出てこない。ほぼ社会経済、要するに政治的なお話であるから、その点本書を戦史かなにかと期待して読むと完全に裏切られる。軍隊だけがすべてではないのだ。というより、軍隊は全体の一部に過ぎない。また、概説書とはいっても専門的というか堅い方であるから、やさしくはない。しかし、この本は読む価値あり。

  • [ 内容 ]
    ナポレオンはフランス革命の継承者だったのか、それとも破壊者だったのか。
    大帝国の名のもとに行われた彼の支配は、ヨーロッパのそれぞれの地域に何を遺産として残したのか。
    ナポレオンが目指し、成し遂げ、断念したものは、彼が築き上げた帝国の実態にこそ表れている。
    近年目覚ましい展開を見せる新たなナポレオン研究の成果を見渡し、行政組織、法制度、軍事、経済、教会と国家、帝国エリートの編成、従属国支配など、主要なテーマに沿って、ナポレオン体制の現実を総合的に解説した得がたい一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 序論―歴史書のなかのナポレオン
    第2章 受け継いだ遺産
    第3章 文官組織―ナポレオン国家の非軍事基盤
    第4章 「大帝国」と「大陸軍」
    第5章 帝国エリートの編成と贈与
    第6章 帝国の経済
    第7章 遺産

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「ナポレオン」とタイトルにとった書物が数えきれないほどある中から、概説書を探すのってけっこう難しい。
    この本は、人間ナポレオン、ではなく、ナポレオンの仕事を客観的に知るのに役立つ入門書。


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