妖怪がやってくる (岩波ジュニアスタートブックス)

  • 岩波書店 (2021年7月30日発売)
3.56
  • (1)
  • (8)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 101
感想 : 13
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (126ページ) / ISBN・EAN: 9784000272384

作品紹介・あらすじ

「妖怪」と聞いて、何を思い浮かべますか? 京の都からあなたの隣まで、姿を変え場所を変え、自然と社会のなかで生きる人間めざして、妖怪は何度でもやってきます。見つめて考え、調べてみたとき、姿を現すモノとはなんでしょう? 古い資料や絵から現代のアニメまで解き明かす、あなたの「妖怪観」を変えるオドロキの一冊。

みんなの感想まとめ

妖怪がどのように人々の生活や自然と結びついているのかを探求する本で、古い文献や地図を元に妖怪の出現場所の意味を解き明かしていきます。このアプローチは新鮮で、読者にとって驚きの体験となるでしょう。特に、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 〇話があちらこちらに飛びながら、やがて収束していくのが気持ちいい。
    恐怖の体験の通過儀礼的な側面にはなるほど~と思った。子どもがあんなに怖い話が好きなのは、心理的な大人への階段なのかもですね。
    他、妖怪が身近に出没してくる過程も面白かった!巻末のオススメ図書は順番に読んでいきたい。


    ・妖怪:災厄(天変地異、天候不順、自然災害、凶作、疫病、事故、戦争、犯罪、経済不況など)
    ・妖怪は人の作った道を通ってやってくる
     東は陸奥、西は遠値嘉、南は土佐、北は佐渡…その国々の先の海の底
     →ステイホームとか都市の封鎖などを考えると…
     →道路鬼、悪路王
    ・当初は権力者を目指してやってきた怪異は時代を経て個人を目指してくるように。
     →自己の確立の時代。民主主義。
    ・病は罪→現在でも感染した人が非難されることがある。
    ・根の国底の国へと流される妖怪たち。
     セオツリヒメ、ハヤアキツヒメ、イブキドヌシ、ハヤサスラヒメ
    ・宮中での大祓。
    ・権力者(道饗祭)→陰陽師や武士→一般
     近付いてくる妖怪たち
    ・菅原道真 崇徳上皇
     →帰ってきた人たち
    ・城下町の少年の怪異 
     名古屋『尾張霊異記』
     備後国三次城下町『稲生物怪録』
    ・妖怪画の博物誌
     鳥山石燕『画図百鬼夜行』
     →山や川ではなく、家の妖怪が多い。
      天皇、殿様でなく、私たち一人一人の隣に訪問する
     ←モブがモブで無くなった時代、みたいな?
    ・現代アニメの妖怪たち
     Q太郎、怪物くん、ベム、どろろ
     →外からやってきて、事件を解決し帰っていくヒーロー
     うしおととら、ぬーべー、犬夜叉
     →人間と協力して悪に立ちむかう。友情や恋。
     夏芽友人帳
     →孤独な青年の癒し。大人向け。
     妖怪ウォッチ
     →再び子どもの元に。現代社会への批判と懐古。
     鬼滅の刃
     →古代や中世の鬼
    ・人はなぜ妖怪を見るのか
     時間も空間も私たちが作った物。1年という区切り、領土や国境。
     時空の境界を歩む人々
     →時代の変わり目、居住空間と自然空間の境界で妖怪を見る
     →現代のアニメやマンガにもその傾向が見られる
     →子どもと大人の間。プレッシャー
     →通過儀礼の恐怖
     昔話の妖怪と子どもたち
     →母殺し。(親離れ)
     民間説話 昔話、伝説(時間・空間、登場人物の特定)
    ・妖怪とは何か
     さまざまな物の関係性を狂わせてしまうモノではないか。
     変わり目の恐怖の体験を直視し克服し、前に進む覚悟をきめる。
     妖怪は勇気を与えてくれる魅力的な存在。

  • 昔の文献や、地図をもとに妖怪が現れる場所の意味を解き明かしていく。こういう本に出会ったことがなかったから、新鮮で面白かった。大人でも楽しめる。

    妖怪は道や空間の境目に出る。

  • 2021 妖怪観の変わる一冊

    まず妖怪がるどんな場所に出るか
    どこから来たか
    時代ごとの妖怪の変遷

    妖怪とは妖しくて、怪しいモノ

    一番古い妖怪の記述は〜
    奈良時代宝亀8年(777年)の『続日本紀』(しょくにほんぎ)

    「3月19日 宮中にしきりに妖怪があったので、大祓を行った」

    この記述からわかること
    ・妖怪がいた
    ・宮中にたびたび出た
    ・大祓をおこなって対処していた

    妖しいモノ
    目に見える物質かどうかわからん
    現象や出来事、目に見えないモノ

    大祓とは?
    平安時代の『延喜式』(えんぎしき)
    その中に大祓の祝詞が記されていた

    祝詞とは神さまにお願いするときに申し上げる言葉のこと
    天孫降臨のいきさつを語るところからはじまる物語
    天界の神々が地上界の神々を平定し、天皇が天降り、ヤマトの国を造って治めるが、人々が罪を犯し、天皇がその罪を祭事と祝詞で祓おうとする

    罪とは現代の罪とはちがう
    雷に打たれること、病気になること災害や異変、飢饉、疫病

    妖怪の侵入経路と出没場所
    内裏(御所、宮中)、大内裏(政治の中心)、都の三つの南正門(建礼門、朱雀門、羅城門)

    東 陸奥の奥
    北 佐渡の奥
    南 土佐の奥
    西 遠値嘉の奥(えんちか=五島列島)


    著者の考える鬼とは
    さまざまなモノの関係性をくるわせてしまうモノ

    【博物館】
    日本妖怪博物館三次もののけミュージアム
    https://miyoshi-mononoke.jp/

    日本の鬼の交流博物館
    https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/

    水木しげる記念館
    https://mizuki.sakaiminato.net/

    web
    国際日本文化研究センター
    怪異・妖怪画像データベース
    https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiGazouMenu/

  • ジュニア向けの本ですが妖怪の出現場所の持つ意味や天皇を目指して進んでいた妖怪が広く一般個人を目指すようになる過程等の解説は大人でも充分に楽しめました。

  • おもろ~~。個々の、それこそ妖怪辞典的な本は読んだことあるけど、その妖怪たちの現れた場所の意味とか考えたことなかった。

  • 子供の読書用に図書館で借りてきたもの。
    子供向けかと思いきや、アカデミックな内容で、
    大人が読んでも読み応えがあります。

    平安時代の妖怪と祓いの儀式を詳しく読み解いていくことで、
    中世、現代に至っても変わらない妖怪の本質がみえてくる。

    ウチの子もそろそろ反抗期を迎え、進路に悩み、
    そんな中で妖怪にも出会い、克服していく事になるのかな?
    そんな事を思いました。

    いわゆる妖怪のイメージからは少し離れているかも。
    その辺りを期待して読むと、あれ?となりそうです。
    このあたりは民俗学の領域なのかもしれませんが、
    中世以降に怪異がキャラクター性を確立していく過程も、調べてみたくなりました。

  • 夏休み、小4の男の子の自由研究のレファレンスで使った本。
    ジュニスタのシリーズは本当にわかりやすくて大人が読んでも面白いです。
    妖怪は人の心が見せるもの。私たちに勇気を与えてくれるもの...。怖がり、恐れを抱き、乗り越えることで生きる力をもらっているのですね。

  • 岩波のこのシリーズでは今のところ一番面白い。

  • ジュニア向けと侮るなかれ。
    研究者が、どのようなアプローチで「妖怪」を理解しようとするか、その方法論がびっくりするほど平易に(ただし、ちゃんとアカデミックに)書かれている。
    大人なら1時間くらいあれば通読できてしまう分量で、妖怪の読み解き方がばっちり頭に入ってきます。

  • 初トライの岩波のこのシリーズ。”妖怪”に惹かれて手に取ってしまった。なるほど、地図と見比べると見えてくるものがあるんですね。お祓いが行われた場所に妖怪はおり、それは国境とか門とか、内と外を隔てるところが多い、と。時期もまた関連が深く、時代の変わり目にお祓いが行われることが多かった、と。そして今、”鬼滅”が流行ったのも示唆的で、時代の変わり目に我々はいるのでは、と解く。コロナにウクライナ。なるほど。

  • 2022.01.18

  • ふむ

全12件中 1 - 12件を表示

この本が好きな人におすすめの本

佐々木高弘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×