ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)

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レビュー : 159
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000280716

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のゲドは嫉妬や傲慢、無鉄砲さ等、誰でも持っている感情を隠さない、人間らしい人間。
    自分に秘められた大きな力を過信するあまり影を呼び出してしまう。
    逃げれば逃げるほど影はゲドを追い詰める。
    しかし、影と向き合おうとした瞬間、影とゲドの立場は逆になる。

    自分の欠点を認め、目をそらすことなく受け入れていく。それこそ影を克服する方法ではないだろうか。
    人間が成長していく上で大切なことがちりばめられているように感じた。

    ファンタジーとはいえ、魔法を派手に使う描写は目立つほどない。
    あくまで自分のうちへうちへと深くもぐっていく作品。

  • なかなか世界観に入り込むまで苦労したけど面白かった。

  • 大人のためのファンタジー。

    中・高校生の多感な時期に読んでみたかった。

  • 最近レンタルで観た宮崎吾朗のアニメ映画『ゲド戦記』が、映画としての成立が危ぶまれるレベルで大変な事になっていたので、ついつい原作を購入。他のレビューを拝見するに、似たような境遇の方が多数いらっしゃるようで安心しました。

    アニメを観ている間中ずっと「原作は面白いんだろうなぁ……」とモヤモヤし続けた甲斐あって、『Ⅰ・影との戦い』、軽快に読了。
    なんであの映画が『ゲド戦記』だったのかは益々わからなくなりましたが、もういいです。忘れます。こちらできっちり、ゲドの成長を見届けようと思います。

    この世界の「魔法」の捉え方がすごく好き。派手な攻撃呪文でドッカンドッカン魔法合戦はしないけど、人々の生活にしっかりと寄り添うような、素朴な「魔法」が素敵です。
    だけどそれですら自然の均衡に影響を及ぼし、思いもよらない結果をもたらしてしまうかもしれないんだよ、と、魔法使いとしての心得を懇々と説くお師匠様達。賢者すぎる。シブすぎる。

    ハリポタ1作目で挫折した身ですが、こちらはシリーズ読破を目指します。

  • 才能豊かなゆえに己を過信する魔法使い見習いのなかから、その驕慢さゆえに生まれた邪悪な影を、追いつ追われつする。


    ひとによっては、ユングみたいなモチーフが図式的にすぎるとか、説教臭いと感じるかもしれない。
    でも、リアルな別世界を創造してぐいぐい描いていく想像力と物語力が、よい臭み消しになっているとぼく個人は感じた。
    ラスト、悪=影と一体化するところで、それまで自分の中に驕りと憎しみを借りたててきた人物たちが影のなかに現れ、消えていくシーンなんて生き生きと迫力あったなあ。


    ものの名前=本質という思想につらぬかれているあたり、それから意識して黒人をだしてくるエスノコンシャスなところ。
    下手に魔法を使うと世界の均衡が崩れるという考え方。
    こういうのは人類学っぽい。作者はアメリカ人類学の雄、アルフレッド・クローバーの娘。

  • こころ。夏目漱石のそれを思いだした。
    心理描写は自分の心の鏡になるようで、
    興味なんだろな、なんだか止めることができない。

    私も自分の嫌なところから目をそむけないように。
    わかっているからこそ、何度も繰り返して。

  • 自分はゲドの影との戦いを読む以前に、‘少年が人間的成長を遂げる為の闇との対峙’を様々な物語により学ばせてもらっていたかもしれない。
    「指輪物語」の主人公フロドが己の弱さに屈してしまうか否かの、長い旅路のなかに。
    「千と千尋の神隠し」の千尋が真の名を奪われ隷属させられても尚、家族を守りぬいた強さのなかに。
    「鋼の錬金術師」のエドワードが亡き母を甦らせようとして生者を犠牲にしてしまった悔恨のなかに。
    それらは全て己との闘いであり、終わりの見えない闇の下進む物語だった。

    ゲド戦記がこれらを含むファンタジー史に結果的に多大なる影響を及ぼしたことは間違いないが、素晴らしいのは、どの時代に読まれようともこの伝説的寓話は、私たちの住まうこの世界の何処かに、生々しく立ち上がってくることだ。
    ゲドやカラスノエンドウの意志のちから、オジオンの言葉にはじまり、大賢人たちの思慮深さ、ヒスイの狡猾さ。他人を欺く行為の醜さが教えてくれることは、この先歳を重ねても忘れられない実感を伴って迫ってくる。

  • 影と戦うってすごい

  • ゲドが影と闘うお話。
    すべてのものは表裏一体で、それぞれが一つになった時、「真」となる。

    超名作!

  • 児童書の括りでよんだのだが。どっこい。面白い。つか、人生の教訓がてんこ盛りです。ハイタカがとっても人間臭くて良い。妬み、嫉み、奢りがじっとりと描かれていて、恐れや弱気が何度も襲う様もファンタジーなのにリアルだ。
    ちょっと読みづらく、ハマっても挫けるかもしれない。細切れでもいい、時間かかってもいい、読んで、刻みたい。

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著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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