ゲド戦記 3 さいはての島へ (ソフトカバー版)

制作 : Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店
3.59
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本棚登録 : 509
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000280730

作品紹介・あらすじ

大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。

感想・レビュー・書評

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  • 力が失われゆく世界。
    均衡のために旅立つゲドとアレン。
    魔法使いの力の使い方に学ぶところがたくさんありました。
    でもまだ物語は終わりではない。
    続きが気になります。

  • 大賢人となったゲドのもとに一人の少年が訪れた。

    少年、エンラッドの王子であるアレンは島々で魔法使いやまじない師たちが魔法を使えなくなっていること、そして魔法の存在が忘れられていること、人々の心がすさんできていることを告げる。

    その言葉を受けて、ゲドは少年とともに世界の均衡を取り戻すための旅にでる。

    生と死について色々語られる物語だったように思います。
    アレンの若さゆえに持つ死に対する恐怖はよくわかります。

    たった一人の魔法使いによってここまで世界の均衡が崩されるというのはとても恐ろしいことではないのかなぁ……
    新たなクモが現れたりしないのだろうか。

    最後の最後、竜のカレシンに乗ってアレンとゲドが戻ってくるシーンは壮観であろうなぁ~
    アレンはその後アースシーの王となるが、ゲドは魔法の力を失って故郷のゴントに戻る。

  • このシリーズを最初から読んでいて今3冊目ですが、一番面白いと思いました。
    現実世界の比喩なのかな、と思いながら読んでしまうので、もっと子供のころに素直に読みたかったな、と思いますが、自分の子供時代を思うと理解できなかったかもしれません。(だから読まなかったのか…)

    • tamtam070513さん
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      2012/08/10
    • ふみさん
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きま...
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きました。
      2012/08/10
  • 3巻が一番好き。主人公がすごい話は好き。その連れが、色んな事に悩んで迷いながらも前に進む力を持って、かつ主人公を尊敬している図も好き。よくがんばりました

  • 世界を救うためにゲドとアレンはたびに出る。
    二人の戦いの話。世界が闇に染まりそうになってという現状だが、何も手がかりがないところからのスタート。
    ゲドは大賢人になっていて、若者には見えない先まで見通している。若者アレン目線が基本で話が進む。老人と若者理解しあえないこともあるが、少しずつ仲を深めていくところも心を打つ。
    全ての力を使い果たすゲドと、王子としての意地を見せるアレン。どちらも男として惚れる。
    壮大なファンタジー。個人的には地図を見ながら、あちこち共に旅できるのが楽しい一冊。

  • 2018年8冊目。

    ちょうどこの巻を読んでいる最中に、著者のアーシュラ・ル=グウィンさんが亡くなった。
    奇しくも、テーマは「生と死」。
    黄泉の国でのゲドたちの冒険を、片隅で見守っていたかもしれない。
    三巻になって、映画版の主人公であるアレンや、敵のクモ、ウサギなど、馴染みのキャラクターが登場する。
    が、あくまで「モデルにしている」という感じで、映画と原作とではかなり違った。
    すごいなと思ったのは、謎めいた言葉や出来事を、いちいち腑に落とそうと説明しきらないこと。
    予定調和に逃げず、おそらく著者自身にとっても謎なものを、物語が浮かび上がるがままに、謎のままに提示しているんじゃないか、という印象。
    メインの読み手であろう子どもたちの想像力を馬鹿にしていない。
    だから読み継がれる豊かさを備えているんだと思う。
    ひたすら地下に潜っていた二巻とは打って変わって、アースシーの世界中、さらには黄泉の国まで巡る大冒険。

  • 第1巻の「影との戦い」が良かった分、少し物足りなさを感じてしまう。

  • 読んでて辛くなる内省的な話。少年ジャンプな合言葉みたいな(今は違うかもしれないけれど)勇気・友情・希望だけが出てくるお気楽な児童文学じゃない。老い、喪失、死。あまり向き合いたくない心理に対しての向き合い方がファンタジーを借りて述べられている。深いな~。
    にしても、アランが出てくるけれど、映画のゲド戦記ってほんと原作とは別物だとつくづく実感。

  • 果たして壮年となり大賢人となったゲドが世界の異変をつきとめるために若き王子アレンとともに最果ての島へ旅に出る。若き過ちから罪の意識に苛まれ影と抗う若きゲド、腕輪を奪還すべく洞窟にしたたかに忍び込みテナーと出会ったゲド。そしてもはや大賢人となりその強大な魔力と深謀遠慮な知恵を身につけたゲドはアレンを導きつつ、静かで深い省察を持って崩壊しつつある魔法の理のなぞに迫る姿はもはやRPGに出てくる老賢者の風格。でもそこはかなとなく慈愛を伴った人間味を残しているのが魅力的。
    「わしのほうは、うむ、いらんなものになった。いちばん、最後が、そして、おそらく、いちばんつまらんのが、この大賢人というやつだ。」
    「よくよく考えるのだぞ、アレン、大きな選択を迫られた時には。まだ若かった頃、わしは、ある人生とする人生のどちらかを選ばなければならなくなった。わしはますがハエに飛びつくように、パッと後者に飛びついた。だが、わしらは何をしても、その行為のいずれからも自由になりえないし、その行為の結果からも自由になりえないものなのだ。ひとつの行為が次の行為を生み、それが、また次を生む。そうなると、わしらは、ごくたまにしか今みたいな時間が持てなくなる。ひとつの行動と次の行動の間の隙間のような、するということをやめて、ただ、あるという、それだけでいられる時間、あるいは、自分とは結局のところ、何者だろうと考える時間をね。」
    「いいかね、アレン、なにかするということは、簡単に石ころでも拾って、投げて、あたるかそれるかして、それでおしまい、などと、そんな、若いものが考えるようなわけにはいかないんだ。石が拾い上げられれば、大地はその分軽くなる。石を持った手はそれだけ重くなる。石が投げられれば、星の運行はそれに応え、石がぶつかったり、落ちたりしたところでは、森羅万象、変化が起きる。何にしても、全体の均衡に関わってくるんだ。一方風も海も、水や大地や光の力も、それから、獣や緑の草木も、すべてこれらのなすことは守備良く、正しく行われている。いっさいは均衡の崩さぬ範囲でな。暴風や巨大なクジラの潜水に始まり、枯葉が舞い落ちたり、ブヨが飛んだりするのまで、こうしたものはなにひとつ全体の均衡を崩したりはしないんだ。ところが、わしらときたら、今いる世界や、人間同士互いを支配する力を持っており、そうである限りワシらは木の葉やクジラや風がその本性にのっとってごくごく自然にやっていることを、その気になって学ばなければならない。わしらはどうしたら、均衡が保たれるか、それを学ばなければならないのだよ。知性があるのなら、あるように行動しなければ。選択が許されているのなら、それなりの責任を持って行動しなければ。褒めたり、罰したり、そりゃ、このワシにその力がないわけではないが、しかし、そんなことをして、人間の運命をいじりまわすなんて、このワシを一体何者だというのかね。」

  • 何不自由なく暮らしていたエンラッドの王子・アレンが、ゲドと共に世界の異変の原因を調べて旅をする。
    初めはゲドに「従う」形だったアレンだが、最後にはゲドに「道しるべ」とされる。
    ゲドを信じ、しかし疑い、絶望し、それでもまっすぐに成長するアレン。
    そして二人は、死ぬことを恐れる人々の心の隙間に入り込み、世界の均衡を乱していた魔法使いのもとへたどり着く。

    死ぬことを拒否することは生きることを拒否すること。
    生きることを拒否したために、世界の均衡を崩れていった。
    生きることってなんだろう。

    ふとそう思った。

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著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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