さいはての島へ (ソフトカバー版 ゲド戦記 III)

  • 岩波書店 (2006年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784000280730

みんなの感想まとめ

魔法が失われつつある世界を救うため、若き王子アレンと大賢人ゲドが旅に出る物語は、深いテーマ性を持っています。「生と死」という普遍的なテーマに真正面から向き合い、特に現代人にとって避けがちな「死」を通じ...

感想・レビュー・書評

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  • 魔法が失われつつある世界を救うため、大賢人となったゲドと一国の王子アレンがさいはての島まで旅する物語。

    大雑把に言えば、ゲドがアレンを導くのが主旨なんだけど、舞台はゴントと世界という違いはあっても、かつてオジオンがゲドを導いた方法と同じなのが感慨深い。

    アレンのさまざまな葛藤を、若かりし頃のゲドと重ね合わせた人も多いと思う。

    ゲドが大賢人ながら、完璧人間として存在していないのも良かった。

  • ゲド戦記第三部。齢を重ね大賢人となったゲドが、偉大な王となる宿命を背負った若き王子と、世界の異変の正体を探るべく旅に出る。
    中心となるテーマは「生と死」。多くの現代人にとって嫌厭の対象でしかない「死」というものに真っ直ぐに向き合い、そこから「生」を色鮮やかに浮かび上がらせているともいえる内容だったと思う。
    世界観としては、ゲドと竜の交流や、王子アレンの背景などからチラホラとうかがえる、緻密なアースシーの歴史設定が、雄大な作品世界の広がりを感じさせて魅力的だ。
    物語の流れとしては、海の旅の冒険感、存在感ある竜たちの描写、明確なラスボスとの対決など、ファンタジーとして非常に読みごたえがある。視点はアレン寄りで進むが、主人公はやっぱりゲド!ラストの満足感にズバリ、「面白かった!」と言って本を閉じたところ。
    当初三部作と思われていたらしく、実際見事な終結をみせるので、ここで終わりでも不自然ではない。しかしオジオンやテナー、アレンたちのその後、さらにアースシーそのものの行く末など気になる部分は残るので、続巻があるのは幸せなことだ。

  • かつて若いゲド自身が教わったことを、今度はゲドが教える立場として語る。
    通して読んでいる人間には感慨深い。
    大賢人ゲドさん。
    偉大なる魔法使いだが、決して無敵ではない。
    無敵であろうとすることはバランスを崩す行いだから。
    だから毎回弱ってる。死にかけてる。
    苦労も絶えないゲドさん。
    でもそれもバランス、調和。

  • 力が失われゆく世界。
    均衡のために旅立つゲドとアレン。
    魔法使いの力の使い方に学ぶところがたくさんありました。
    でもまだ物語は終わりではない。
    続きが気になります。

  • この3巻までが原作者が当初書こうと予定していたものらしい。ひとまず区切りがついた気分。
    今回は、死への恐怖や壮年を迎えたゲドが未来を担う若者に知恵や人生を教えることで世代継承していく事がメインテーマなのかなと思った。
    大賢人で竜王になっているゲドだけど、ゲドならば大丈夫!と安心して読んでいられるほど、称号が持つ力は強くないと感じる。壮年に至ってまでも人間力が必要とされるのが人生なのだろうな。

    在りし日のゲドのようなアレンの未熟さを描いているのだが、それが似ているけど全く異なるものとして表現されているの人物描写が上手すぎると思う。


    ジブリのゲド戦記が原作者に不評だったのは知っていたけど、個人的にゲド戦記が好みだったからそれはそれでいいやと思ってた。でも、ここまで3巻を全部読んできたら、それぞれの内容とメッセージを無理やり2時間ぐらいの映画にまとめた宮崎吾朗許せん!ってなった。でもゲド戦記は好きなんだけどね笑

  • これは 凄い物語だ!
    と いまさらながら 思ってしまいます。

    清水真砂子さんの
    本の評論集、講演録は
    何度も読んできましたが

    そうか 清水さんが
    こんなところに力点を置いていたのかを
    かみしめながら読んでしまっています

    むろん
    訳書ではあるのですが

    単なる偉大な大賢人、すごい魔法使い
    単なるロードムービー的な物語
    には 収まりきらない
    その 奥深さ

    偉大なる魔法使いであるがゆえの
    苦悩 と 謙虚さ と 決断
    が 切なく 尊く 美しい

  • 世界を救うためにゲドとアレンはたびに出る。
    二人の戦いの話。世界が闇に染まりそうになってという現状だが、何も手がかりがないところからのスタート。
    ゲドは大賢人になっていて、若者には見えない先まで見通している。若者アレン目線が基本で話が進む。老人と若者理解しあえないこともあるが、少しずつ仲を深めていくところも心を打つ。
    全ての力を使い果たすゲドと、王子としての意地を見せるアレン。どちらも男として惚れる。
    壮大なファンタジー。個人的には地図を見ながら、あちこち共に旅できるのが楽しい一冊。

  • 大賢人となったゲドのもとに一人の少年が訪れた。

    少年、エンラッドの王子であるアレンは島々で魔法使いやまじない師たちが魔法を使えなくなっていること、そして魔法の存在が忘れられていること、人々の心がすさんできていることを告げる。

    その言葉を受けて、ゲドは少年とともに世界の均衡を取り戻すための旅にでる。

    生と死について色々語られる物語だったように思います。
    アレンの若さゆえに持つ死に対する恐怖はよくわかります。

    たった一人の魔法使いによってここまで世界の均衡が崩されるというのはとても恐ろしいことではないのかなぁ……
    新たなクモが現れたりしないのだろうか。

    最後の最後、竜のカレシンに乗ってアレンとゲドが戻ってくるシーンは壮観であろうなぁ~
    アレンはその後アースシーの王となるが、ゲドは魔法の力を失って故郷のゴントに戻る。

  • このシリーズを最初から読んでいて今3冊目ですが、一番面白いと思いました。
    現実世界の比喩なのかな、と思いながら読んでしまうので、もっと子供のころに素直に読みたかったな、と思いますが、自分の子供時代を思うと理解できなかったかもしれません。(だから読まなかったのか…)

    • tamtam070513さん
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      2012/08/10
    • ふみさん
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きま...
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きました。
      2012/08/10
  • 3巻が一番好き。主人公がすごい話は好き。その連れが、色んな事に悩んで迷いながらも前に進む力を持って、かつ主人公を尊敬している図も好き。よくがんばりました

  • 死生観がすごくわかりやすく描かれてるなっていう感じ。永遠の命を願うからこそ死というものが色濃くなる。生と死は隣り合わせっていうゲドのセリフがとても印象的だった。
    ”そなたは、ひとつの波を救うために、そなた自身を救らために、海を静め、潮の流れを止めようと思うかい?自分の身の安全、その永久の安全を手に入れるためなら、持っている技を放棄し、喜怒哀楽の情を放棄し、日の出、日の入りのあの太陽の輝きが見られなくなってもいいと思うかい?”
    ここのセリフは特に今の温暖化が進む世界にも投げかける問いだと思った。
    ストーリー的には今まで3作読んだけど1番おもしろかった。アレンの物語を通しての成長とかゲドの経験値から発せられる価値観だったりとか結構面白かった。
    また、ジブリのゲド戦記って酷評されてるけど、結構頑張ってるくない?って思った。このゲド戦記っていう長い話をよく2時間でまとめれたなって。結局1番伝えたい死生観はちゃんと映画でも伝わるわけだし。ストーリー的にもできるだけ多くの登場人物に関わらせて物語の進みを綺麗にしてるようにも感じる。

  • 近頃はまじないも魔法も信じるものがいなくなってきたようだ…どうやら魔法使いが力と術を失い吟遊詩人たちが歌を忘れてしまったためらしい。

    こうした不吉な出来事をローク島の大賢人に相談に行くように言われた王子アレンが、ゲドとともに「はてみ丸」に乗って原因究明のための旅に出る。

    旅の途上、ゲドが自分の師オジオンに感じていたようなことを、アレンもゲドに対して感じて葛藤する。

    竜も恐れた「原因」は、ちらっとヒスイかなと思ったのだけれど。そんな単純な話ではなかった。

    この設定が現代社会のことを描いているように感じる。すぐれた物語は普遍的だということだろうか。

  • 前作から一気に大層立派になってしまっているゲト。

    個人的にはもうちょっと成長の過程を知りたかったかなぁ

    次っ‼️

  • 究極とも言えるような戦いを終えたゲド。この先、まだ物語は続くのであろうか?竜の存在がいまひとつよくわからないが、次巻以降で明らかになってくるのかもしれない。

  • アレンのゲドに対する不信感。長い旅でこれでいいのかと自問自答。
    もう少しアレンの心境の変化が欲しかったけど、児童文学で掘り下げては難しくなってしまうのかも知れない。
    でもそう思うのは誰にでもある事で、それを克服すると成長できるのがこの巻でわかる、
    学ぶ事が多いゲド戦記。
    何度読んだか分からないが新たな面に出会え勉強にもなる。

  • タイトル*ゲド戦記 3 さいはての島へ
    著者*アーシュラ・K.ル・グウィン
    出版社*岩波書店

    大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。

    (あらすじより)

  • ゲドが旅を終えた後の願望として、「テナーに会いたい。オジオンさまにもお会いしたい」と呟くシーンがある。
    オジオンより先にテナーが出てくるところに、テナーへの愛情を感じたので、二人は幸せになってほしいと思う。
    が、実はそうならないことを先に読んだ次巻のあらすじで知る。読むのが怖い。

  • 2巻はずいぶん前に読み終わっていたのだが、忘れていた
    のでまとめて。2巻も3巻も主人公はゲドではない。テナー
    とアレンかと言うと、一応はそうだろうが、本当はそうでは
    ないだろう。2巻は名付けるということ、名前の持っている
    意味、3巻は名付けることによって生まれる境界の有り様
    つまりゲド戦記とは名前という魔法、名付けるという魔法に
    ついての物語なのだ。それは言葉というものの持つ魔力の
    お話しだと言ってもいいだろう。日々簡単に意識しないで
    使っている言葉の中にこそ人の力が秘められている。

  • ここで終わってれば傑作ファンタジー。

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著者プロフィール

1941年、北朝鮮に生まれる。児童文学者・翻訳家。2010年3月まで青山学院女子短期大学専任教員。主な訳書に、アーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記』全6巻(岩波書店)など。最近の著書に、『あいまいさを引きうけて』『不器用な日々』『本の虫ではないのだけれど』(かもがわ出版)、『大人になるっておもしろい?』(岩波ジュニア新書)、『そして、ねずみ女房は星を見た』(テン・ブックス)、『青春の終わった日――ひとつの自伝』(洋泉社)など。

「2019年 『子どもの本のもつ力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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