- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000280730
作品紹介・あらすじ
大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。
感想・レビュー・書評
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この3巻までが原作者が当初書こうと予定していたものらしい。ひとまず区切りがついた気分。
今回は、死への恐怖や壮年を迎えたゲドが未来を担う若者に知恵や人生を教えることで世代継承していく事がメインテーマなのかなと思った。
大賢人で竜王になっているゲドだけど、ゲドならば大丈夫!と安心して読んでいられるほど、称号が持つ力は強くないと感じる。壮年に至ってまでも人間力が必要とされるのが人生なのだろうな。
在りし日のゲドのようなアレンの未熟さを描いているのだが、それが似ているけど全く異なるものとして表現されているの人物描写が上手すぎると思う。
ジブリのゲド戦記が原作者に不評だったのは知っていたけど、個人的にゲド戦記が好みだったからそれはそれでいいやと思ってた。でも、ここまで3巻を全部読んできたら、それぞれの内容とメッセージを無理やり2時間ぐらいの映画にまとめた宮崎吾朗許せん!ってなった。でもゲド戦記は好きなんだけどね笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作から一気に大層立派になってしまっているゲト。
個人的にはもうちょっと成長の過程を知りたかったかなぁ
次っ‼️ -
究極とも言えるような戦いを終えたゲド。この先、まだ物語は続くのであろうか?竜の存在がいまひとつよくわからないが、次巻以降で明らかになってくるのかもしれない。
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ゲド戦記第三部。齢を重ね大賢人となったゲドが、偉大な王となる宿命を背負った若き王子と、世界の異変の正体を探るべく旅に出る。
中心となるテーマは「生と死」。多くの現代人にとって嫌厭の対象でしかない「死」というものに真っ直ぐに向き合い、そこから「生」を色鮮やかに浮かび上がらせているともいえる内容だったと思う。
世界観としては、ゲドと竜の交流や、王子アレンの背景などからチラホラとうかがえる、緻密なアースシーの歴史設定が、雄大な作品世界の広がりを感じさせて魅力的だ。
物語の流れとしては、海の旅の冒険感、存在感ある竜たちの描写、明確なラスボスとの対決など、ファンタジーとして非常に読みごたえがある。視点はアレン寄りで進むが、主人公はやっぱりゲド!ラストの満足感にズバリ、「面白かった!」と言って本を閉じたところ。
当初三部作と思われていたらしく、実際見事な終結をみせるので、ここで終わりでも不自然ではない。しかしオジオンやテナー、アレンたちのその後、さらにアースシーそのものの行く末など気になる部分は残るので、続巻があるのは幸せなことだ。 -
これは 凄い物語だ!
と いまさらながら 思ってしまいます。
清水真砂子さんの
本の評論集、講演録は
何度も読んできましたが
そうか 清水さんが
こんなところに力点を置いていたのかを
かみしめながら読んでしまっています
むろん
訳書ではあるのですが
単なる偉大な大賢人、すごい魔法使い
単なるロードムービー的な物語
には 収まりきらない
その 奥深さ
偉大なる魔法使いであるがゆえの
苦悩 と 謙虚さ と 決断
が 切なく 尊く 美しい -
アレンのゲドに対する不信感。長い旅でこれでいいのかと自問自答。
もう少しアレンの心境の変化が欲しかったけど、児童文学で掘り下げては難しくなってしまうのかも知れない。
でもそう思うのは誰にでもある事で、それを克服すると成長できるのがこの巻でわかる、
学ぶ事が多いゲド戦記。
何度読んだか分からないが新たな面に出会え勉強にもなる。 -
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タイトル*ゲド戦記 3 さいはての島へ
著者*アーシュラ・K.ル・グウィン
出版社*岩波書店
大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。
(あらすじより) -
2巻はずいぶん前に読み終わっていたのだが、忘れていた
のでまとめて。2巻も3巻も主人公はゲドではない。テナー
とアレンかと言うと、一応はそうだろうが、本当はそうでは
ないだろう。2巻は名付けるということ、名前の持っている
意味、3巻は名付けることによって生まれる境界の有り様
つまりゲド戦記とは名前という魔法、名付けるという魔法に
ついての物語なのだ。それは言葉というものの持つ魔力の
お話しだと言ってもいいだろう。日々簡単に意識しないで
使っている言葉の中にこそ人の力が秘められている。