ゲド戦記 3 さいはての島へ (ソフトカバー版)

  • 岩波書店
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000280730

感想・レビュー・書評

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  • 力が失われゆく世界。
    均衡のために旅立つゲドとアレン。
    魔法使いの力の使い方に学ぶところがたくさんありました。
    でもまだ物語は終わりではない。
    続きが気になります。

  • ゲド戦記第三部。齢を重ね大賢人となったゲドが、偉大な王となる宿命を背負った若き王子と、世界の異変の正体を探るべく旅に出る。
    中心となるテーマは「生と死」。多くの現代人にとって嫌厭の対象でしかない「死」というものに真っ直ぐに向き合い、そこから「生」を色鮮やかに浮かび上がらせているともいえる内容だったと思う。
    世界観としては、ゲドと竜の交流や、王子アレンの背景などからチラホラとうかがえる、緻密なアースシーの歴史設定が、雄大な作品世界の広がりを感じさせて魅力的だ。
    物語の流れとしては、海の旅の冒険感、存在感ある竜たちの描写、明確なラスボスとの対決など、ファンタジーとして非常に読みごたえがある。視点はアレン寄りで進むが、主人公はやっぱりゲド!ラストの満足感にズバリ、「面白かった!」と言って本を閉じたところ。
    当初三部作と思われていたらしく、実際見事な終結をみせるので、ここで終わりでも不自然ではない。しかしオジオンやテナー、アレンたちのその後、さらにアースシーそのものの行く末など気になる部分は残るので、続巻があるのは幸せなことだ。

  • これは 凄い物語だ!
    と いまさらながら 思ってしまいます。

    清水真砂子さんの
    本の評論集、講演録は
    何度も読んできましたが

    そうか 清水さんが
    こんなところに力点を置いていたのかを
    かみしめながら読んでしまっています

    むろん
    訳書ではあるのですが

    単なる偉大な大賢人、すごい魔法使い
    単なるロードムービー的な物語
    には 収まりきらない
    その 奥深さ

    偉大なる魔法使いであるがゆえの
    苦悩 と 謙虚さ と 決断
    が 切なく 尊く 美しい

  • この3巻までが原作者が当初書こうと予定していたものらしい。ひとまず区切りがついた気分。
    今回は、死への恐怖や壮年を迎えたゲドが未来を担う若者に知恵や人生を教えることで世代継承していく事がメインテーマなのかなと思った。
    大賢人で竜王になっているゲドだけど、ゲドならば大丈夫!と安心して読んでいられるほど、称号が持つ力は強くないと感じる。壮年に至ってまでも人間力が必要とされるのが人生なのだろうな。

    在りし日のゲドのようなアレンの未熟さを描いているのだが、それが似ているけど全く異なるものとして表現されているの人物描写が上手すぎると思う。


    ジブリのゲド戦記が原作者に不評だったのは知っていたけど、個人的にゲド戦記が好みだったからそれはそれでいいやと思ってた。でも、ここまで3巻を全部読んできたら、それぞれの内容とメッセージを無理やり2時間ぐらいの映画にまとめた宮崎吾朗許せん!ってなった。でもゲド戦記は好きなんだけどね笑

  • アレンのゲドに対する不信感。長い旅でこれでいいのかと自問自答。
    もう少しアレンの心境の変化が欲しかったけど、児童文学で掘り下げては難しくなってしまうのかも知れない。
    でもそう思うのは誰にでもある事で、それを克服すると成長できるのがこの巻でわかる、
    学ぶ事が多いゲド戦記。
    何度読んだか分からないが新たな面に出会え勉強にもなる。

  • タイトル*ゲド戦記 3 さいはての島へ
    著者*アーシュラ・K.ル・グウィン
    出版社*岩波書店

    大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。

    (あらすじより)

  • ここで終わってれば傑作ファンタジー。

  • 何不自由なく暮らしていたエンラッドの王子・アレンが、ゲドと共に世界の異変の原因を調べて旅をする。
    初めはゲドに「従う」形だったアレンだが、最後にはゲドに「道しるべ」とされる。
    ゲドを信じ、しかし疑い、絶望し、それでもまっすぐに成長するアレン。
    そして二人は、死ぬことを恐れる人々の心の隙間に入り込み、世界の均衡を乱していた魔法使いのもとへたどり着く。

    死ぬことを拒否することは生きることを拒否すること。
    生きることを拒否したために、世界の均衡を崩れていった。
    生きることってなんだろう。

    ふとそう思った。

  • アレン、成長したなぁ。

  • 大冒険。冒険が進む楽しさと、心の動き、そして葛藤、動揺、卑屈、喜びに、いつまでも信じられる愛。活字を次々と読みたいと思ったのは久しぶりだ。均衡を考えると、普段の生活にまでなんだかあてはまるような気がして、言葉、行動、その一つ一つ、出会い、関係、絆、とても大事に大切に、しっかりと心に握りしめていこうと思えました。

著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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