戦争と平和の谷間で: 国境を超えた群像 (双書時代のカルテ)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000280891

作品紹介・あらすじ

ボスニア内戦秘話。危機の渦中で当事者として考える、真のグローバル化とは、平和とはなにか。

感想・レビュー・書評

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  • 111216by国際平和

  • 明石さんのボスニア紛争時代の話。
    カラジッチが三島由紀夫文学のファンだったそうだ。
    三島の美学、とくに敗北の美しさを讃える哲学の信奉者だったとすれば、これは本当に困ったことだ。自分の美学に酔いしれながら、多くのセルビア人を道ずれにして敗北していくことを、半ば無意識に求められているのかもしれないと創造し、愕然とした。
    ミロシェビッチは熾烈な権力闘争を勝ち抜いてきた独裁的政治家だった。権力主義の権化というにふさわしい男だった。
    ミロシェビッチの自信は、政敵よりも常に一歩先をいく自分の能力に対する絶大な思い込みによって支えられていた。常に豊富な情報を持ち、相手を論破するのがきわめて巧みだった。
    問題は、彼の持ち合わせた情報そのものに誤りと偏りがあったことだ。なによりも彼の人間を見る目は往々にして歪んでいた。指導者にとって最大の問題は自分の周りをイエスマンで固めることである。ミロシェビッチもその罠に落ちていて、軍事的に不利な情報が入ってこなかったように思われる。

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