もしもソクラテスに口説かれたら 愛について・自己について (双書哲学塾)

  • 岩波書店 (2007年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (170ページ) / ISBN・EAN: 9784000281515

みんなの感想まとめ

哲学的な思索を促す本書は、プラトンの『アルキピアデス』を題材に、学生たちに深い問いを投げかけます。「君の魂を愛しているのはぼく一人だ」といった言葉を通じて、読者は自らの考えを深め、哲学の問題に引き込ま...

感想・レビュー・書評

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  • 著者が大学のゼミでおこなった授業内容にもとづいた本で、プラトンの『アルキピアデス』のなかの一節を題材に、哲学的な思索へと学生をみちびいています。

    プラトンの二元論ということであっさり片付けてしまいそうになる議論ですが、「君の魂を愛しているのはぼく一人だ」と男に口説かれたときに納得するのか、と問いに学生たちをみずから考えさせ、哲学の問題へ引っ張り込んでしまうのは見事です。最後には、哲学の問題は言語の問題であるという、ウィトゲンシュタイン的な立場からソクラテスの議論に対する著者自身の考えも示されていますが、もちろんこれが最終的な答えなどではなく、「もしソクラテスに口説かれたら」という問題のなかで思索をつづけることを読者に求めています。

  • お茶の水女子大の学生1年生を対象に、プラトンのアルキピアデスの対話の数ページを読んで議論するという形式である。
    1時間でできる内容であるので、他の大学の哲学の授業でも人数が少なければ可能な授業である可能性がある。

  • どうにも読むのが面倒くらいなと感じて10年も積ん読立った本。論理を屁理屈をこねくり回す。哲学者ってそういう感じなんだろうなと思った。いい意味で。そんなふうに丁寧に論理を紐解いていくと、結局最初に立てたソクラテスに対する問いに答えを出すのは簡単ではないことが分かる。

  • 本書は、先生と学生との対話形式で進んでおり、読みやすいですが内容は難しかったです。
    ソクラテスの口説き文句について考えていきますが、結論として哲学という学問は「言葉の学問」か「概念の学問」か分からないというところに行きつきます。
    私も色々考えてみようと思いました。

  • プラトンのアルキビアデスからの抜粋を元に、自己とは何か、愛するとは何か、身体と魂と心はどういう関係にあるか、ソクラテスの議論にはどういう問題があるか、をゼミでの問答形式で深めていくもの。軽妙な筆致で楽しく読めるが、かなり深遠なところに読者を誘っています。

  • 構成は、大学のゼミを通して、先生と学生との対話形式で話が展開していきます。そのため、基本的に話し言葉でつづられているため、「哲学」という内容の割に非常に読みやすいものになっています。そして最終的には、哲学とはどういうものか…ということが、さらっと触れられています。そこに至るまでの繰り返し繰り返しの議論が面白いです。

    「僕らは緻密に考えることに慣れていないので、どうしても単純化して大雑把に考えてしまいます。ぼくがここでしゃべったことも、色々な点で緻密さが足りなくて、間違っているところも多いと思うんですね。正確に考えるのは難しいんです。でも正確に考えないと哲学の問題は解決できないから、苦しいところです。」

    たしかに普段はどうしても楽な方向に流れがちになると思います…。仕事でも家庭でも、ついつい楽したくなって、流されて、あとになって、慌てて、取り繕う。取り繕うことができたら、まだ救いがあるけど、取り返しがつかないこともある…。

    この本では、あえて考えすぎる方向でこれらの本と向き合ってみようかなと思いました。第一巻は、スラスラ読めたので、自分自身では考えすぎることはなく、先生や学生さんの「考えすぎ」の追体験に過ぎませんでしたが、それでもなかなか面白い体験でした。

  • 文中で何度か、哲学的な問いをかけられます。自問自答しながら読みました。

    【備忘録】
    「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛してます。」

    ・身体ではなく魂を愛すること
    ・身体と魂の境界は?心とは?
    ・脳死になったらわたしではなくなる?
    ・身体はわたしの一部か?
    ・言葉の問題:そもそも言葉は人が創り出したもので「わたし」や「魂」が何かはわからない。使う人によってその言葉は違う意味になる。

  • 12.04.16入手(学校図書館)

  • ソクラテスからの口説かれ方
    ソクラテスの考え方への理解が客観的で、土屋さんはソクラテスファンって訳ではなく一人の哲学研究者だと感じました。
    「使う」と「使われる」に関する学生たちとの話し合いは長々していて退屈でした。先日古本屋で買った「ソクラテスの口説き方」読むのが少し憂欝です。

  • 他の土屋先生の本よりも笑いどころは少なかったけど、
    でも、普段の授業の様子が垣間見えた。
    哲学をどのように日常生活に生かすのか。
    結構卑近な例に近付けて考えているのね~

  • 丁寧に、臨機応変に、哲学的な疑問に向き合うことの難しさがあふれている。最後の言語論的転回はやや性急な感もあるが、まとめる上でやむなしか。一気に読める入門書です。

  • わたしとは?

    心は身体とは別なのか?

    哲学的に自己を定義しようという講義内容をまとめたもの。
    実際の学生との対話内容がそのまま載せられているので、スーッと読み進めていける。
    その為かところどころ脱線もみられ、最終的な着地点は何なのかが分かりづらい。

    愛するとはどういうことかについてはあまり触れられなかったのが残念ではありますが、手軽に哲学してみるには持って来いの本です。

  • 学生と著者の会話という形式であり、読みやすかったが、少し著者の発言に辻褄が合わないというか、本当にそうですか?というところが有った気がする。

  • [ 内容 ]
    わたしたちはいったい何を愛しているのか。
    ソクラテスがつきつけたこの問題は、わたしたちを思わぬ世界に引きずり込みます。
    その世界には落とし穴や地雷がいっぱい。
    迷路もあれば抜け道もあります。
    実際に歩いて体験する哲学実習。

    [ 目次 ]
    第1日 愛と魂(ソクラテスの口説き方は効果があるか?;どうやって魂を認識するのか?;魂と身体はどう関係するか?;心とは何か;同一人物かどうかを見分ける方法)
    第2日 ソクラテスのどこが間違っているか(心を愛するとは?;脳死になったら;身体も愛するのでは?;何が変化するか;使う・使われるの関係から何が言えるか;身体はわたしの一部か?;「A≠C,B≠CゆえにA=B」は正しい?;ことばの問題)

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 土屋賢二三冊目。
    口説いているようで、口説かれてない。本当の自分を愛してほしいという思いが前提にあって、その自分とは何ぞやという話なんだろうと思う。
    サブタイトルにあるように、自己についての哲学。
    愛についてはあんまり語ってないな。

    本当に愛を語るなら、こんな方法じゃ駄目だよね。

  • 「哲学者」という土屋先生の裏の顔が垣間見える本。

    「哲学の問題はすべて、ことばを誤解するから生じる」
    ―2009/05/04―  借

  • 彼の本で哲学について真剣に語っているのは少ないので、
    土賢好きには必見です。笑

  • 「わたしのどこが好きなの?」

    そう聞かれたことはありませんか?

    ありますよね。

    ないかもしれませんね。

    意外と困るこの質問。

    具体的に「顔」

    とか言えば

    顔が変われば嫌いなの?

    と問い返され

    「性格」

    と答えればとってつけた感があります。

    「体」

    などと答えようものなら、顰蹙を買うこと間違いがありません。

    そこで、ソクラテスおじいさんは

    「君の魂が好きだ」

    と答えたようなのです。

    土屋賢二の

    「もしもソクラテスに口説かれたら -愛について・自己について」(岩波書店) を読みました。


    もしもソクラテスに口説かれたら―愛について・自己について (双書哲学塾)

    作者: 土屋賢二
    出版社/メーカー: 岩波書店
    発売日: 2007/09
    メディア: 単行本
    これはなかなかうまい回答な気もします。

    「あなたがどう変わろうとも「あなた」がすきなのだ」

    「あなたの顔は好みじゃないし、性格もなんかねちっこくて好きなわけじゃない。体なんて見るところもない。けど、(そんなところも含めて)君がすきなんだ」

    ()内を入れる入れないでケンカの元になるか否かが決まるでしょうw

    これって一種の記号フェチな感じもあります。

    「あなた」という記号。

    この議論は「使う・使われる」といった日常の言葉から始まります。

    哲学を日常言語に根ざしてやることは難しい。

    でもそれができなきゃ意味がない。

    しかし逆にそこに限界があるような気もする・・・。

    難しいですね。

    でも、この本自体は、ゼミを基にして会話調に起こしてあるのでとても読みやすいです。ご一読を。

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著者プロフィール

1944年岡山県玉野市生まれ。玉野市立宇野幼稚園、宇野小学校、宇野中学校と、とんとん拍子に宇野地区きっての名門校を進み、中学2年生のとき岡山市立丸の内中学校に転校。岡山操山高校を経て、官僚を目指して東京大学文科一類に入学。2年後、方針転換して文学部哲学科に進学して大学院博士課程中退。東大助手を務めた後、お茶の水女子大学に着任。35年にわたって哲学を教え、現在、お茶の水女子大学名誉教授。 哲学のかたわら、五十歳のときユーモアエッセイ集『われ笑う、ゆえにわれあり』(文春文庫)を出版したのを皮切りに、『妻と罰』『ツチヤの貧格』(文春文庫)、『ツチヤ学部長の弁明』(講談社文庫)など多数のユーモアエッセイ集と、『ツチヤ教授の哲学講義』『ツチヤ教授の哲学入門――なぜ人間は八本足か』(文春文庫)など少数の哲学書を発表、いずれも好評のうちに絶賛在庫中。他に『幸・不幸の分かれ道――考え違いとユーモア』(東京書籍)、『われ悩む、ゆえにわれあり―― ツチヤ教授の人生相談』(PHP)などを矢継ぎ早に発表し、在庫に花を添えている。週刊文春とPHPに連載中。

「2013年 『哲学者にならない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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