なぜ意識は実在しないのか (双書 哲学塾)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 181
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000281577

作品紹介・あらすじ

僕にも君にも共通にあるとされる、意識っていったい何だろう?そんなもの、本当に「ある」のか?たんなる"これ"としての"私"の存在から、時間との類比と言語の本質への洞察によって、その秘密を明るみに出す。独在論が真理であることと、われわれがみなゾンビであることの二つの「驚き」をつなぐ、スリリングな思考。

感想・レビュー・書評

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  • なんか分かった気がする。

    と思ったら,もう落とし穴です。

    なぜなら,私のことは本質的に分からないからです。

    でも,分かった気がする,ということ自体はありえて,その不思議さを考えるというのが本書で試みていることなのだろうと思います。

    でも,本当にそうなのかわかりません。

    第2章まではなんか分かった気がすると思いましたが,第3章で何も分からなくなりました。

    もう1回読みたいと思います。

  • なぜ意識は実在しないのか、と言うよりはなぜ意識は語り得ないのか、という主題のような気がする。その語り得ないものの語り得なさを語るためには語り得ないものを語らなくてはいけなくて、結局語り得ないということをわかったような気になっても、わかるということがなんなのかそれすら語り得ないというお話。ということすら語り得ない。ということすら……

  • 2007年12月21日に一度、読み終えています。
    再読中。
    (2014年7月30日)

    読み終えました。
    (2014年10月19日)

  • 意識について語ってるけど、概ね今まで問題にしてきたことと同じことを、違う視点から切り直してるような感じです。体があって心があって人間として全く完璧ながらも、そこから開かれる視点がない(=魂?)というような存在をゾンビと呼んで、言語的に抜けのない本格的な哲学講義がされてます。実際にあった講義に基づいてるので、語り口調なのもこの本の特徴です。

    いつも永井均の著作を読んで思うのは、本当の意味で哲学的感度をもって物事を洞察したら、こんな外見的にはシンプルなことに、ドデカイ問題が立ち塞がってるんだなーということです。逆に言うと、こういう段階を踏まずに論証してるものは、ことごとく的外れなことを言ってるだけとも言えるんですが、それにしても大変なことです。知れば知るほど、真理が遠く彼方に離れていることを感じさせられるような。

  • うーむ、まだ僕には難しかったようです。前提となる知識が必要なように思えました。僕の読解力不足かもしれませんが…

  • 【推薦文】
    「私にもあなたにも意識は存在しない」と言われたら多くの人は驚くのではないでしょうか。著者は意識について問を重ねることで興味深い結論を導きます。意識は実在するのかしないのか、本書で確認してみてください。
    (推薦者:電気電子工学科 B3)


    【配架場所】
    大岡山:本館1F 一般和図書 115/N

  • 他人の心の中のことは誰にもわからない、。そもそもそんなものが孫座うするかどうかさえわからない、ということを前提にしたうえで、そう言われているわけです。しかし、ある意味では、これは単純に真実なのではないでしょうか。すべての外界の事実は、誰かに近くされる以外に知られる手段はないのですから。
    ふつう我々は、他人の感じる痛みや府何は感じられないと言っても他人の見る家や空は見えないとは言いません。
    誰もが自分です。そこに反省的な機能を持ったものが存在していれば、反省的におのれを意識するそいうつがすなわち自分。ですからもちろん唯一の特別の自分などというものは存在しません。

  • 2008年5月19日購入

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著者プロフィール

1951年生まれ. 専攻, 哲学・倫理学. 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位所得. 現在, 日本大学文理学部教授.
著作に, 『〈私〉の存在の比類なさ』(勁草書房, のち講談社学術文庫),『転校生とブラックジャック──独在性をめぐるセミナー』(岩波書店, のち岩波現代文庫), 『倫理とは何か──猫のインサイトの挑戦』(産業図書, のちちくま学芸文庫), 『私・今・そして神──開闢の哲学』(講談社現代新書), 『西田幾多郎──〈絶対無〉とは何か』(NHK出版), 『なぜ意識は実在しないのか』(岩波書店), 『ウィトゲンシュタインの誤診──『青色本』を掘り崩す』(ナカニシヤ出版), 『哲学の密かな闘い』『哲学の賑やかな呟き』(ぷねうま舎), 『存在と時間──哲学探究1』(文藝春秋), 『世界の独在論的存在構造──哲学探究2』(春秋社)ほかがある.

「2022年 『独自成類的人間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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