おいしい水 (Coffee Books)

  • 岩波書店 (2008年11月6日発売)
3.26
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Amazon.co.jp ・本 (88ページ) / ISBN・EAN: 9784000281720

作品紹介・あらすじ

大好きな街が、通りが、喫茶店があった。大好きな人がいた。携帯電話もメールもないあの頃、会いたければ、待つほかなかった。知りたければ、傷つくほかなかった。私は何ひとつ、あなたのことを知らなかった。あの街で、大切なものを失った──。80年代の神戸を舞台に、若い恋の決定的瞬間をたどったラブストーリー。

みんなの感想まとめ

若い恋と失った憧れを冷静に回想する物語が描かれています。80年代の神戸を舞台に、携帯電話もメールもない時代に、待つことや傷つくことを通じて育まれた恋の瞬間が、穏やかな視線で語られます。読者は、懐かしさ...

感想・レビュー・書評

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  • マハさんの作品38作目(39冊)の読了です♪
    図書館で何を借りて帰ろうかと読みたい本リストの中と本棚をにらめっこしてたら...
    !?
    なんだ?
    マハさんの作品...
    こんなのあったんだ...
    知らなかったぁσ(・ω・`)

    ってな訳で手にした一冊です。
    予約枠にも余裕が無いし...
    80P位の作品だから...

    と言うことで、お借りせずそのまま図書館で読み終えました♪

    1980年代の神戸を舞台にした恋愛小説で、若い女性のひたむきな恋愛と成長を描いています。
    主人公の19歳の女子大生が、神戸のコーヒーショップでアルバイトをしながら、常連客の写真家に恋をする姿は、読者にとっても非常に共感しやすい設定です。

    物語の中で、主人公が写真家に声をかけ、彼の気まぐれな態度に振り回されながらも、恋心を募らせていく様子は、青春の甘酸っぱさを感じさせます。
    特に、彼女の純粋な気持ちと成長する姿が印象的で、みょーに効いてるエアコンでヒエヒエの体ですが、心温まる体験になりました♪

    また、伊庭靖子さんの美しい挿画が物語を一層引き立てており、視覚的にも楽しめる作品でした。

    ヒエヒエの図書館じゃなく、coffee飲みながら読めばよかった^^;

    なんか、久々にアート作品以外のマハさんの小説読んだ気がしたんですが...
    ちょうど1ヶ月程前に読み終えたマハさんの作品も恋愛小説でした(笑)

    やっぱり痴呆が始まってきたかなぁσ(・ω・`)

  • 映像を見ているかのような恋愛小説でした。
    絵がきれい。

  • 初恋の甘酸っぱさではない、オレンジスパイスの香り漂うボーイ・ミーツ・ガール。
    旧いフランスのフィルムのような、レオス・カラックスの映画のようなお伽噺。

    珈琲とブラジル音楽が好きな僕。
    Coffee Books というレーベルから出版され、タイトルは『おいしい水』 そして著者が原田マハさんとくれば、これは手に取らざるを得ない。

    Bossa Nova とはポルトガル語で「新しい隆起」という意味らしく、音楽としての新しい傾向を表す言葉だったらしい。
    意味合いとしては New Wave に近いのだろう。

    残念ながら、この『おいしい水』の出版元は新潮社ではなく岩波書店。
    返品不可という岩波書店の流通上のリスクから、まちの小さな本屋では取り扱いが少ないかもしれないこの本。
    わずか80ページ余の物語にして1500円という価格からなかなか手は出しづらいが、図書館で見かけたら借りてみてはいかがだろうか。

    新書判よりも少し大きめの薄いハードカバー。
    優しい色合いと適度なおもさ。
    どこかの港町の教会で焼かれたサブレの代わりに、珈琲のおともに添えたい。

    伊庭靖子さんの挿画も素晴らしい。
    カメラのファインダーから覗いた日常を、そのまま切り取ったような油彩が物語に呼吸を与える。

    短い作品なので内容には触れない。

    思いがけず風邪をひいて寝込んだ週末。
    それでも寝床では片時も本が手放せなかった。
    熱に浮かされた身体にとって、この本はまさに隅々まで沁み渡る『おいしい水』だった。
    六甲から流れ落ちる澄みきった岩清水。
    甘く爽やかな口当たりのなかに、浮かべたピールの心地よい苦みがほんのり残る。

    • すずめさん
      kwosaさん、こんばんは!
      すずめと申します。
      フォローしていただき、ありがとうございます(*^^*)

      原田マハさん作品は『楽園...
      kwosaさん、こんばんは!
      すずめと申します。
      フォローしていただき、ありがとうございます(*^^*)

      原田マハさん作品は『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニーの食卓』に夢中になったものの、まだそれ以外の作品は読んだことがありません。
      kwosaさんのレビューを拝見して、次の原田マハ作品はこれだ!…と心に決めました。

      私もフォローさせていただきました。
      これからもときどきkwosaさんの本棚におじゃまさせてくださいね♪
      2014/02/24
    • kwosaさん
      すずめさん!

      コメントとリフォロー、ありがとうございます。
      そして僕の拙いレビューが、すずめさんの読書のお役に立てることが何より嬉し...
      すずめさん!

      コメントとリフォロー、ありがとうございます。
      そして僕の拙いレビューが、すずめさんの読書のお役に立てることが何より嬉しいです。

      こちらこそ、すずめさんの本棚にはときどきおじゃまして参考にさせていただくと思いますので、これからもよろしくお願いします!
      2014/02/25
  • 図書館で借りた。挿絵入りの薄い本。岩波書店から出ているのは珍しいな、と思った。

    「おいしい水」というのはボサノバの有名な曲の名前。アストラッド・ジルベルトとアントニオ・カルロス・ジョビンの曲らしい。私はアナ・カラムのアルバムで認識しているけれど。

    二十歳前の大人になりかけの少女の甘酸っぱい恋の話。身体は大人で心は子供という時期は恋をするには一番いい年頃だ。ジグソーパズルの足りないピースを探すような恋。

    私もあの頃はそんなだったろうか?随分と昔のことだ。

    素敵な本でまた原田マハさんが好きになった。

  • 港町神戸。女子大生は謎めいた青年に片想いする。写真集を介して二人は親しくなるが、青年には知られたくない秘密があり…。おいしい水は涙のほろ苦い味。

  • ふと恋愛小説が読みたくなり、ブクログのレビューで気になっていた本書を読み始めました。
    たった85ページの物語なのに、読み終えたときには映画を観た後のような切なさと気だるさを感じていました。

    よく通う喫茶店にいる憧れの人との何気ない恋愛を描いたストーリーかと思っていたら、後半で自分の知らない世界にふわっと持ち上げられ、やや戸惑いつつ読了。
    19歳でこんな恋をしてしまったら、その後の恋を物足りなく感じてしまうのでは…と心配になってしまうくらいドラマチックでした。

    本気で人にぶつかっていくことのパワーを見せつけられた気がします。

    • kwosaさん
      すずめさん

      >切なさと気だるさ
      >自分の知らない世界にふわっと持ち上げられ、

      そうそう、まさにこの感じが昔のフランスの映画みた...
      すずめさん

      >切なさと気だるさ
      >自分の知らない世界にふわっと持ち上げられ、

      そうそう、まさにこの感じが昔のフランスの映画みたいだと思ったんです。

      原田マハさんの、芸術を主題に取り扱った最近の作品たちはまだ読んでいないのですが、また随分と雰囲気が違うのでしょうね。
      とても惹かれます。
      2014/03/18
    • すずめさん
      kwosaさん、コメントありがとうございます☆
      確かに、昔のフランスの映画って表現がぴったりですね!
      私はkwosaさんとは反対に、原田...
      kwosaさん、コメントありがとうございます☆
      確かに、昔のフランスの映画って表現がぴったりですね!
      私はkwosaさんとは反対に、原田マハさんの芸術をテーマにしたもの以外の小説は本書が初めてなのです。
      そのほかのマハさん作品もこれから読んでいきたいです。
      2014/03/18
  • マハさんのストーリーとビジュアルを楽しめる1冊。

    19歳の大学生の安西は、通学先の友人たちが興味を持っている世界が自分にとって
    しっくりこないと感じている。
    そんな折、週末ごとに憧れの街・神戸に通い、
    憧れの人・ナツコさんやお気に入りの店・エビアンを知った。
    エビアンにはカメラマンらしき素敵な男の子のベベがいて、
    最初は眺めているだけの存在だったけれど、
    ある出来事によって思わず声をかけることに・・・。

    柔らかなくせっ毛、細い指、長い睫、伏し目がちなまなざし。
    べべのまわりは光に包まれ、彼がいるその場所だけを強く感じることが出来る。
    恋の始まりは突然訪れ、幸せな気持ちと不安の間を彷徨いながら、
    今が最高に幸せであっても、やっぱり不安や哀しみの空気がなくならない。

    きらきら輝く19歳の恋のかたちを文章とともに表現する、伊庭さんの画。
    まるで写真のようで、つやつやした光が印象的だ。
    特に気になるのは、白い磁器や硬質なプラスチックに宿る光。
    彼女の初々しく、硬い感じのする心もちを表しているようだ。


    私は大学生になったとき、初めて定期を持った。
    いつでも定期の区間を乗り越して、通学先のその先まで行けると思っていた。
    5月の晴れた日。
    こんな気持ちのいい日に、授業を4コマ受けるなんて・・・。
    終点まで行っちゃおうかな・・・。砂浜はさぞ気持ちいいだろう。
    けれど、結局ぐずぐずしているうちに、いつものようにいつもの駅で降りて、
    授業を受けるのだった。

    今から思えば、ただただ時間を持て余していたときもある。
    高校生よりも自由で、少し大人のまねをして
    社会人になってからの自分が想像できなくて、不安になりながらも
    暢気に過ごしていた。
    人を好きになることも、少し広がった世界の中で人に出会うことも
    きらきらした光の中のできごとだったのかもしれない。

    現在の大学生を本やTVなどで見聞きしていると、私のときと比べものにならないほど忙しそう。
    それでも楽しいことや思いもよらぬ出会いに彩られて、
    心に残る4年間を過ごしていると信じたい。

  • タイトルを見て、パラパラめくったらカラーのイラストっぽいページがいくつもあって、ファンタジーかな?と思って読み始め。
    そしたら。

    泣けるよ。泣ける。
    すぐ読み終わる、とっても短いお話。19歳の女の子の、淡い恋のお話。とっても切ないお話。
    読み終わったとき、何か、夢を見ていたかのような不思議な感覚を覚えました。

  • 舞台は神戸、10代最後、冬の恋の物語。
    「おいしい水」に気づくには、10代ではまだ早いのかな、なんて。

    カフェでコーヒーをか片手に1時間ほど、余韻ととも味わいたい一冊。
    肩書に「Coffee Book」とうたわれているのが、なるほどと。

    あとは、挿絵にはびっくりしました。
    柔らかな自然光に包まれた、一見すると写真のような。

    というか、私は写真と信じて疑わなかったです、
    物語中に「写真家」さんもでてきたりするので。。

    画家さんは伊庭靖子さんという方、ちょっと不思議な感覚でした。

    ん、離れてみて初めてわかる「光の場所」、
    それが微かなせつなさを残してくれました。。

  • 80年代の神戸を舞台に、19歳の女子大生<安西>(原田マハの分身)の儚くも淡い恋心を奏でるラブスト-リ-。元町駅近くの喫茶店「エビアン」で知り合った写真家の<べべ>、アルバイト先の「スチ-ル&モ-ション」のオーナ-<ナツコさん>、怖持ての貸しビルオ-ナ-<フクダ>(べべとは因縁の仲)、異国情緒の香る街の片隅で、男女四人のそれぞれの思惑が交差しあう時は流れて・・・。ほろ苦くも甘酸っぱい、あの頃の切ない青春の記憶が甦る。

  • いかにも女性誌の広告欄に載っていそうなライトな話。
    と思って読み進めていたらとんでもなかった。

    神戸の震災の少し前、ということで
    日本という国が大きな痛みを負う直前、なんとなくキラキラしていた頃だろう。
    憧れのナツコさんのライフスタイル、ベベの造形や人物像など
    設定とかキャラクターが読み方によってはお伽噺になってしまいそうなところだが
    ちょっと背伸びをするキモチ良さと痛み、真剣に人を恋い慕うことの尊さ、などなど
    忘れたくないものがぎっちり詰まった、とてつもなく濃密な物語だと思う。
    その濃密さがこの分量に収められている不思議、
    そしてそれこそおいしい水が浸み込んでくるように
    話の余韻がじんわり浸みてくる不思議。
    手に取ってよかったと思う本だった。

    表紙や挿画はてっきり写真だと思っていた。
    絵だと判って吃驚。

  • 物語るフォトグラフを一枚、一枚、眺めていた様な、
    そんな切ない読後感。

    イラストが秀逸!
    ずっと、写真かと思ってた…。

    • kwosaさん
      MOTOさん!

      あのイラスト、凄いですよね。
      僕もずっと写真かと思っていました。

      >そんな切ない読後感。

      ですね。
      読み終わったあと、...
      MOTOさん!

      あのイラスト、凄いですよね。
      僕もずっと写真かと思っていました。

      >そんな切ない読後感。

      ですね。
      読み終わったあと、アストラッド・ジルベルトの『おいしい水』をBGMにすると、映画のエンドロールのような余韻に浸れますよ。
      一度お試しあれ。
      2013/06/27
    • MOTOさん
      kwosaさんへ

      coffee bookと書いてあったから、
      コーヒー入れて…
      ゆっくり一杯呑み終わる頃に丁度読了、って、
      (なんかいい感...
      kwosaさんへ

      coffee bookと書いてあったから、
      コーヒー入れて…
      ゆっくり一杯呑み終わる頃に丁度読了、って、
      (なんかいい感じだな~)

      なんて、思ってみたり♪
      イラストが…
      柔らかい光にただ、くるまってるだけのひたすらな静かがすごく心地よくって♪

      でも、そろそろ寂しいな、と思ってたトコでした♪
      タイミング良く、いいBGMのご紹介をありがとうございます!^^♪
      2013/06/28
  • 携帯も、パソコンも、メールも、スマホも、写メも、ラインも、Facebookもない時代。
    異性と知り合うには、親友の力を借りるか、本人にぶつかるかしかなかった。

    何とかかんとか待ち合わせまでこぎつけたのなら、相手が来るま待つしかない。URL貼っといたから席で、とか、LINE見といて、なんてのはない。

    何十分でも、何時間でも、待つのだ。
    コーヒーをとっくに飲み干して、昆布茶を出されても、ただただ相手を待つのだ。

    待ち合わせのお店のマスターも、ある意味雰囲気を作り出す共演者。
    初めて異性と行き付けの店に行けば、ニヤリと粋な合図をくれる。

    昭和って、そうだった。

    そして、時間をかけて相手を知っていく。
    だけど、時間がかかってもわからないこともある。

    「おいしい水」の味は、後になってみないとわからないもの。

    Pコートを映す切ないせつないスライドのマウントは、マハさんの描き出す名画のような風景。

    僕たちはいい時代を生きてきた。

  • 少女が大人の階段を登るにひと冬の恋物語。
    短くて読みやすい。

  • とても不思議なストーリーだった。
    だけど、全編オシャレな雰囲気。
    場所が神戸、写真がもたらす関係。
    スラっとした美しい男性と女子大生。
    たまにダークさも秘め、でもフワッとポエムのような思い出の世界。

    それと合わせたイラストが写真のような美しさ。
    薄い本だけど上質な世界が広がってました。

  • 図書館で偶々手にした本だった。伊庭靖子さんの挿絵に魅かれて借りてきた。神戸が舞台の、ちょっと切ない恋物語。関西弁のやりとりがじんと沁む。外見で本を選ぶのも良いかもね。

  •  本書は、読んでいるうちにガラスに光が差し込む、煌めく恋愛小説のように私には思えました。また、アートな感覚と共に小説が詩のように想えたのは私だけでしょうか。
     アストラッド・ジルベルトの曲を聴きながら感想を書いていますが、曲も甘酸っぱい涙の味がします。
     心に残る恋を積み重ねながら安西さんにはさらに成長し幸せになって欲しいですね。

  • 具体的な地名、具体的な作品名をうまく使う人だ。行ったことのない場所、見たことのない物、会ったことのない人が目に浮かぶようだ。朝露の雫のような、静かでミステリアスで草の香りが立つような小説だった。

  • 19歳の青春と初恋が美しい神戸の町並みを舞台に描かれている。憧れの女性を真似してみたり、おしゃれな喫茶店の見知らぬ若人にときめいたり、固有名詞が色々出てきて「その写真家私も調べてみよ~」という美術的興味が派生していける一冊。
    ただ、ホモセクシャルの扱いがひどすぎてオチもひどすぎて、わたくしちょっと心配になりました。何だよそれ、あり得ないでしょ。最後は結ばれないから涙と感動はちょっと頂けないですね。簡単に読めてわかりやすく涙できるから、好きな人は好きなんだろうけど。私は合わなかった、it's a new frontier!でしょ。

  • 図書館で手にとった時、その薄さと写真のような画が入っていたことから、エッセイだと思いました。あまずっぱい、それこそレモンのような爽やかで切ない恋愛小説でした。
    “初恋”なのかなぁ。もし、こんな“初恋”体験だとしたら、一生忘れられない綺麗な思い出になるでしょうね。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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