水族 (Coffee Books)

著者 : 星野智幸
制作 : 小野田 維 
  • 岩波書店 (2009年1月9日発売)
3.55
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  • 24レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (76ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000281744

水族 (Coffee Books)の感想・レビュー・書評

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  • 大好きな作家さん・星野智幸氏が、ガルシア・マルケス贔屓だったことをご自身のつぶやきで知り、マルケス氏訃報の新聞インタビュー記事も拝見しました。『水族』を読み返したくなったとの私のリツイートつぶやきに、まさかの星野さんからのお返事が!感激すぎて、アワアワしています(^^;;
    というわけで、まずはこれを読んで心を落ち着けようとしましたが…うわーやっぱりいい!
    この世界観、近未来的でありながら、原始的で官能的。身体中の海成分?が、泡立つような感覚に陥りました♡
    この作品もマルケスと安部公房にインスパイアされているとか。
    マルケス作品を読みたいのに、星野智幸さん作品を読み返しそうだわσ(^_^;)

  • Coffee Booksシリーズ3冊目。

    初・星野智幸さん。
    独特の世界観で面白かった。
    古川さんと似て、感覚的な読み心地。

    作中で出てくる「霊長類哀歌」の今まさに進化しようとしている
    陸に上がった、血まみれのイルカを哀れに思い、みかねてイルカを
    海に戻した途端、戻した自分も消えてしまった・・・という
    エピソードと、雨利が置かれている立場が、シンクロして。


    そしてラストの進化となる水のビックバンが起こって
    新しい始まりを感じた。
    進化ってこんな感じなのかもしれない。

    ♪~ヒラケ進化のモード~♪
    =Brain,Whisper,Head,Hate is noise=
    BUCK-TICKの曲を口ずさんでしまった。

    水棲感で重々しい気がするけど、後半は爽快感や
    自分が水になってはじける躍動感が
    あって水々しい(わざとこの“水”を使いました)素敵な物語でした。

  • 妻が「最後がよくわからなかった」と述べていた。思うにそれは「物語」的ではないラストだったということではなかろうか。

    「物語」というのは歴史もそうであり、基本的にマジョリティにとってのものであると思う。ある視点から(多くの場合は語る側が都合よく)纏め上げるものだ。集約させるためのお話。

    この小説の主人公は最後の人類であり、究極のマイノリティである。彼は独りであるがゆえに歴史に近い「物語」は語りえない。ある価値基準から語ることはできない。共有者がいないためである。それでも語るとしたら、それは神話に近いものになる。

    クライマックスは「物語」のように集約するものではなく、むしろ拡散していくものだ。最後の人類である主人公は、進化論を逆にたどるかのように変化していく。それは進化でも退化でもなく、ひたすらに拡散していく。それを心地よく感じた。

  • まずこの題名が好き。屋上雨林とか空飛ぶ魚がトカゲを食うっていう絶妙な世界観も好き。私はこの物語を在日コリアン(猿人)と日本人(水棲人)の戒めを込めた寓話物語として読んだ。
    いかんせん絵が怖い。風景は影がある色使いで美しく大好きなのだが、魚とか人物の目が不気味にでか過ぎる。夢に出てきそうで困った。

  •  星野智幸作の短編と、小野田維のイラストが一体になった本。
     近未来SF的な雰囲気もあるのだが、科学的というよりも形而上的な感触の方が強い。
     奇妙な話でもあり、寓話的な要素もあるように思えるのだが、あまり明確には伝わってこない。
     とにかく不思議な肌触りの物語であり、僕は安部公房あたりの作品を思い出したりもした。

  • 2017.10.01 図書館

  • 水族館の飼育係が主人公の、奇妙なお仕事小説かと思っていたら…。
    ユニークな発想と幻想的なイメージを楽しめる作品でした。

  • 素晴らしかった。ワタシは水底というと不穏な感じがどうしてもともなってしまう。代々木に大きな湖があって、その湖は普通の真水ではなく海水で出来ていることはすぐに分かる。水圧でぎしぎしいう施設のことを考えるとこっちも息苦しくなる。その施設で暮らす主人公が自分がどんな存在なのか気がついていくのにどきどきした。近未来小説。イルカから進化した人類の歴史というのがとても面白いと思った。

  • 以前『俺俺』と『虹とクロエの物語』を読んだ。この作品の雰囲気は『俺俺』の方に近い。ただ、『俺俺』に比べて内容的にも分量的にもこじんまりとまとまっているので、やや物足りない。しかし読みやすいので、著者の物語世界に軽く身をゆだねるにはよい。装丁や挿絵からも、そうしたコンセプトで執筆されたものであり、そういう意味では素晴らしい。

  • 2009年2月21日読了。

    主人公の雨利潤介、水族館の管理人という認識だったのだが実は……。こんな未来にもなりうるのか。一度読んだだけでは話がつかめなくて、さらにもう一度読み返しているところ。
    小野田維さんの絵が何とも不思議な雰囲気。絵からイメージされた小説だという。こういう絵本のようなお話も良いなぁ。

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