幼なじみ (Coffee Books)

著者 :
制作 : 牛尾 篤 
  • 岩波書店
3.08
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本棚登録 : 48
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (68ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000281751

感想・レビュー・書評

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  • Coffee Booksシリーズ4冊目。
    初・佐藤正午さん。

    冒頭の2ページがとても好き。
    「ひとがいつか必ず迎える死、ひとにわけへだてなく与えられる死の
    大きさを仮に百とすると、そのうち三十くらいをこの二年で先に
    受け取った。苦しみも、怖い思いもさんざん味わったし、たくさんの
    脂汗も流した。だから、いつかほんとうにあたしが死ぬときは
    こんどは残りの七十を死ねばいいと思う。」

    幼なじみの芸能人、あの人の死を知り、主人公は回想する。
    二人が一緒に事件を起こした小学時代の
    シーンは、懐かしさみたいなものを感じた。

    今の教育現場ではありえないけど、自分たちの頃の学校は
    「分かるまで立ってなさい!」とか「廊下に一時間立ってなさい!」と
    立ちながら軍隊みたいに教育(反省&洗脳?)されたよな・・・と。

    二人のささやかな反骨精神も懐かしい昭和ならでは。
    今は「気をつけ、前習え、休め!」「右向け右!」なんて
    軍隊みたいなことはなく
    (↑これはこれで、どうかと思うけど。。。)
    骨抜き感120%って感じの朝礼や学校集会だけど。

    このお話は教師には絶対服従時代の
    小学生のささやかな反抗とちょっと淡い恋の思い出。

    挿絵にビートルズ、クィーンがあってオツな一冊です。

    このシリーズ。
    コーヒーとサンドイッチを注文して
    飲食しながら読むのにちょうどいいページ数。
    または注文したものが来るまで、待つ時間潰しにちょうどいい
    絶妙な作りに感動したりする♪

  • 2009年2月6日 第一刷 書き下ろし 絵と文 ほのぼの系。
    デビュー直後に書かれた、幻の未発表作品らしい。
    死んでしまった幼なじみとの冒険の思い出。
    手をつないで走っていく姿でストップモーション。
    ほのぼの系なのに「明日に向かって撃て」
    のラストシーンを思い出している。
    作者は、それで、今、生きているのだろうか。



  • 手紙。小学生。挿絵。牛尾篤。
    しばらく会っていなかった、有名になった幼なじみ。手紙を引き取りにきた。最後に出てくる小学生時代の描写で、幼なじみだって感じ。

  • 短い

  • 「あたしは前もって三分の一くらい死んだ気がする」

    「ひとがいつか必ず迎える死、ひとにわけへだてなく与えられる死の大きさを仮に百とすると、そのうち三十くらいをこの二年で先に受け取った。苦しみも、怖い思いもさんざん味わったし、たくさんの脂汗も涙も流した。だから、いつかほんとうにあたしが死ぬときにはこんどは残りの七十を死ねばいいと思う。そんな気がするの。」

    『だから彼女のほんとうの死を知らされたとき、彼の頭にまず浮かんだのは過去のどんな感情に結びつく言葉でもなく、まるで死をもてあそぶように口にされた無意味な数字だった。百のうち三十、残り七十。』

    「勇気とはどういう意味の言葉ですか」
    「こわがらないことです」

    「いちど自分が正しいと思ったら、こわがらないで、その正しいと思った考えを意見にしたり行動にしたりすることです。わかりますか?」

    「ねえ、手つなごう」
    「……」
    「つないで」
    「やだ」
    「なによ、約束守んなさいよ」
    「…あとでなら」
    「いま」

    「ねえ、将来は何になるか決めてる?」
    「……」
    「どうしたの」
    「林は決めてる?」
    「うん。でも花屋さんかパン屋さんかまだわかんないけど。はやく決めた方がいいよ。大学行くの?」
    「わかんないよ」
    「あたし好き?」
    「……」
    「あたし、自分は勇気ある人だと思う ー だから手をつなぐのよ」

  •  女優の死を妻から聞かされた夫の回想。幼なじみであった彼女とのやり取りは可愛くて美しくて切ない。それにしても彼女はとても魅力的な女性だ。時に大胆で、しなやかな強さもあって、でも守ってあげたくなる儚さもあって。そう思うのは、もうこの世に存在しない、金輪際実際には会えない、記憶の中だけの女性だからという影響もあるのかなぁ。

  • 深いです。
    三十の心構えができてる、ということは、未来を生きつづける勇気がわくということでもある、なんて…
    佐藤正午さんは凄すぎです。

  • 昔関係を持った幼馴染の女が亡くなり、過去を男が思い返す話。本当にそれだけを淡々と書いてありました。
    始まりの死について語る女の台詞が印象的でそれで内容に期待し過ぎてしまい、読後は「これだけ?」と思ってしまいました。

  • 2015 1/31

  • 短い物語なので、すっと読める。
    淡々と男女の会話が進んでいったという感じ。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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