プラトン 『国家』――逆説のユートピア (書物誕生 あたらしい古典入門)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000282819

作品紹介・あらすじ

理想の国家とはいかなるものか-アイロニーとパラドックスをたっぷり含ませながら、友人との対話を進めるソクラテス。当時のアテナイ社会の現実からすれば「荒唐無稽」とも、また現代の眼からすれば「独裁」の極みとも見られかねないきわどい議論を通じて、著者プラトンが目指したのは、"正義"と"幸福"そのものを問い直し、その実現に"哲学"がいかに関わるかを示すことであった。国家論、教育論、イデア論、男女論、魂の不死など、ありとあらゆる議論で思想史を切り拓いてきたこの"挑発の書"を、俯瞰する。

感想・レビュー・書評

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  • 本を読み、音楽を奏で、身体を鍛える。

    ソクラテスは、
    人間の修養のために、音楽・文藝と体育を真に価値ある技術とした。


    ここでの身体的鍛錬については、
    ただ体の強度を上げるのみでなく、
    真の意義は鍛錬において、気概的な要素(勇気や勇猛さ)を養い育てることにある。

    そして鍛錬においてのみでなく、
    「学びや探究」を含んだ高度化された音楽・文藝とが両者相まって、理想的な個人の素質を形成する。

    このバランスが重要だと。



    日々身体を鍛え、歌を歌い、猛烈に読書をしていると、それぞれが作用を及ぼしあい、相乗効果を発揮していることを感じる。


    やはり、
    一過性の単一思考でなく、
    永続する多面的思考で判断することは重要である。

  • 参考文献として読了.

  • 『国家』の丁寧な解説をしてくれて、頭の整理に役立ちました。【2023年3月15日読了】

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著者プロフィール

京都大学名誉教授
1942年 兵庫県生まれ
1975年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
関西大学教授、京都大学教授を経て2005年退職

主な著訳書
『ソクラテス以前哲学者断片集』(編訳、岩波書店)
『神と実在へのまなざし』新・哲学講義(岩波書店)
『対話という思想──プラトンの方法叙説』双書・現代の哲学(岩波書店)
『哲学の歴史』(編著、中央公論新社)
『ここにも神々はいます』哲学塾(岩波書店)
クセノポン『ソクラテス言行録1』(京都大学学術出版会)
『プラトン『国家』──逆接のユートピア』書物誕生・あたらしい古典入門(岩波書店)
アリストテレス『自然学』(岩波書店)
『変貌するギリシア哲学』(岩波書店)

「2022年 『ソクラテス言行録2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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