- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000282925
作品紹介・あらすじ
事物の生成変化に寄り添い、自由の根源的な可能性を指し示す「喜びの倫理」(ジル・ドゥルーズ)へ。現代哲学の最先端の課題とも響きあう、新たな『荘子』像の誕生。
感想・レビュー・書評
-
中公新書「中国哲学史」を書いた中島隆博氏の2009年の著書が図書館にあった。講談社学術文庫で再刊された方は予約がすでに幾つも入っている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
所々刺さるフレーズあったけどまだまだ全体的な理解に及ばなかった…ほかの本も読んで再チャレンジしたい。
-
大学の授業で読んだものを再読。ヘーゲルの感想の際、荘子との類似を指摘したが、後半を読むとむしろドゥルーズの方が遥かに近い。おそらく著者の主張として荘子と生成変化の関係を強調している節はあるだろうが、斉同と物化の考えはとても納得させられる。本書を読むと、荘子の思想は近現代の脱構造と酷似しているように感じる。欧米においてやっと認知されてきた脱構造思想が古代中国で既に形作られていたことが非常に興味深い。今後は東洋思想も読んでいきたい。
-
これまでの荘氏解釈を様々に批判的に位置づけつつ、最終的にドゥルーズを荘子に読み込む。それで在り続けることによって自己・他者・世界そのものが変容するような時間。近傍における出来事へ。
-
荘子の学説の核は万物斉同ではなく物化だとし、「神秘主義」「妄言」と評される『荘子』をロジカルに読み解いていく。
このシリーズは初めて読んだのだが、古典の解釈のみならず古典の受容史(『荘子』の場合古代中国から80年代のアメリカまで)も取り扱っていて興味深い。冒頭の湯川秀樹の訳もユーモラスでツカミOKといった具合。読み応えがあった。