中島敦の朝鮮と南洋 二つの植民地体験 (シリーズ日本の中の世界史)

  • 岩波書店 (2019年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784000283861

作品紹介・あらすじ

「李陵」「光と風と夢」などで知られる作家・中島敦は、少年期を日本統治下の朝鮮で過ごし、のちに南洋庁編修書記としてパラオ諸島に赴任した経験を持つ。これらの体験は、中島の表現、作品世界にどう反映され、どのような意味を持ったのか。中島の二つの植民地経験を追体験することを通じて、戦争と植民地支配をめぐる諸問題を問い直す。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

戦争と植民地支配の複雑な背景を掘り下げる本書は、中島敦の少年期を日本統治下の朝鮮で過ごした経験と、南洋庁での任務を通じて得た視点を探求しています。著者は中島の作品を引用しながら、朝鮮での記憶が持つ深い...

感想・レビュー・書評

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  • 910.268||Ko

  • 副題は「二つの植民地体験」とあるが、全5章のうち、朝鮮については1章のみで、残り4章は南洋に関するもの。著者は、中島敦が少年期を過ごし、その後の経験の中で反芻・深化する時間のあった朝鮮体験に対し、遭遇したばかりの南洋に関する認識は、日本による戦時体制への組み込み等を認識しつつも、「夢のような楽園」といった平凡で表面的なものだったとする。実質的には中島敦の南洋体験を建前としつつ、列強の南洋進出の経緯、その中で生きる個人(スティーヴンソンやポーランド出身のコレクターで中島敦が作品化も考えたクバリなど)の紹介に重点を置いている。参考文献リストあり。

  •  中島敦の著作も取り上げ、伝記や文芸評論のようでもある。ファンの人にはいいだろう。
     少年期を過ごした朝鮮を描く作品は「複眼的で陰影に富んでいる」のに、赴任した南洋の人々を描く作品は平凡な「南洋の土人」像。著者はその差を、前者は後に反芻してから書いたため、後者は「生」のままの体験であるためとしているが、そんなものなのか。

  • 中島敦も朝鮮も割かれてるページは少なく、ほぼ南洋諸島の記述である。
    第一次大戦後にドイツから分捕った日本の委任統治領は遠く西太平洋のマーシャル諸島まで及び、北太平洋のほとんどが南洋庁の配下にあったと思うと、隔日の感がある。
    大陸の植民地分割の過程は読むことが多いが、南洋諸島のは少ないので面白く読んだ。

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著者プロフィール

1942年生。
東京大学文学部東洋史学科卒、同大学院人文科学研究科修士課程東洋史専修修了、同博士課程中退。
東京都立大学人文学部助手、千葉大学人文学部(後に文学部)助教授を経て、東京都立大学人文学部教授。2005年定年退職。
現在、日本学術会議(第一部)会員、東京都立大学名誉教授、博士(史学)。

「2010年 『インド社会・文化史論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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