現代社会の理論 (定本 見田宗介著作集 第1巻)

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  • 岩波書店
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000284813

作品紹介・あらすじ

「見田社会学」と称される独自の世界を創造した著者が、自身の全仕事を振り返り、重要な作品だけを精選してその精髄を体系的に示す。統計資料などは最新データに更新、テクストに改訂を加えた上、「定本解題」を収録する、初にして待望の決定版著作集。

感想・レビュー・書評

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  • 吉見俊哉「大予言」からの導かれて見田宗介「現代社会はどこにむかうのか」。2008年のGM危機の後、2009年に発表されたので「デザインと広告とクレジット」という情報の力で消費市場を永遠の創出するGM型の「情報化/消費化資本主義」へのレクイエムです。それから約10年。産業はさらにIotやAIというイノベーションに夢を託し、一方、世界を分断させ矛盾の「現代」をシンプルな「近代」に退行させようという政治がメインステージに躍り出てきました。まだまだ「有限」の中での資本主義の成長のストーリーは見えていません。

  • 『現代社会の理論』(岩波新書)のほか、論考1編を収録しています。

    『現代社会の理論』は、現代の情報・消費社会の光と闇の両面を概観した上で、それを克服する道をさぐる試みです。消費社会は「自然の必要」からの解放として特徴づけられがちですが、著者はそれでは不十分であり、自然であれ文化であれ、欲望を限定し固定する力からの自由が実現された社会と見るべきだと主張します。そして、こうした社会が実現されたことで、自然や共同体によって与えられていた欲望充足の手段からの離陸が可能となり、市場関係という回路の中ですべての欲望が形成され、充足されることになったと言います。つまり、消費社会とは資本主義というシステムが一般化・普遍化されたものであり、欲望を自己創出する回路を備えた自己準拠的なシステムだと論じられます。

    しかし、欲望の限りない自己創出のプロセスは、外部の有限性に直面することになると著者は指摘します。それが、資源と環境の問題や南北問題です。他方で、いっさいが資本主義のシステムの中に位置づけられるということは、人びとの「幸福」もこの回路の内でしか意味を与えられないという「北の貧困」も含んでいるとされます。

    こうした問題を指摘した上で、著者は現代社会がこれから進むべき道について考察をおこなります。ここで注目されることになるのが、ボードリヤールらの用いる「消費」(consommation)という概念が、ほんらいバタイユの「消尽」(consumation)とのつながりをもっていたということです。著者は、「自然の必要」から離陸した情報・消費社会の「消費」の概念の内に、「生の充溢と歓喜の直接的な享受」という内実を回復するべきだと主張し、その上でマテリー(物質)の有限性に束縛されないイデー(観念・情報)によって「幸福の無限空間」が開かれることへの期待を語っています。

  • 岩波新書版の『現代社会の理論』は現代社会を明晰に分析して、すでに古典となった名著。こちらにはその増補版にくわえ、「現代社会はどこに向かうか」が収められている。見田社会学の面白さに目覚めたら、見田宗介=真木悠介の著作集(計15巻)が待っている。 (松村 教員)

  • 見田宗介の言わんとするところは難解ですが、そこが少しでも理解できた時には、大きな感動やおどろきがあります。

  • 書かれた論文が基本的に15年以上前であるがその後の社会の変化を適格に言い当てていると思う。消費化・情報化は成熟社会では臨界点を迎えているようにみえ、閉塞感が漂っているように感じるけど、そんな中でも生の喜びを提示するロマンチズムにグッときた。
    見田社会学の入口なんだろうな。次巻も楽しみ♪───O(≧∇≦)O────♪

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:361.08//Mi56//1

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著者プロフィール

1937年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。著書に『まなざしの地獄』『現代社会の理論』『自我の起原』『社会学入門』など。『定本 見田宗 介著作集』で2012年毎日出版文化賞受賞。東大の見田ゼミは常に見田信奉者で満席だった。

「2017年 『〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 THINKING「O」014号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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