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- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000284851
感想・レビュー・書評
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高度成長期の身の上相談を対象に、その背景に潜む社会的構造を分析した本。
正直身の上相談という表層的なものからここまで社会構造を分析しきるのは、この筆者だから出来るんだろうなという感想。前読んだ本で、論文の書き方は分析対象、分析方法を定めて云々のくだりで、この本が例示されて出てきたが、正直これはその域を超えていると思う、、
相当な経験が無いと、ここまでの分析はできないだろうと思う。
そして肝心の分析内容だが、やっぱり60年も経つと分析内容なんて大きく変わってるよな、、と思う。成長に伴って、やっと手に入れたものへの虚無感とか、そこに辿り着けない焦燥感とかそういったものが背景にあるのに対し、現代はまた違った精神構造になっていると思う。この頃は、「成長」に伴う悩み、なのだろうが、今は「もう成長できない、じゃあどうなる」といった悩みになるのだろうか。
とんでもなく庶民的な感想だが、成長してる中でも、悩みに悩んでるんだから、いい加減成長を目指すのなんてやめない?なんて思ってしまう。
後半の論壇時評は分からなかったなぁ。そもそも元の文章読んで無いし。しかし、今の論壇時評に比べると滅茶苦茶難しくない??詳細をみるコメント0件をすべて表示