311情報学――メディアは何をどう伝えたか (叢書 震災と社会)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000285285

作品紹介・あらすじ

被災者にとって必要な情報は適切に伝えられたのか?震災後6カ月の地震・津波・原発事故関連のテレビ・ネットなど諸メディアのニュース報道について、映像アーカイブ実験システムを使って数量分析し、取材者・被災者・視聴者それぞれの観点から、報道の中身の地域的偏差と視点の推移を検証する。メディア研究・デジタルアーカイブ研究・情報処理研究の3方面から、専門の枠を越えて東日本大震災のデジタルアーカイブの構築を目指し、新たな情報学のありかたを提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】
    ・森洋久「情報とは何か」

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 《第1章 311情報学序説ーアーカイブ化のための見取図 by 吉見俊哉》
    311のメディア環境には、もう一つの重大な特徴があった。それは、そのようにして草の根的なレベルから生まれ、ネットを通じて流通する情報を含め、ありとあらゆる形態の情報を、その莫大さにもかかわらず保存・蓄積して再利用に道を開いておくことのできるデジタル・アーカイビング技術が急速に発達していることである。デジタル時代の新しい社会的記憶術と言ってもいい。中世の記憶術は、人びとの記憶を場所性やトポグラフィカルな空間秩序と結びつけていたが、21世紀の記憶術は広大な地域の多様な人びとの記憶をデジタル空間のなかに位置づけ、構造化する。p3

    【311における多様で膨大な情報を、相互に作用し合う5つの情報圏のダイナミックな重層として捉える】p6
    ①日常生活圏
    ②マスメディア圏
    ③インターネット圏
    ④専門家圏
    ⑤行政機構圏

    《第二章 311情報学の試みーニュース報道のデータ分析から by 三浦伸也》
    言説を、NIIテレビアーカイブシステムを使って量的に分析・実証したうえで、質的調査を行い、その原因の解明を試みるものである。p36

    ナショナル、ローカル、グローバルな視点。p126

  • 原発事故直後の報じ方について、テレビ報道と新聞報道が一緒くたになってしまう点、大変に不満なのだが、高野教授らが目指すものは理解できるし、エキサイティングだと思う。

  • 少し読みにくかった。けれど、中身で展開された情報の扱い方の未来については震災に関してのみならず、あらゆる情報において必要なことであり、うなずけた。

  • 資料番号:011487949
    請求記号:369.3/サ

  • 震災後のテレビ報道のClosedCaptionというデジタルアーカイブから、報道のムラ、すなわち地域的偏差と視点の推移を時系列に分析した三浦伸也の実証研究論文がコア。

    あとはデジタルアーカイブへの期待を語る印象論。

  •  情報学というのがどういう目的をもっているのか、知らないが、どうしてそんなにメディアの情報量や偏りを気にするのか、それを研究する意味がよくわからない。

     もちろん、今のコンピューターの検索技術などを駆使すれば、報道の偏りはでてくるだろう。

     しかし、国民はそういうものとして情報をうけとり、出所のよくわからないSNSの情報をみたり、海外のニュースやHPもチェックしている。その意味では自然と自衛ができるもの。

     むしろ、「情報」といえば、地震が発生した後、津波までにどのような情報が住民に提供されたのか、どの程度住民が理解したのか、被災したのち、まだ生きている被災者を救うためにどのような情報が把握でき、把握できなかったのか、市町村はどうか、県はどうか、国の機関がどこまで情報が把握できていたのか、いなかったのか、これが今後の災害対策にとって重要だと思う。
     
     情報学というなら、今後の人の生き死に係わるような情報がどう伝達され、どこが問題点なのかを分析してほしい。

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著者プロフィール

国立情報学研究所コンテンツ科学研究系教授、東京大学大学院情報理工学系研究科教授。
東京大学数学科卒。博士(理学)。電機メーカーに20年間勤務の後、2001年より現職。2002年より東京大学大学院コンピュータ科学専攻教授併任。NPO連想出版理事長。
専門は関数プログラミング、プログラム変換、連想情報学。

「2020年 『アートシーンを支える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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