ランボー、砂漠を行く――アフリカ書簡の謎 (岩波人文書セレクション)

著者 : 鈴村和成

• 岩波書店 (2012年10月24日発売)

感想・レビュー・書評

[bashomidoriさんの感想 · 2024年4月10日]

その詩人は
底知れぬ渇きを抱えて
放浪を繰り返した
限りない無邪気さから生まれた詩（うた）に
世界中の詩人が蒼ざめたその頃
彼は砂漠の商人
詩なんかより旨い酒をなどとおっしゃる
永遠の詩人、ランボー
あんな男、ちょっといない　
　　　　　　　サントリーローヤルのＣＭ（なつかしい）

[taranbovさんの感想 · 2013年5月31日]

めっぽう面白い。詩作を放棄してアフリカで商人として行きたランボー、しかし、残したドライな手紙と徒歩行商、郵便という時間、アフリカの時間、それらがむしろかつての詩の内容となり、人生がそのまま文学的営為となる。慄然としながらも、わくわくとしてしまう。

著者プロフィール

評論家、詩人。ランボー、村上春樹論等で活躍。2009年『ランボーとアフリカの8枚の写真』など一連の紀行により藤村記念歴程賞受賞。
『ゆるゆる人生の歩き方　金子光晴の名言から』(言視舎) 『テロの文学史』（太田出版)ほか著書多数。

「2020年 『笑う桐野夏生 悪を書く作家群』 で使われていた紹介文から引用しています。」