つながる (人生をひもとく 日本の古典 第三巻)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000286435

作品紹介・あらすじ

この世のなかで、他人とかかわりなく生きて行くことは、できません。人とのつながりのなかにこそ自分自身が存在しています。娘の恋人を苦々しくも祝福するスサノオ、気心の知れた友の早世をなげく紫式部、どこまでも母親思いの頼山陽…。親子の絆、夫婦の機微、友情と信頼など、人と人とのつながり、さまざまな結びつきを探ります。

感想・レビュー・書評

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  •  男女、夫婦、師弟、親子など、人と人とのつながりをテーマにした古典の一文を取り上げて解説していく。恋愛ものばかりでなく、非常に多種多様な、古典の、つながりの姿が取り上げられている。

     今昔物語集の、女盗賊のエピソードとが面白い。
     ある男が夕暮れ時に歩いていると、ふと目に入った家に美しい女がいて、こっちをみて、ただほほえんでいる。誘い込まれて、気が付けば一緒に暮らすことになった。
     二十日ほどたったところで、女は男に問う。「私のいうことは何でも聞いて、否とは決しておっしゃらないでください」。男は「生きるも死ぬもお前次第だ」と答える。そこから、女は突如男装して、鞭を手に持って、SMプレイをはじめるのだ。男をぶちまくる。それに何度も耐えきった男は、今度は女の指示に従い盗みなどを行う。それから二年ほどたったある日、男が用事をすませて帰ると、忽然と女も家も消えていた。ある時みかけた盗賊団のボスが、女のように美しい男だったので、彼女の正体は首領だったのか、それともやっぱり狐だったのかどっちだろうということで終わる。
     この本は本当にマニアックなチョイスばかりで、たぶん全然売れないのだと思うけれども、丁寧にわかりやすく解説しているので、図書館で全シリーズ通読することをおすすめする。読むのが早い人であれば、4時間で一冊読み終えられる。

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著者プロフィール

1933年東京生。専門は和歌文学・中世文学。文学博士。東京大学名誉教授。著書に『花のもの言う』(新潮社)、『野あるき花ものがたり』(小学館)、『歌の花、花の歌』『ことばの森-歌ことばおぼえ書』(明治書院)、『隅田川の文学』(岩波書店)、『新古今和歌集全注釈』全六巻(角川学芸出版)、『藤原定家全歌集』上下(筑摩書房)など。07年瑞宝重光賞。13年文化功労者。

「2018年 『和歌文学大系45 古今和歌六帖(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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