新訳 紅楼夢 第7冊〈第101~120回〉

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000286671

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  • 買珍の妾が煕鳳にばれて、煕鳳が怒る。しかしその尤二が死んでしまうという内容である。

  • 賈家の伯父・賈赦や本家の賈珍の逮捕により、一気に一族の没落が目立つ。その中で、宝玉はいつまでも子供っぽい性格。一方の薛宝釵は少女ぶりが姿を消し、若奥様になっているのが同じ人物と思えず、寂しい気がする。迎春、史湘雲らの不幸。煕鳳の失墜と失意の病死、妙玉の誘拐行方不明など、南陵十二釵の寂しい末路が源氏物語よりも平家物語の「盛者必衰の理」を思い出させる締めくくりである。ここでも汚職追及、資産差押えなどの法治国家の姿が見え隠れする。しかし第120話はあまりにも展開が早すぎて、情感が乏しく、読後の余韻に欠けるのが残念。

  • 第6冊と最終巻の本冊は補作とのことだが、作品世界をきちんと締めくくっており、読後感は収まりが良い。読書もこのあたりまでくると、登場人物の行く末に何かしらの感慨があり、長い物語につきあった時の独特の感動がある。堪能した。なお、各冊の巻頭にある「本冊の読みどころ」は、ネタバレなので、物語世界に慣れてきた第5冊あたりからは、先に読まない方がよかったなと、今になって思う。

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