経済の時代の終焉 (シリーズ 現代経済の展望)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 60
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000287319

作品紹介・あらすじ

私たちは、人間の多様性や生存の基礎が経済的な価値尺度に掘り崩されていく時代にいる。理不尽さに対する無力感、閉塞感が、先進国の社会全体を覆い尽くそうとしている。なぜ私たちはかくも経済の論理に屈服しようとしているのだろうか。アメリカへの従属、中間層の剥落、福祉国家の動揺、地方財政の破綻など、グローバリズムが日本社会を飲み込んでいく様相を、国際比較をまじえて立体的に描出。私たちが再び経済を飼いならす方途を探究する批判的考察の書。

感想・レビュー・書評

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  •  井手英策が90年代ごろからの世界の変遷をまとめる。

     いわゆるグローバリズムによって、労働者の待遇の悪化や小さな政府志向によって社会保障の削減などが進んだ過程を丁寧に記していく。
     「経済の時代の終焉」とはそういったグローバリズムに任せたままでは人々の生活が立ち行かなくなることを指している。
     これからの社会を考える上で必要な基礎が書かれている一冊。

  • もしかしたらこれからの日本を変える本なのかもしれない?すくなくとも著者は本気で日本を新自由主義の国から脱却させたいと思って書いていると思いました。熱意と気迫が書名がタイトルである最終章で溢れかえります。今まで数字の問題としてしか見えていなかった財政というテーマが人間という存在の哲学として語られる体験にショックを受けました。もちろんそこに至るための日本の財政の歴史の物語、私たちはどのように新自由主義に飲み込まれたのか?なぜ私たちの賃金は下落するのか?グローバリゼーションはどのように世界経済を揺るがしたのか?という第一章、第二章、第三章の流れも論理的でそういうことだったのか、と引き込まれます。この本の出版はちょうど2年前ですがその後起こったBrexitやトランプ大統領のようなバラバラになっていく世界が現出している現実を予言していると思いました。再分配と互酬の新しい同盟がその現実を前にした時に単なる理念ではなくシステムに落とし込むためには何が必要なのか?今後の著者から目を離せません。

  • 北見図書館に有り

  • 20150422~0603
    井手先生は、説明聴取会で講師をしてもらった。なかなかアグレッシブな若手(中堅?同世代でした)学者って感じ。なので著作に興味を持って購入。
    予想通り、勢いのある筆致。戦後の『土建国家モデル』はもう限界、新たな「互酬と再分配」モデルを形作ることが必要。ちょっと社会学入っている。でも、経済成長は必要だと思うなあ。

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著者プロフィール

慶応義塾大学教授

「2017年 『20年後、子どもたちの貧困問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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