想像力と状況 (新装版 大江健三郎同時代論集 3)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000288231

作品紹介・あらすじ

人は想像力によって現実世界のイメージをつくりかえ、状況を能動的にとらえ、自らを解放せねばならない。この国の「あいまいな言葉」を検証し、強権の押しつける人間像を拒み、「国益」に対抗する思想をつむぐ。オリンピック、万博、強行採決、権威に迎合的なメディア……六十年前と二重写しになる現在求められる、持続する志。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生に読まれたらいいなと思った。憲法と原子力潜水艦と沖縄。カーンの論理とアメリカの意識。戦争を体験してない私に不透明な状況を噛み砕いてくれた。1960年から70年代の大江が日本の未来を想像し政治と平和を問う。歴史から平和を学ぶ。

    状況から想像力に直結させるのに少し私には難しかった。最後の"未来へ向けて回想するー自己解釈(3)"で明確な意思表示が読めて理解できた気がする。正直驚いたのは、日本政府の不透明さは昔から変わらないと思った。今の日本を大江はどう思うだろうか。大切なひとが不在となったのが惜しまれる。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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