比較憲法 新版 (岩波テキストブックス)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000289061

作品紹介・あらすじ

世界各国の憲法状況をコンパクトに概説して好評を博したテキストを8年ぶりに改訂。新版では、フランス・ドイツ・ロシア・イタリアなどの主要国で行われた重要な憲法改正を盛り込み、アジア・アフリカ・中南米諸国の憲法についても、詳細に検討。住民投票と国民投票、ジェンダー平等政策など、新たな視角による国際比較も行った。

感想・レビュー・書評

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  • グローバル化および地域化の変化に伴う憲法の意義を,世界各国で比較しながら問いかける。日本国憲法の硬さの良し悪しを考えることにも役立つ。

  • 2003年刊(新版あり)。著者は東北大学大学院法学研究科教授。◆国の最高法規である憲法。各国にはその歴史・社会制度を踏まえ種々の憲法が存在するが、その各国憲法について、①史的な展開、その基盤としてのフランス革命後の仏憲法、②各国憲法の概略。英仏米、そして遅れてきた独日、さらに共産主義国憲法としてのソ中、発展途上国としてのアジア各国(特に植民地時代の宗主国の影響下にある東南アジア)を比較し、さらに、③人権規定・各種自由権・平等権・社会権、行政権の組織体制、違憲審査制と司法権毎の比較検討を叙述。
    ◆いわゆる自由主義先進国であっても、国による違いが顕著。①仏革命に対するアンビバレントなフランス、②名誉革命後の権利章典のみならず、マグナカルタにある種の淵源を持つ英、③啓蒙思想が衰えない、人工国家米、④ワイマールとナチス、そして東西合同という独特の経験に裏打ちされる独等様々。ただし、共産主義国の人権規定(というより人権を制限できる根拠)とは異質な先進国という共通項はある。◆中国の人権制限に関する根拠規定の根底にあるものが、自民改憲試案のそれに類似。◆公務員の労働基本権一律否定(最高裁も承認)。
    これは、ILOから是正勧告を受領し続ける問題。事の賛否は脇に置くが、そもそも対外的な条約・規約・国際間憲章を憲法解釈・国内法規の有効性にそのまま反映させることの不可なるのを例証。これは他にもある(労働基本権ほどではないが死刑制度も問題を胚胎)のだが、当然、国連憲章の承認を、憲法の集団的自衛権の容認根拠と看做すことの不可なるを示す。要は、都合よく摘み食いすることはできないよ、ということ。

  • ずいぶん前に読んで内容を忘れてしまったが、何しろ幅広い地域の比較を行っていてすごいと思った。

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著者プロフィール

東北大学名誉教授・弁護士

「2023年 『憲法研究 第13号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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