「シベリアに独立を!」――諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす (岩波現代全書)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000291033

作品紹介・あらすじ

暗黒と抑圧に塗り込められたシベリアから、美しく誇り高いシベリアへ。19世紀半ば、ポターニンやヤドリンツェフら、シベリア生まれの一群の青年知識人たちは、祖国はロシアではないこと、シベリアが国内植民地化されていることに気づき、シベリアの富を自らの手にとりもどそうと、解放運動を起こした。その結果、流刑囚となり数奇な運命をたどる。同時期のシベリア流刑者としてドストエフスキーは、流刑者たちの群像を『死の家の記録』として作品化した。祖国シベリアを愛する若き愛国者たちが、シベリア独立の民族誌に描いた新たなシベリア像とはいかなるものだったのか?今日にまで持ち越された人類共通の難問、民族と言語の関係を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀後半~20世紀初頭のシベリアの知識人ポターニンを中心とした群像劇。ユーラシア主義、連邦制の先駆と関連づける筆者の着眼点は鋭く、興味深い論点を多く含んでいる本だと思いますが、民族問題と国家に関する議論の仕方はやや一面的な印象も受けます。

  • 19世紀のポターニンという思想家について。
    ソビエト連邦が連邦として発足した裏には、ポターニンなどのシベリアの住民によるシベリア共和制などの思想が影響しているという。
    憲法にも独立は共和国の意思を尊重するとあるのに、現代のプーチンは逆行するような政策を取り、民族を締め付けている。
    歴史を追いながらも、現代へのするどい視点も。

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著者プロフィール

1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科、一橋大学大学院社会学研究科、ボン大学哲学部・中央アジア言語文化研究所(フンボルト財団給費)でモンゴル学・言語学・民族学を学ぶ。一橋大学名誉教授。社会学博士。モンゴル国立大学名誉博士。2009年モンゴル国北極星勲章受賞。著書に『ことばと国家』『ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国』『「シベリアに独立を!」諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす』(すべて岩波書店)、『差別語からはいる言語学入門』(ちくま学芸文庫)、『従軍慰安婦と靖国神社 一言語学者の随想』(KADOKAWA)、『田中克彦 自伝 あの時代、あの人びと』(平凡社)、『言語学者が語る漢字文明論』(講談社学術文庫)、『田中克彦セレクシヨンⅠカルメンの穴あきくつした』(新泉社)など多数。

「2018年 『カナリヤは歌をわすれない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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