エラスムス――人文主義の王者 (岩波現代全書)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000291323

作品紹介・あらすじ

デシデリウス・エラスムス(一四六九‐一五三六年)は、一六世紀を「エラスムスの世紀」と呼ばしめるほどヨーロッパの知的世界に君臨し、決定的な影響を与えた。『痴愚神礼讃』をはじめ膨大な作品を遺し、古典学者や平和主義者など日本ではあまり知られていないさまざまな姿をもった"普遍的文人"の全貌に迫る、初めての本格的概説書。

感想・レビュー・書評

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  • 作者がエラスムス研究の専門家ではないため、それがかえって初心者に分かりやすくいい入門書となっています。大変読みやすく、面白く、ともすれば宗教改革の文脈のみで語られがちなエラスムスを、バランスよく紹介しています。

  • 【図書館本】16世紀の巨人。まさに、ヨーロッパを駆け巡った人。人文主義者で、暴力を否定した人。内なる改革者。とても魅力を感じます。

  • 『痴愚神礼讃』や『対話集』の背景を知るのにちょうど良い入門書で,エラスムス研究の系譜としても重要性がある。

  • 作者の書き方が面白かった。
    私も宗教改革の「ラスムスが産んだ卵をルターがかえした」程度しか知らなかったけど、キリスト教人文主義者として平和を切実に希求して、ヨーロッパ世界に大きな影響力を与えたという。

    ただエラスムスの存在感が日本で埋没している背景には、漢詩と同じようにラテン語の存在感が埋没したことにあるらしい。

  • 教科書以上のエラスムスがわかります。でも・・・印象としては、著者の「すごいすごい」しか残っていません。
    あまりにも膨大な資料を小冊子に収めきれないのはわかります。でも、弁解の繰り返しが多いのもどうかと思う。
    博学であられることで、漢検準一級なみの漢字が当然のように使用されています。バカには読みづらいです。

  • 平成版「痴愚神礼讃」が必要です。。。

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    http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0291320.html

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著者プロフィール

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー—詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讃酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記—詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス—人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄—清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ—酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡—ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ギリシアの抒惰詩人たち』(京都大学学術出版会)、『ピエリアの薔薇—ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃—ラテン語原典訳』 (中公文庫)、オウィデイウス『恋愛指南—アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴—沓掛良彦訳詩選』 (思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

「2021年 『オルフェウス変幻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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