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- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000291606
作品紹介・あらすじ
日本人が古来こよなく愛してきた白居易(白楽天)と柳宗元。「長恨歌」や「江雪」は教科書にも取り上げられている。とはいえ、この二人はただ詩人であったわけではない。二人はともに、当時その制度が整えられた科挙によって登用された新進官僚であり、志をもって政治に携わり、同じように時代と政争の荒波に翻弄された。激動の中唐にあって、一方は高位と長寿に恵まれ他方は志半ばで流謫のうちに没した。ほぼ同齢の詩人の生涯と心の軌跡を、詩文の平易な現代語訳でたどりながら、彼らを支えたものについて考える。
感想・レビュー・書評
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仕事と自分の人生を大切に・・・という白居易の生き方には学ぶところが多い。
柳宗元の人生には共感できませんが・・・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
盛唐から中唐時代の詩人に科挙出身の官僚がいかに多かったことか。題名の2人とも左遷などで苦難の道を通った人らしいが、対称的に人生を楽しんだ白居易と清冽な歩みをした柳宗元。白居易の無二の親友とされる元稹や劉禹錫もまた官僚だった。白居易が若い日に湘霊という少女と恋をした記録は愉しい。そして柳宗元は屈原、陶淵明、杜甫などの系譜の孤高の人として存在していたのだ。長安と洛陽の2都市に対する知識人の認識の違いが興味深いところ。政治都市である長安の緊張感とは別に、水と緑の庭園都市、古都洛陽では落魄の身ながら、文化・趣味の世界に生きたのだ。著者の文章は素晴らしかったが、漢詩の紹介が現代日本語訳だけなのが残念!
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