本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000291750
作品紹介・あらすじ
世の常識を揺るがすその思想と行動ゆえに、生前からしばしば詐欺師、虚言者、偽の思想家と非難されたジャン=ジャック・ルソー。彼こそは、真理への誠実をモットーとして、嘘について独自の考察を重ねた思想家ではなかったか。知識人の嘘、政治における嘘、子供の嘘、子供への嘘、女の嘘…。本書は、「嘘」という視点からルソーの主要著作を読み直し、従来「矛盾」や「挑発」、「狂気」とされ捨象されてきたものを解釈の鍵として、この思想家の真に先鋭的でラディカルな思考の軌跡を描き出す。
感想・レビュー・書評
-
ルソーの著作を「嘘」を鍵にして読み解いていく研究。『告白』で記述されたマリオンへの責任転嫁から話が起こされ、『学問芸術論』や『不平等起源論』、『社会契約論』、『エミール』、『新エロイーズ』といった主要著作が検討されていく。知識人の嘘、政治の嘘を告発するルソーであるが、同時に『不平等起源論』で描かれる政治社会の設立の経緯、立法者の権威には、嘘と隣合わせの側面があるのではないか、このような洞察が主軸となっているが、本書では一つの決定的解答を与えることは目指されておらず、ルソーのテキストの多義性をまず浮き彫りにすることが目指されている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示