デタラメにひそむ確率法則――地震発生確率87%の意味するもの (岩波科学ライブラリー)
- 岩波書店 (2012年7月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000295956
作品紹介・あらすじ
確率とは何だろうか?「次に硬貨の表が出る確率は2分の1」、「30年以内に地震が起こる確率が87%」。こうした主張は本当に正しいのか?「偶然」と「必然」との関係を見出し、デタラメな現象から法則を探る。たくさんの具体例を通じて、誤解しやすい確率の意味をわかりやすく解説する。
感想・レビュー・書評
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161015 中央図書館
東海地震の発生確率なるものの原理を述べてくれている。世に言われる「地震の発生確率」とは、この程度の大胆な仮定と簡単な理論的背景しかないということに驚く。それは確かに、向こう何十年かのうちに東海地震が起こる可能性が極めて高いと推測することは、多くの人にとって妥当なことと感じられるだろう。しかし、それを支える内生的な理論はいまだ無いし、とうぶん出来る見込みもない。いたずらに◯◯%という数値を論って議論するのは、無駄なことだと思われる。 -
(グーテンベルク・リヒターの法則)地震の頻度NとマグニチュードMの関係は、N=10^(a-bM)
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東海地震が発生する確率をどのようにして算出したかについて詳細に記載してある.1854年の安政東海地震,1707年の宝永地震,1605年の慶長地震,1498年の明応東海地震から,発生間隔が102年,107年,147年であることから計算されている由.知らなかった!BPT(Brownian Passage Time)分析を使っている.地震に関する事項に興味があったが,マグニチュードMとエネルギーEも簡単な関係式で表される由.面白い本だ.
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世の中には天気予報をはじめとした確率にまつわる話がとても多い。占いなんかも実は確率によって起こっているのかも。
こうした確率の話って前提条件が大切で、どういうシチュエーションが想定されていて、計算時の分母にはどんな式が入るのかなんて言うところが、とても大切なんだなぁ、と思った。 -
地震発生の確率87%
意外な計算結果 -
第4章あたりまでは退屈かもしれないが、条件付確率の図解や、愚直なまでの具体例で理解度を上げようとする姿勢に好感。
大数の法則から正規分布、地震確率に進んでいく過程は、高校数学レベルに落とし込んだ解説と具体例が見事にはまって、非常に理解しやすい。
良書。