ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 121
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000295987

作品紹介・あらすじ

都会のナメクジは絶滅の一途(?)という噂の真偽を確かめるべく自ら発見マップを作成し、また全国の知り合いに呼びかけて観測情報を募る。歩きはノロノロだが食欲は旺盛でキャベツはバリバリと頬張る。ビールも大好き。意外にも記憶力は強いらしい。2億年ずっと生活スタイルを変えずに生き残ってきたナメクジの本音と愛らしさに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 甲羅のあるナメクジがいるなんて、知りませんでした・・・

    *比喩でも何でもなく、本当にナメクジの本なので、軟体動物は苦手・・・という方はどうぞスルーして下さい。

    著者は日経新聞系の記者・編集者として働いた人。現在はフリーのジャーナリストです。
    ふとしたきっかけでナメクジに興味を抱き、知り合いの協力を仰いでナメクジ各種の分布を調べたり、生態や歴史について学び、またナメクジが出てくる文学作品、ゆかりの行事を探したりしています。「ナメコロジー(ナメクジ+エコロジーの造語)」と称するその「研究会」の成果をまとめたのが本書です。
    100ページほどとボリュームも少なく、また著者ももともと専門家というわけではないため親しみやすく書かれていて、ナメクジの入門書としては手頃だと思います。

    ナメクジの分布を調べていくとナメクジ界でも外来種の進出がめざましいようです。在来種のフタスジナメクジ(昔はよく見た)やキイロナメクジは徐々に追いやられ、台頭してきているのがチャコウラナメクジ。チャコ裏ナメクジと区切るのかと一瞬思ったのですが、正しくは茶甲羅ナメクジ。薄い甲羅があるんですねぇ。

    おかしかったのは、著者がナメコロジー研究を宣伝していくにつれ、全国に協力者が現れるのですが、熱心に協力するあまり、ナメクジを大量に「送ってくれる」人も出てきたこと。タッパーにみっちり入ったナメクジ。むーん。もらいたくない。
    著者は自分で捕まえたものに加えて、こうして送ってもらったナメクジを飼育してきたそうです。生態系を乱すわけにはいかないから逃がせないし、かといって殺すのもね、というところですが、すごい。
    餌はキャベツが最適だそうです。
    繁殖も観察しているそうで、赤ちゃんは結構かわいいらしいです。

    中津川のなめくじ祭が紹介されています。吉川英治の『新・平家物語』にも描かれていますが、懸想した人妻・袈裟御前を誤って殺してしまい出家した文覚上人のお話が元になっています。罪を許した袈裟御前が上人の墓にナメクジになって現れるという伝承があり、このお祭りはそれにちなむものです。生前は美人であったのに、ナメクジに化身するというのがちょっともの悲しいなぁ・・・。
    舐めると運勢が現れる三角形のおみくじ「ナメくじ」が人気らしいです。

    忌み嫌われがちなナメクジですが、こうして見ていくとなかなか興味深い生きものです。
    「ナメコロジー」の世界、ちょっと覗いてみませんか?


    *興味深かったのは、著者が行ったミニ実験。塩と砂糖(と小麦粉)を、それぞれナメクジに掛けてみたら、塩を掛けられたナメクジだけが死んだ、というものです(砂糖を掛けられたものはそのうちに下から這い出してきたそうです)。ナメクジ退治には塩を掛けろ、と言いますが、これは一般に「浸透圧」のせいで体内の水分が奪われて死ぬとされています。浸透圧だけなら、砂糖でも同様なはずで、ウィキペディアなんかにもそう書いてあります。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%82%B8
    でも実際には砂糖を掛けるより、塩の方が(少なくとも劇的に)効果があったということは、例えばナメクジ体表の粘液には塩の方が溶けやすいとか溶解速度が速いとか、そういうことなのか・・・? あるいは吸湿性の違いなんでしょうか・・・? ちょっとよくわからないなぁ・・・。
    ご参考までに、溶解度自体はこのようになっています↓(*小麦粉は成分が単一ではないので、ちょっと置いておきます)
    塩と砂糖の水100 gへの溶解度(20℃)
    NaCl(分子量:58.4)  35.83g(0.61モル)
    ショ糖(分子量:342) 197.62g(0.58モル)
    ショ糖の方が分子量が大きいため、重量で同じくらい溶けてもモル濃度にしたらまだまだ薄いわけで、短時間のうちに体表面に作られる溶液の場合には食塩水の方がはるかに濃くなる、のかもしれません。

    塩と砂糖、それぞれの飽和水溶液に(呼吸孔を塞がないように)浸けたりするとどうなるのかなぁ・・・?
    でも、やってみるにはまず、ナメクジを捕まえないとね(^^;)。

    • bokemaruさん
      ぽんきちさん、こんにちは。
      実は、ぽんきちさんの「軟体動物は苦手な人はスルーして」というレビューに、コワくて先を読めずにいました。
      でも今日...
      ぽんきちさん、こんにちは。
      実は、ぽんきちさんの「軟体動物は苦手な人はスルーして」というレビューに、コワくて先を読めずにいました。
      でも今日、他でたまたま内容をちょっと知るチャンスがあり、思い切ってぽんきちさんのレビューを読んでみると…わわ、面白そう、読みたい…!
      幸い(?)我が家の狭い庭では、連日始末に困るほどのナメクジ被害に遭っているので、万が一、ナメクジ実験をしたくなったらすぐにでもトライできそうです…(^_^;)
      2012/12/23
    • ぽんきちさん
      bokemaruさん

      あ、すみません(^^;)。
      ちょっとタッパーの話が強烈かもしれない、と思って牽制してしまいました。
      全体としてはそん...
      bokemaruさん

      あ、すみません(^^;)。
      ちょっとタッパーの話が強烈かもしれない、と思って牽制してしまいました。
      全体としてはそんなに写真満載とかでもないので、多分、大丈夫、と思います。

      > ナメクジ被害
      大変ですね。ナメクジは呑兵衛で、ビールに寄ってくるようですよ。ペットボトル等にビールを入れ、口に油を塗って(←脱出防止)おくと、溺れ死ぬ(^^;)ようです。
      でも脱出しやすいのでくれぐれも逃げないようにするのが肝心みたいです。
      詳しくは本書にありました(^^)。
      2012/12/23
  • キター!いきなり冒頭から厳しいご指摘。
    「嫌いなものを目にすると、すぐに遠ざけようとする性癖がある」はい、すみません、私です(汗)
    「見た瞬間に思考停止に陥り」はい、仰る通り(汗)
    「対象の本質を理解しようとしなくなる」本当にごめんなさい~という感じでスタート。
    てっきり生物学か何かの専門家かと思いきや、全然違うらしい。

    思いがけずナメクジに興味を持ち始め、今やナメコロジー研究会なる会まで立ち上げ(現在の会員数はいかほどであろうか??相変わらずひとり?)ナメクジを研究すること14年、その集大成ともいえる成果をまとめたのが本書ということのようだ。

    本書の記述を見る限り、我が家で大量発生するナメクジはノハラナメクジのような気がする…。大きくても3センチくらいしかない。そう、そして確かに、梅雨どきもだけれど秋の終わりごろにもよく見かける。うようよいる。そして、きっと孵化して間もないのであろうナメクジは、本当に小っちゃくてかわいらしい。でもかわいくないけど。
    そうそう、リン酸第二鉄入りの駆除剤!使ってますよ~。だって死体を見たくないし。でも効果があるのかがわからないところが問題。これだけやっつけた!という実感が持てないんだよな~。
    などなど、我が家での実体験がいろいろあるので、いちいちリアルに反応してしまう。

    ナメクジにも脳があるとか(!そりゃそうか)、体重の50倍もの牽引力があるとか、体の各器官が細かく調べられていたりして、こんなことちゃんと調べる人がいるんだな~、などと妙なところに感心。
    そして意外に文学作品などにもナメクジが登場していて、ちょっと面白い。
    そういえば、気持ち悪いもの、嫌なものの代名詞的に引き合いに出すことも多いかも。
    著者にしてみれば、もっと彼らをよく知って理解してやってほしいというところだろう。しかし申し訳ないけれども、また我が家の庭では、春が来てナメクジファミリーの勢揃いに次々遭遇するのだろうなと思うと、今から気が重いことに変わりはない。本書を読んでも。

    ナメクジ目撃情報の提供なら、たくさんできたと思うんだけど。
    ナメクジさん、ごめんなさい。

  • 周囲にドン引きされつつも、ナメクジを飼育していた私。
    生態を知りたくてナメクジの本を探しても、害虫扱いで退治の仕方ばっかり…人間って冷たい!なんて切ない思いをしていたところで、出会った一冊。
    愛に溢れ、のんびりとした温かさも救いでした。
    変人を見るような冷ややかな目を向けられておりましたが、励まされました。
    生き物好きで良かった!

  • 2.8

  • なめくじって砂糖かけても平気なんだねー。などと、ちょっと面白い雑学と、全国各地にいるらしいなめくじフリークネットワークを知れたのはよかった。

    本筋とはまったく関係ないのだが、「女性社長」「女性社員」など、なぜか女性だけ頭につけた表記がすっごい違和感あった。

  • 著者はナメクジの研究者。
    ナメクジの外来種が日本で拡がっているようである。
    あらたな伝染病の可能性もある?

  • 資料ID:W0170626
    請求記号:784||A 16
    配架場所:本館1F電動書架C

  • ナメクジについてのわかりやすい本。
    資源を節約し生存競争を生き抜いてきたナメクジというのを見直すべき、かもしれないが…

    気持ち悪いのは気持ち悪いんです。

  • ナメクジの研究者ではないのに、ひょんなことからナメクジに関心を寄せたあげくナメクジを飼い、生息状況などを調査・推理するナメクジ研究家。

    北海道にナメクジが多いなんて意外でした。冬に強いことも。

    ナメクジが好きではなくても、広東住血線虫がナメクジを中間宿主として人間に感染することなども記載されているので役立つ内容です。

    昔から「カタツムリは危険な菌が多いからしっかりよく手を洗うように」と言われていたけど、そういえばナメクジも似たようなものですね。
    ナメクジを触った後やナメクジがついた野菜はしっかりとゴシゴシ洗うことにします。

    私はナメクジがあまり好きではないので、ここまでナメクジに関心を寄せ続ける著者が理解できない。
    でもこの本を読んだおかげでナメクジを見る目が変わったかもしれない。いつか私もこの域にいける日がくるのだろうか…

  • 市井のナメクジ研究家のエッセイ。
    科学的記述はすくなめ。

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