サボり上手な動物たち――海の中から新発見! (岩波科学ライブラリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296014

作品紹介・あらすじ

一生懸命だからこそ、サボるんだ!動物搭載型の記録装置による「バイオロギング」や「音」を使った最新の記録・分析システムで、予想も常識も覆す、驚きの新発見が続出。南極のペンギンやアザラシから、身近な日本のイルカ、ウミガメまで、謎に包まれた生きものたちの生態と"本気の姿"を明らかにする、新しい海洋動物学。

感想・レビュー・書評

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  • 動物の行動を記録するバイオロギング。
    動物たちにカメラや計測器を取り付け、その生態を隈なく調べるというもの。

    そもそもは、ある場面での生物の行動に注目したところから計測が目論まれたが、結果として何もしていない、注目していなかった時の行動も知るところとなり、そこから思いがけず「サボる」動物たちの姿が浮かび上がってきたのだという。
    つまるところ、生物であるが故に、やたらなエネルギーの無駄遣いはせず、利用できるもの(ほかの仲間たちや自然の摂理など)は利用して効率よく生きている、ということなのだが。

    いろいろな計測結果を披露したに留まった感はあるものの、写真や図解も多く、単純に楽しんで読むことができた。

  • 動物物というよりはその観察方法について書いたもの。内容が面白くない訳ではないが文に面白味が欠ける為、このシリーズの中での評価は下の方。このシリーズ自体は好きなんですけどね。

  • 海洋動物学。動物行動学。
    研究のデータが多く、決して面白いわけではないが、テーマが興味深い。人間が学ぶべきことも多々ありそう。

    動物のサボっているように見える行動も、生きるための合理的な理由がある。
    能率とは「目的を達成しつつ、もっとも要領よく手を抜くことである」。
    環世界。進化的軍拡競走。

  • 動物にバイオロギングを搭載することで予想外の新発見がある。動物も適度にサボる。

  • 配置場所:1F電動書架C
    請求記号:481.72||Sa 85
    資料ID:W0172091

  • ★★★★☆
    見る・聴く・速さから、動物の行動を発見する。
    私たちが観察しにくい場所で動物たちがどのような行動をとっているか。
    データから、動物たちの行動が次第に明らかになってきている。
    全力ではなく効率のよい動きをしているのだなあと。
    (まっきー)

  • 内容情報
    [日販MARCより]
    動物搭載型の記録装置によるバイオロギングや音を使った最新の記録・分析システムで、予想も常識も覆す、驚きの新発見が続出。謎に包まれた生きものたちの生態と“本気の姿”を明らかにする、新しい海洋動物学。
    [BOOKデータベースより]
    一生懸命だからこそ、サボるんだ!動物搭載型の記録装置による「バイオロギング」や「音」を使った最新の記録・分析システムで、予想も常識も覆す、驚きの新発見が続出。南極のペンギンやアザラシから、身近な日本のイルカ、ウミガメまで、謎に包まれた生きものたちの生態と“本気の姿”を明らかにする、新しい海洋動物学。
    1 実は見えない海の中(見えるようで見えない海の動物;陸上動物研究では観察が主体 ほか)
    2 他者に依存する海鳥―動物カメラで調べる(動物はなぜ潜るのか;周辺の餌分布状況を調べたい ほか)
    3 盗み聞きするイルカ―音で調べる(カメラも万能ではない;海は「音の世界」だった ほか)
    4 らせん状に沈むアザラシ―加速度で調べる(それは日本から始まった;浮力を使って浮上するペンギン ほか)
    5 野生動物はサボりの達人だった!(不純な動機;深海のチーター ほか)

  • 著者2人はいずれも、海洋動物の行動や生態を研究している研究者である。
    その研究手法は少々変わっている。1人は、音響を手段にしてイルカやクジラを研究し、もう1人は小型のカメラや行動記録計を動物に取り付ける「バイオロギング」の手法を用いている。

    海の中の動物は意外に「見えない」。陸上動物であれば追いかけて観察することは比較的たやすいが、海洋動物が海中を移動するのを長時間に渡って追いかけていくのには制約があり、限界がある。こうした動物の行動をもっと詳細に知りたいという欲求から、まずはカメラが取り付けられた。これは技術の向上からカメラが小型化されたことによるところが大きい。
    さまざま興味深い映像が得られはしたが、例えば、ガンジス川に暮らすワニにカメラをつけても濁った水がうつるばかりで、視界は非常に悪かった。
    水中に暮らす動物には、視覚よりも音に頼るものもいる。
    イルカは自ら音を出し、仲間とコミュニケーションを取ったり、跳ね返ってきた音を捉えて周囲の状況を知ったりする(エコーロケーション(反響定位))。こうした動物には、カメラを取り付けるより周波数の変化を記録するソナグラフを付ける方が多くの情報が得られることになる。
    その結果、海域によって静かな海とうるさい海があり、それぞれの海でイルカが出す音の大きさなどが違うことがわかってきたという。

    もう1つのバイオロギングの方は、加速度センサーを利用する。家庭用ビデオの手ぶれ防止や携帯電話の画面の向きを変える機能などに用いられているものだ。
    当初は、加速度データを元に速度を割り出し、そこから三次元の移動経路を算出する目的で取り付けられたのだが、部品の制約等のため、サンプリング間隔が粗く、三軸(前後・左右・上下)ではなく、二軸のデータしか取れなかった。そのため、位置を割り出すことは不可能だったのだが、加速度自体のデータは取れた。
    ペンギンに装置を取り付け、解析していくと、おもしろいことがわかってきた。ペンギンは海の中を飛ぶように泳ぐのだが、ずっと羽ばたき続けているわけではなく、水面に近付くと、空飛ぶ鳥が滑空するように、羽ばたきを停止し、なおかつ加速していく。さらに調べていくと、これはどうやら肺に吸い込んだ空気による浮力を利用しているらしいこともわかってきたという。

    こうした装置を利用する中で、どうやら動物たちは、いつでも全力で頑張っているわけではないことを示唆するデータが集まってきたと著者らは言う。
    バイオロギングのおもしろいところは、動物が何か行動を取った場合に観察するのではなく、一定期間、その動物に関するデータを取り続けるところである。休んでいようが、活動していようが、ある期間のデータを取る。そして後でそれをじっくりと解析していく。
    「眼を惹く行動」だけを観察していたのでは見逃しがちな「休息」時間も等しい重みで記録されるため、動物が意外に「休んで」いることが見えてくるのだという。
    ここに示された事柄だけで、動物が「サボり上手」であるという結論を出すのはいささか拙速であるようにも思うが、「最速」、「最深」、「最長」といった極端な記録にばかり注目するのではなく、全体を見ていこうという視点は興味深いと思う。


    *動物ごとに異なる知覚があり、感じている世界は動物ごとに違う。ヤーコプ・フォン・ユクスキュルがいうところの「環世界」である(cf. 『犬から見た世界』)。本書で挙げられたイルカのエコーの話も興味深いが、嗅覚が優れていて嗅覚に強く頼る動物が何を知覚しているのか、もしも嗅覚を「ロギング」する装置が将来的にできたなら、おもしろいことがわかるのかもしれない。

  • 配架場所 : 一般図書
    請求記号 : 481@S101@1
    Book ID : 80100454127

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002344733&CON_LNG=JPN&

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