スズメ――つかず・はなれず・二千年 (岩波科学ライブラリー〈生きもの〉)

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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296137

作品紹介・あらすじ

どんな顔?えっ渡り鳥なの?減ってるって本当?意外と見えてない愛すべき隣人のすべて。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。ちょうど、今日は故郷でスズメが減っているといるというニュースを新聞(ウェブ版)で読んで、スズメについて考えさせられた。
     ちょっとヴォリュームが少ないので、物足りなさは否めないが、小学生にも親しまれる内容だと思う。たくさんの子供に読んでほしい。鳥類学的なスズメの生態、歴史学スズメ、民俗学スズメ、文学スズメ、農学スズメ、スズメ減少現象、スズメとの未来。実はスズメもシジュウカラのように、留鳥として同じ場所で一生を生きるグループと、渡るグループがあるのだが、1924〜1943年に新潟県で行われた標識調査の結果、遠くまで移動しているの個体の多くは幼鳥であると言われている。若い頃にエクスプロールして、たどり着いた先で定着していくのは、人間を含め、生きものでよく見られる共通の行動ではある、これもまた遺伝子の拡散を狙う生き物としての戦略の一つなんだろう。なので、若い個体のサバイブ率が低くなるというのもある(そこのところ人間は別だが)。少し昔の民間のスズメ猟や、スズメエピソードなど面白い話もたくさん紹介されていてとても興味深い。
     スズメ愛に溢れる、バラエティに富んだ内容で、おすすめ。

  • 小さきお隣さま、スズメの正体とは?
    スズメの生態を説明し、日本人との接点をも探る。
    1 スズメの誕生  2 スズメの素顔
    3 人がいないと生きていけない?-奇妙な鳥、スズメ
    4 日本史の名脇役-微妙な距離で二千年  5 農害鳥スズメ
    6 スズメが減っているって本当?-スズメ受難の時代
    7 人とスズメの未来
    付録 スズメの巣を見つけてみよう!
    スズメついて、科学と文化の視点から探り、解説する。
    科学を中心にした幅広いテーマのシリーズの一冊で、
    児童・生徒にも分かり易い文章で書かれています。
    120ページに満たないながらも、スズメの話が凝縮されて
    詰まっている感じです。
    普通に身近にいるスズメだけど、ちょっと近づいただけでも
    逃げてしまう彼らの、意外と知られていない生態について。
    生きて命を繋ぐための行動は、臨機応変でしたたか。
    移動、定住、巣・・・環境と人の生活変化に柔軟に対応しています。
    また、身近にいるだけあって、文学や民話、デザイン、言葉等の
    日本人の文化にも登場。食や薬としても身近でした。
    しかし、日本のスズメの数は減っているらしい。
    その減少状況と原因についても考察しています。
    掲載されているスズメの画像とイラストが良かったし、
    エピソードも面白かったです。スズメを捕らえる網には驚き。
    読後は、スズメの巣がありそうな場所を探してしまいました。

  •  家の周りにどこにでも、いつでもいるような鳥「すずめ」。当たり前の存在
    ですが、ツバメと同様に人の生活と密着している生態は、野生の鳥として
    は逆に特別な存在なのですね。

     すずめと人間の共同生活はいつからどのように形成されて来たのか。
    すずめの生活、生涯はどのようなものか、雌雄の見分けかたは?体の模
    様って?いろいろ知らないことだらけでした。

     家族みんなで、へー、そうなんだとあらためてトリビアになっていました。

    岩波科学ライブラリーは岩波版ブルーバックスといったところでしょうか。
    いろいろな分野も科学知識が平易に解説されています。
    動物分野では「クマムシ?! 小さな怪物」も面白い。

  • タイトルの通りスズメの生態について詳しく述べている本です。最も日常的にみることのできる鳥ですが、その詳細については案外知らないことばかりです。この本を読むと、スズメのいるいつもの風景が違ったものになるかもしれません。
    (国際開発工学科 B4)

  • いつも身近にいるスズメがこのような鳥なのかと教えてくれる良書。著者のひたむきなスズメへの愛情を示してくれる。私たち日本人が忘れかけている自然への細やかな愛情も気付かせてくれる。ぜひ一読してもらいたい。いろんな物事への視点が変わるだろう。(図書館)

  • スズメの生態を面白くわかりやすく紹介するもの。スズメ好きなので、楽しく読めました。なんだか心温まる感じがします。

  • 今の家にすごい数が棲んでるので、出てすぐ買った。何の役にも立たなかったが、良い本だった。あのお寿司屋さんに再訪したのだろうか。

  • 自宅ベランダに、毎日スズメたちがやってくる。

    床に落としてほこりがついてしまったり、干からびて発見されたコメを密かに置いておくと、すぐに食べにやってくる。

    一体彼ら、彼女らはどこにいるのか?
    そんな短時間でコメを発見できるのは、なぜ?
    いろいろ疑問が湧いてきて、本書に行き当たる。

    スズメ研究でわかったこと、いまだにわからないことの他、日本文化の中のスズメまで、間口はかなり広い。
    フィールドワークの苦労の話も面白い。

    桜をガクごと食いちぎっている犯人は、スズメだったのか。
    巣立った若スズメは、自分の住処を求めて数百キロを移動することさえあるのか!
    そして、やはりスズメは数を大きく減らしているのか…。
    いろいろなことがわかった。

    同じシリーズに、三上さんの『電柱鳥類学』もある。
    少し読みかけていて、これも面白そう。
    文章は軽妙で、思わず吹き出してしまう箇所もある。

  • <目次>
    第1章  スズメの誕生
    第2章  スズメの素顔
    第3章  人がいないと生きていけない?~奇妙な鳥、スズメ
    第4章  日本史の名脇役
    第5章  農害虫スズメ
    第6章  スズメが減っているって本当?~スズメ受難の時代
    第7章  人とスズメの未来

    <内容>
    岩波科学ライブラリーの1冊。コンパクトに無難にまとまっています。ただ今、我が家の電動シャッターの戸袋にスズメが営巣しようとしているので、それを阻止している最中なので、勉強と思って読みました。その辺の情報はあまりなく、下手したら8月くらいまでいたちごっこかも?こっちも地道にしつこく抵抗し、スズメさんがあきらめるのを待ちましょう(それにしても2か所狙うなんて、2つがいくらいいるのかね?

  • スズメの巣探しのフィールドワークしたい/腕金の塞ぎかたトマソン物件っぽい!/
    換羽:夏の終わり頃のぼさぼさのくたびれた姿と冬場のパリッと整った姿/6~7月頃、巣立ったばかりの雛が群れになる/雀の体重は25g(ピーマン)くらい/止め卵(最後に産んだ卵)だけ色が薄いフシギ。odd colored egg/「盗蜜」。雀はサクラの蜜を吸うとき乱暴/人がいないところには雀がいない。有人の料金所にはいるのにスマートETCにはいない。サービスエリアに入るのにパーキングエリアにはいない/日の出の約17分前に鳴き始める。曇りだと11分前、雨だと数分前/季語色々:雀蛤となる、稲雀、寒雀/雀毬/

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著者プロフィール

北海道教育大学函館校国際地域学科 教授

「2020年 『はじめて学ぶ生物文化多様性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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