日本の地下で何が起きているのか (岩波科学ライブラリー)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296663

作品紹介・あらすじ

東日本大震災が引き金となり、日本列島の地盤は千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。内陸での直下型地震や火山噴火が数十年も続き、約20年後には「西日本大震災」が迫る。富士山は噴火するのか、カルデラ噴火は起こるのか?「伝える技術」を総動員して、市民の目線で本当に必要なことを包み隠さずに伝える。いま何を準備すべきなのか、「命を守る」行動を説く。

感想・レビュー・書評

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  • 水の用意

  • ★2018年1月8日読了『日本の地下で何がおきているのか?』鎌田浩毅著 評価B+
    昨年、一昨年だったか、NHKでMEGA QUAKEという特集をやっていましたが、そのサマリーのような本。文系の私にも分かりやすい。
    昨年の5月に起きた熊本地震以来、安全と思っていた長崎もしくは九州地方は、意外にも危ないと感じていたので、その事実を確認したくて読む。

    日本の地下では、太平洋プレートとフィリピン海プレートが西進または北上してきて、ユーラシアプレートと北米プレートにぶつかって沈み込む。
    それに伴って、上のプレートが沈み込む下のプレートに引きずり込まれる途中で、跳ね上がりリバウンド地震が発生する。
    太平洋プレートは、年8CM、フィリピン海プレートは年4CM動いている。(年4CMとは、爪の伸びるスピード)

    豊肥火山地帯とは、大分ー熊本構造線に広がる九重山、由布岳、阿蘇山は、600万年前から活動を継続。構造線は、伊予灘、豊後水道を挟んで、四国~紀伊半島を抜ける中央構造線に連なる。
    熊本地震当時は、火山学者たちは、一時阿蘇山が噴火したときには、その活動活発化を相当恐れていた。
    なぜなら、東日本大震災以降、1000年ぶりの大地変動時代を迎え869年前後に状況が似ているらしい。

    残っている地層から見ると大きな地震だけで、以下の通り。818年北関東地震、827京都群発地震、830出羽秋田地震、841信濃・北伊豆地震、850出羽庄内地震、863越中、越後地震、868播磨・京都群発地震、869貞観地震(東北)、871出羽鳥海地震、871開聞岳地震、878相模武蔵地震、887仁和地震(南海トラフ)
    そして、この時期の火山噴火は、832伊豆、837陸奥鳴子、838伊豆神津島、839出羽鳥海山、864富士山、阿蘇山、874&885開聞岳。

    著者は、南海トラフという静岡県沖から宮崎県沖の推進4000Mの海底凹地の3か所(1.静岡県沖 2.愛知~三重・和歌山東部 3.和歌山西部~高知沖)でそれぞれ1東海地震、2東南海地震、3南海地震が連続または同時に起きる可能性が強く過去の歴史をたどっても、90-150年おきに周期的に大地震が発生し、3回に一回(300-500年)は超大型大地震が起きていると指摘。
    887仁和地震、1361正平地震、1707宝永地震(富士山も噴火)1854安政南海・東南海地震、1946昭和南海・東南海地震の次は、2035年を中心として、前後5年に南海トラフ巨大地震が10年以内で20-30%。30年以内で70%の確率で来ると筆者は断言する。(彼はすでにそれを西日本大震災と呼んでいる。)

    震度7以上が10県、犠牲者総数32万人、家屋全壊239万棟、津波浸水1,000平方㎞、太平洋ベルト地帯を直撃するため、6000万人に影響し、被害総額は220兆円と見積もられている。
    また、筆者は、南海トラフ巨大地震以外にも、大地変動、火山活動時代に入ったことから、地震を引き金に、富士山、阿蘇山の活動活発化を懸念しており、もし本当に大噴火が起きるとすると、直下型地震により、山体が崩落、岩雪崩、泥流が発生。近隣住民は逃げる暇なく、巻き込まれる。また、火山灰は、ガスタービンに入り込んで、火力発電所は使えなくなり、電線に付着して碍子から漏電。浄水場ではろ過装置が故障、新幹線、高速道路は寸断。飛行場は閉鎖。地震、津波に勝るとも劣らない被害を警告している。

    著者は、脅すのではなく、読者一人一人に自分の身は自分の力で守る意識を持ってほしいと強く呼びかけている。
    当時学者たちには、869年の貞観地震の『知識』はあったのだが、学者に思考力と想像力が鈍っていたために同じことが起きると想像できなかったとの反省があるからだ。

  • 請求記号 453/Ka 31

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