- Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000296953
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。これが人間の優位かもな
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2020年11月新着図書
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読了。興味深い内容だったけど、例え話が若干わかりにくかった。
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2020.11.14市立図書館
日常会話は遠回しな表現だらけなのはどうしてか、それにもかかわらずなぜ聞き手は適切な文脈を理解し話し手の意図を適切にくんで返答できるのか、20世紀後半からの言語コミュニケーション研究における代表的な理論(協調の原理、関連性理論、ポライトネス理論、ゲーム理論)をベースにこうした疑問がどのように研究されてきているか、また最新の脳研究ではどのような知見があるのか紹介する本。
最後のほうにでてきたミラーニューロンや脳と脳の同調の話は興味深かった。言語の仕組みやコミュニケーション研究はもとより、学ぶことや成長に関して、いずれ資するものがあるのではないかな… -
戸田山和久さん風に言えば、「ありそでなさそでやっぱりある」もの。
意味とは、そのようなものらしい。
意味は文脈の中にある。
私たちは、瞬時に適切な文脈を見つけ出し、不確定な部分を適切なだけ推論する。
それはどうして可能なのか。
そして、間接的な表現はなぜあるのか。
本書ではこの三つの不思議に迫る――が、結論的には現時点ではやはり謎だそうだ。
不思議にアプローチするための道筋として、20世紀後半のコミュニケーション論が概観される。
最初に、グライスの協調の原理仮説。
話を前に進めるには、必要な量と質の情報を与え、関連性のあることを、明瞭な方法で伝える必要があるとのもの。
話し手だけではなく、聞き手の積極的な関与があることでコミュニケーションが成立するとした点で画期的であるとの由。
が、この仮説では推論が適切なところで終息するのはなぜかを説明できない、と筆者は言う。
そこで次に紹介されるのが、スペルベルとウィルソンの関連性理論。
伝達の効率を上げたいという人間の心の傾向を理論化したものだそうだ。
誤った予想を正し、正しい予想を確定したりして自分の知識を修正する。
変化した知識の差は「認知効果」と呼ばれ、これが大きいほど評価が高まる。
面白いのは、認知効果は内容面だけで判断されるのではなく、処理コストも影響するということだ。
この理論は、有限な身体的な資源を使って人間がコミュニケーションの能力を発達させてきたことをうまく説明するらしい。
が、本書では、推論の収束と間接表現の存在を説明するものではない、と退けられる。
三番目にくるのが、ブラウンとレビンソンのポライトネス理論。
(これだけは本書を読む以前から聞いたことはあった。)
相手の顔をつぶす危険度(丁寧さ)は、話し手・聞き手間の距離と力とその行為の負荷度(深刻さ)の足し算で見積れるという。
その結果、直接的に伝えたり、暗示したり、場合によってはリスクが高いから何もしないというものまで、戦略を選びうる。
この理論で間接表現が「顔をつぶす」危険を回避するのに意味があることを説明できそうだが、リスクが少ない相手に暗示表現を使うと嫌味や皮肉に聞こえるという別の問題も出てくる。
ここいらで、話を追っかけるのがちょっと嫌になってくる。
で、最後に紹介されるのはピンカーの、ゲーム理論を導入した戦略的話者の理論。
非協調的対話(相手が信頼できるか分からない場合も含め)で、自己の利益を最大化するために、間接表現は合理的選択となることを証明できるとする。
ああ、長かった。
それでも、結局、三つの不思議は解けないのだ!
そこで、最終的には筆者の研究が紹介される。
fMRIで脳波を観測する方法を用いる。
推論するときの脳の使い方と、文脈検索するときのそれはあまり変わりがないという。
ならなAIがしていることとと大して変わりがないのか?と思えてきて、今後の研究が待たれる。
それから、時間認識の時の心の働きと、他者の視点を得るという働きには関連があるらしいということも指摘されていた。
ともあれ、言語学が向かっていく方向の一つを追っかけてみることができてよかった。
わりと読みやすいし。 -
タイトルは興味をそそりますし、前半は、あいまいな会話が成立するための仮説がいろいろと紹介されていて、なかなか面白かったです。
が、結局、確定的なことが言えない分野、ということで、いろんな研究手法の紹介に終わっている側面があり、消化不良な印象…。
その一方で、この本を通じて、人間のコミュニケーションが成立することや、成立の仕方の不思議さは、十分に感じることができると思います。
その一点においては、読む価値があるといえそうです。 -
専門的で難しい。
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請求記号 809/To 32
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出版社ウェブページ(立ち読みあり):
http://iwnm.jp/029695