電柱鳥類学: スズメはどこに止まってる? (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 203
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (118ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296984

作品紹介・あらすじ

電柱といえば鳥、電線といえば鳥。でも、そこで何をしているの?カラスは「はじっこ派」?感電しないのはなぜ?——電柱や電線の鳥に注目したら見えてきた、その知られざる生態、電柱・電線の意外な姿、電力会社と鳥たちの終わりなき知恵比べ。あなたの街にもきっとある、鳥と電柱、そして人のささやかなつながりを、第一人者が描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 110ページ程の薄い鳥類学(?)の本なのに、第1章で25ページも使って電柱と電線の説明に費やしている。
    普通なら「早く鳥の話をしろ!」とイライラするところだが、ここが最も興味を惹かれ役に立つ知識となった。
    「電信柱」とは電話線を張り巡らせるための柱だが、「電信柱」という単語は街で見かける電柱を誰も「電力柱」とは言わない程に浸透してしまった。
    子供の頃から現在まで、犬や酔っ払いオヤジがおしっこするのは「電信柱」だ。

    この本を読んでから意識して電柱をじっくりと観察する日が続いている。
    「電力柱」や「共用柱」でない正真正銘の「電信柱」も何本か見つけた。

    私は鳥が好きなので普段から街を歩くときは鳥に眼が行く。
    カラスは電線というより電柱や腕金に止まっており、スズメは特に場所は選ばずに電線のどこにでも止まっているイメージがある。
    ハトは地面をひょこひょこ歩き回っているイメージが強く、電線に止まっている姿はあまり見かけない(気がする)。

    電柱に作られた鳥の巣も見かけないのだが、電柱の鳥の巣の撤去数が日本全体で年間に17.5万個もあると知ってびっくり。
    確かにカラスは金属のハンガーをたくさん使って巣を作るので、停電防止のために撤去は必要ですね。
    電力会社vs鳥達の攻防戦の話題は面白かったです(電力会社の方ご苦労様です)。

    散歩する時に、様々な鳥対策をした電柱・電線を見つけるのが楽しみになりました。

  • 面白かった。タイトルがとてもすばらしい。が、申し訳ないことにP1〜25の電柱と電線の基礎知識のところが一番興味深かった。もちろん、本題の鳥との関係や、鳥の巣、電力会社の鳥との戦いなどとてもエンジョイした。ヴォリュームはとても少ないが、気分転換的にとてもリフレッシュになった。

  • 今週の本棚:渡邊十絲子・評 『電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?』=三上修・著 - 毎日新聞
    https://mainichi.jp/articles/20210213/ddm/015/070/027000c

    電柱鳥類学 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b539120.html

  • テーマ設定がまず面白すぎません?
    タイトル勝ち。
    そして確かに、なんでスズメとカラスでは違うところに止まってるんだろう?って思う。

    そもそも電柱に種類があるのも知らなかった。

    「見慣れると、町中にある3種類の電柱をすぐに見分けられるようになります。ただし、友人が『電信柱』と言ったのに対して『いや、あれは電信柱ではなく電力柱である』などと、したり顔で言ったりすると、距離を置かれる可能性があるので、口には出さず、心に秘めておくのがいいでしょう」

    という、丁寧なコメントに、笑った。

    そうだけど!でも、電柱にそこはかとなくロマンを感じてる筆者と、その語り口に引き込まれます。
    (鳥類学の人なのに、電柱の方に割と重きが置かれている気が……)オススメ!

  • 「現代の鳥たちは、人間が150年かそこら前に作り出した構造物を普段使いの足場としているのです。」電線をふとみあげると「かあ~」という鳴き声。ちゅんちゅんという鳴き声にふと視線をあげるなじみ深い光景。
    電柱があらわれるまではなかった光景だと思うと感慨深い。第1章の電線と電柱の基礎知識には、…知らなかったということも多々あり。
    すべての鳥が電線にとまっているのではなかったのね~とびっくりしました。カラスやスズメがどこに止まるのかまで観察されていて面白い。
    自然災害が多い日本では今後、電柱が地下に設置されるのかと思ったり。まだ先のことかもしれませんが、電力会社と鳥との共存を目指す工夫などが紹介され何気ない日常風景がおもしろくなりました。

  • 電線に鳥が止まっている、と言う風景は、長い地球の歴史の中においては、たかだか200年(この先電柱は地中化され、姿を消してしまうかもしれないから)。ほんの一瞬の出来事。
    その貴重な風景が見られる時間に私たちは生きている、という視点が斬新すぎる。衝撃的ですらあった。

  •  電柱の誕生と共に始まった近代の風景「電線に止まる鳥」。そんな私たちの生活を支えるインフラと、自然の共存関係に注目した本です。読むと普段の景色が変わって見えるかもしれません。無電柱化が進んで、失われてしまう前に、この景色をしっかり見ておきたいですね。

  • 以外と電気が専門的。細かいところが笑える。『鉄塔 武蔵野線』につながるところも

  • 電柱を利用する鳥たちの科学的な考察を、一般向けに書いてくれている。
    電線に留まるとき、カラスは電柱の近くに留まりスズメは電柱から離れた場所に留まることが多いというデータが紹介されていたりして、身近な生き物を観察する楽しみが増えた(^^)v

  • 都市に住む鳥の研究をしてきた著者が、特に電柱・電線と鳥の関係に着目して書いた本。人間が自分たちの都合で作り出した電柱・電線を、昔から生きてきた鳥たちが現代の事情に合わせて利用している実態を示している。

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著者プロフィール

北海道教育大学函館校国際地域学科 教授

「2020年 『はじめて学ぶ生物文化多様性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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