子どもの算数,なんでそうなる? (岩波科学ライブラリー 302)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 125
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000297028

作品紹介・あらすじ

その突拍子もない発想や間違いの奥には何があるのだろう。子どもの言動は、一見意味不明でも、よく聞き出すと、子どもなりに一貫した考えや理由をもっていることが多い。数学者である父親が、わが子と算数を考えることを楽しみながら、子どもの頭の中で何が起きたのかを推理する。学びとは何かを深く問いかけるエッセイ。

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  • 2021 谷口隆

    岩波科学ライブラリー302

    第一話 イジワル問題

    第二話 九九表

    第三話 マルとペケ

    第四話 電卓を通して見る数

    第五話 子どもの世界

    第六話 事件簿

    第七話 かけ算の順序・かけ算の種類

    第八話 理論と術

    第九話 ストーリーが紡がれるとき

    結び 誤りは宝物

    第一話
    「子どものすること、考えることにはすべて理由がある」炭谷俊樹(ラーンネット・グローバルスクール)

  • 大人には当たり前のことなのに、子どもにとってはそれを習得するまでにこんな過程をたどるのだ、こんな混乱を経験するのだ、という発見がおもしろかった。

  • 数学者(整数論)のお父さんによる子ども観察&考察。
    「一見誤りである子どもの思考の局所的な正確さやその機微、また単純平易に見える算数の意外な奥深さ」をかたる一冊。おとなの価値観や常識をわきにおいて、「子どものすること、考えることにはすべて理由がある」という姿勢で子どもの思考回路をていねいに観察すると、学ぶことが案外多いもの。「算数」にかぎらず、こどもの勘違いや思い込み、間違いをバカにしたりきびしく訂正したり正解を教え込んだりする前にあれこれ思いを巡らせるのは決してムダじゃないと感じさせてくれる。それにこの本の観察記録を読んでいると、数字を順につなぐだけの線つなぎも、ミリからセンチみたいな単位の変換も、自分が大人の感覚で思っている以上に複雑な作業だったのだな、と気付かされる。最後の方の、幼いきょうだいが参加できるように「答えが1になる問題」を考えはじめるエピドードには打たれたし、すごく象徴的な物語だと思った。結びにある「誤り」への対応の再考は、算数・数学にかぎらずあらゆる学びの場に言えることだろう。
    子ども観察系では同じ岩波科学ライブラリーの広瀬友紀「ちいさい言語学者の冒険」もおもしろい。…と手に取る前から勝手に思っていたら、著者あとがきに言及あり。著者が収集した「事件」のなかには日本語の統語規則(文の仕組み)と関係するのではないかという分析もあり(ヒャクニエン事件)、親になった言語学徒の自分にその視点はなかったな、と感心した。言葉も数の感覚も、多くの人がいつのまにか身につけてしまうもので、また、うまく(楽しく/楽に)生きていく上で必要不可欠なものだが、その感覚がいかに育まれていくのか、というあたりの研究はまだまだこれからだなと改めて思った。

    初出は岩波書店月刊誌『科学』連載(2019.5-2020.9の隔月)

  • 数学者による、わが子の算数“事件簿”。
    それは、「誤り」を考えるための足場とする著者の価値観を、次の世代に伝える記録でもあるのだろう。

    算数=いかにミスなく操作できるかであった私からすると、うらやましい環境だ。
    誤りを面白がり見守る文化に浴することが、私もできたらと思う。

  • 『#子どもの算数、なんでそうなる?』

    ほぼ日書評 Day474

    「3+1=5」を丸(正解)にする…といった表層的なところがキャッチーに使われているんだけれども、なかなかに本質をついた深い内容。

    乗算で「かける数」と「かけられる数」を逆にした式はマルかバツかみたいな話も、具体的な例を上げながら、冷静に解説。面白かった例が、紅白饅頭を3箱で饅頭は幾つ?というもの。
    普通は紅白2個セットが3箱だから、2×3=6。けれども生産者視点に立ったら、白と赤は別々に作るだろうから、各3個が赤白の2種類で3×2が妥当ではという解説。

    何度も読み返す類の本ではないかなと思うので、ぜひ図書館で。

    https://amzn.to/3z2rUQi

  • 「3+1=5」にマルをつけた数学者が語る、子どもの算数の見守り方 間違いを否定せず、考えた道筋を共有しよう(2021/6/18)

    https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/44649/

  • 【内容紹介】その突拍子もない発想や間違いの奥には何があるのだろう。子どもの言動は、一見意味不明でも、よく聞き出すと、子どもなりに一貫した考えや理由をもっていることが多い。数学者である父親が、わが子と算数を考えることを楽しみながら、子どもの頭の中で何が起きたのかを推理する。学びとは何かを深く問いかけるエッセイ。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000948900

  •  いつも利用している図書館の「新着書」のリストを眺めていて、目を惹いたタイトルだったので手に取ってみました。
     著者の谷口隆さんは数学者です。谷口さんは、子どもを相手にした算数の学びの機会を通して、数々の興味深い気づきを得ていきました。
     子どもがみせる「誤り」をそれだけで否定するのではなく、“理解に至る途中段階”と捉える考え方はとても参考になりますね。

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