本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784000610087
感想・レビュー・書評
-
ISが世界を震撼させていた2014年、当時の新進気鋭、現在も一線で活躍されるイラクや周辺地域の専門家が、同組織が興った背景、地域に与える影響を考察した一冊。
2024年に読んでも、このイスラーム組織を理解するための基礎が詰まっている一冊であることが、一読して分かった。
私はイランを軸に中東地域の国際関係を分析する立場をとるため、特に吉岡氏によるクルドとクルディスタンを巡る論考と、松岡氏によるイランの関与を巡る政治・宗教・軍それぞれのレベルによる分析と考察は、今後のイラン・イラク関係の考察のために非常に有効だった。
ISの脅威の広まりとこの本書の出版のタイミングに鑑みるに、本書の執筆に関わった著者が、現地の最新状況を常にウオッチしてきたことがよくわかったが、そもそもとして、ISが2014年頃突如現れた脅威ということではなく、様々な矛盾、特に米国の中東政策の矛盾が、20~30年程度のスパンで現実の脅威として現われたものであることがよく理解できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふむ
-
イスラーム国とイラクを軸に現代中東情勢を様々な視点から日本を代表的する中東研究者が寄稿した一冊。
イスラーム国を語るんであれば必読書。 -
316.4||Yo
-
アメリカはイスラム国に対する空爆に乗り出す際に国際同盟の編成に腐心し、自国だけが攻撃を行うのではないことを強調した。同盟にはイギリス、フランス、カナダ、オーストラリアが加わり、イラクでの作戦に参加した。一方、シリア領内での軍事行動については、これがシリア政府の要請や同意に基づくものではないため、西側諸国は参加に消極的だった。
アメリカのオバマは、イスラム国によって迫害されているヤズィードの救出をあげた。それに対して、イスラム国側はキリスト教徒の十字軍が多神教とであるヤズィード派を助けるために、正しいイスラム教徒を攻撃している、やっぱりアメリカはイスラムの敵であると、ロジックをすり替えて、アメリカおよび有志連合への報復を呼びかけた。 -
イラク及びシリアで独自の領域支配を続ける「イスラム国」出現の政治的背景を分析した論文集。日本人人質事件表面化前の刊行で、一般的に注目された外国人誘拐・拉致についての言及は少ないが、イラク戦争後の中東情勢の構造的変化を知る上で有益な情報・研究である。
-
イラン、イラク、シリアとISISの背景。専門家が、それぞれの見地で、現状を説く。
-
松永泰行「新たな最高指導者に弱冠五〇歳のアリー・ハーメネイーが昇格した」。
「弱冠」は,Google翻訳で翻訳すると,ペルシャ語では「بیست سالگی」。
著者プロフィール
吉岡明子の作品
本棚登録 :
感想 :
