「イスラーム国」の脅威とイラク

  • 岩波書店 (2014年12月25日発売)
3.33
  • (1)
  • (6)
  • (2)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 80
感想 : 8
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784000610087

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ISが世界を震撼させていた2014年、当時の新進気鋭、現在も一線で活躍されるイラクや周辺地域の専門家が、同組織が興った背景、地域に与える影響を考察した一冊。
    2024年に読んでも、このイスラーム組織を理解するための基礎が詰まっている一冊であることが、一読して分かった。

    私はイランを軸に中東地域の国際関係を分析する立場をとるため、特に吉岡氏によるクルドとクルディスタンを巡る論考と、松岡氏によるイランの関与を巡る政治・宗教・軍それぞれのレベルによる分析と考察は、今後のイラン・イラク関係の考察のために非常に有効だった。

    ISの脅威の広まりとこの本書の出版のタイミングに鑑みるに、本書の執筆に関わった著者が、現地の最新状況を常にウオッチしてきたことがよくわかったが、そもそもとして、ISが2014年頃突如現れた脅威ということではなく、様々な矛盾、特に米国の中東政策の矛盾が、20~30年程度のスパンで現実の脅威として現われたものであることがよく理解できた。

  • ふむ

  • イスラーム国とイラクを軸に現代中東情勢を様々な視点から日本を代表的する中東研究者が寄稿した一冊。
    イスラーム国を語るんであれば必読書。

  • 316.4||Yo

  • アメリカはイスラム国に対する空爆に乗り出す際に国際同盟の編成に腐心し、自国だけが攻撃を行うのではないことを強調した。同盟にはイギリス、フランス、カナダ、オーストラリアが加わり、イラクでの作戦に参加した。一方、シリア領内での軍事行動については、これがシリア政府の要請や同意に基づくものではないため、西側諸国は参加に消極的だった。
    アメリカのオバマは、イスラム国によって迫害されているヤズィードの救出をあげた。それに対して、イスラム国側はキリスト教徒の十字軍が多神教とであるヤズィード派を助けるために、正しいイスラム教徒を攻撃している、やっぱりアメリカはイスラムの敵であると、ロジックをすり替えて、アメリカおよび有志連合への報復を呼びかけた。

  •  イラク及びシリアで独自の領域支配を続ける「イスラム国」出現の政治的背景を分析した論文集。日本人人質事件表面化前の刊行で、一般的に注目された外国人誘拐・拉致についての言及は少ないが、イラク戦争後の中東情勢の構造的変化を知る上で有益な情報・研究である。

  • イラン、イラク、シリアとISISの背景。専門家が、それぞれの見地で、現状を説く。

  • 松永泰行「新たな最高指導者に弱冠五〇歳のアリー・ハーメネイーが昇格した」。
     「弱冠」は,Google翻訳で翻訳すると,ペルシャ語では「بیست سالگی」。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。青山学院大学国際政経学部卒業後、モスクワ大学大学院に留学・研修。帰国後は安全保障問題研究会事務局長、ユーラシア21研究所常務理事兼主任研究員、衆議院議員政策担当秘書などを経て現職。国際情報修士。
【主要著作】
「ロシア極東開発の行方」(共著、桜美林大学北東アジア研究所日ロ関係研究会 編『東京とモスクワ――改善のチャンスは近いのか(北東アジア研究叢書)』桜美林大学北東アジア総合研究所、2013年)、『現代アジア事典』(分担執筆、長谷川啓之 監修、文眞堂、2009年)、「ロシア“併合”四州統合プロセス」(『海外事情』拓殖大学海外事情研究所、2024年1・2月号)、「ロシアにおけるSDG16とその課題」(同、2022年3・4月号)、「ロシアの東方シフトとASEAN」(同、2017年1月号)など。

「2025年 『北方領土を知るための63章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉岡明子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×