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- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000610551
感想・レビュー・書評
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昭和天皇実録などの資料を参考に昭和天皇の終戦直後の行動、心情に迫る。
この本に書いてあることはかなり衝撃的だ。
終戦直後の昭和天皇は象徴天皇としての天皇制の維持と安全保障の為に密かに政治的に動いていた。国際情勢に明るかった昭和天皇が最も政治的な行動をしていたのは、皮肉にも象徴天皇になった直後だったのだ。
政治家、昭和天皇の評価は難しい。今に至る歪な日米安全保障の成立に一役買ってしまった面もある。ただ、私は昭和天皇は自身の保身として天皇制の維持を考えていたのではなく、日本の安定の為に考えていたのではないかと思う。
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「安保条約の成立―吉田外交と天皇外交」の推測部分が、「昭和天皇実録」で裏付けられた。
第Ⅲ部、「憲法・安保体制のゆくえ」も読みごたえがある。
「自主憲法」と植民地的な日米地協定が併存する”歪なナショナリズム”は、どこかる来るのか?(P259)
日米関係を「騎士と馬の関係」として捉え、「立派な馬」になりきらんとすることに「自主性」を見出そうととする、ナショナリズムが長年かけて醸成されてきたのだろう、とされているが、それだけであろうか? この本を読んだ後に残った疑問。
読売新聞の渡邊恒雄会長が、A級戦犯が合祀された靖国参拝に厳しく批判しているという話は初めて知った。