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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784000610674
みんなの感想まとめ
理想を持ちながらも現実を見据えた姿勢が印象的な回顧録であり、著者の教え子や同僚が質の高い質問を通じて、深い理解を促進しています。緒方の経験や知恵が丁寧にまとめられており、特に彼女の人間の安全保障に対す...
感想・レビュー・書評
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理想を忘れない現実主義者。なんて凛々しいのだろう。自国の安全保障を考える時、同時に世界の、人間の安全保障を考えなければならず、それは政治を抜きにすることはできないことを、あらためて考える。こんな風にしなやかな実務家の先達がいることを、世に出る前の人たちに知っていてほしい。
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良書。国際派!
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緒方貞子さんにはずっと関心を持っていた。女性のキャリアパーソンとして先駆者であり真の国際的なリーダーとして実践されてきたことについて、本書で最初から最後まで時系列に沿ってご自身の言葉で説明してくださっており、大変良く理解できた。そして、日本の国際的な立場について深く考える機会となった事に感謝。自らのビジネスがその一助になることを常に意識しているが、緒方さんの言葉は今後の重要な指針となる。
特に最後の緒方さんの言葉に激しく同意。さあ、僕等の時代だ。緒方さんと同じく、ブラグマティストたらんや。
『丸山眞男先生の「超国家主義の論理と心理」には、大きな影響を受けましたから。
丸山先生の「無責任の体系」論は、指導者たちのメンタリティや行動様式に着目したものですが、私は、政策決定の実質的な権限が現地の少壮将校の手中に握られていたという政策決定の二重構造を「無責任の体制」、英語では'system of irresponsibility”という言葉で表現しました。
政治的統合力をいた「無責任の体制」が既成事実を積み上げていくとき、政治であれ軍事であれ、指導者が選択しうる政策の幅はますます狭まっていく。既成事実が独り歩きして、誰もそれを止めることができなくなる。既成事実が自己増殖し、誰もが「既成事実の虜」になっていってしまう。そこに働く政治力学や組織の病理を、政策決定過程論の視点から解明したかったのです。』
ーでは、日本はどうしたらよいのでしょう。
『このままでは、日本は国際社会の中でいまの位置に留まることすらできないと思います。日本はまず足元を固めることから始めなくてはなりません。そのために何が必要かといえば、それは多様性、英語で言えばダイバーシティ(diversity)だと思うのです。逆説的に聞こえるかもしれませんが、世界は多様性に基づく場所だということを心底から受けとめ、自らも多様性を備えた社会に成長していくことだと思います。私は、日本がもっと多様性に富んだ社会になってほしいのです。創造性とか社会革新の力はいずれも多様性の中からしか生まれようがないのですから。』
『日本は、世界というところが多様な文化や価値観、社会から成り立っていることを、頭ではわかっていたかもしれませんが、経験的には十分に認識していなかったのではないかと思うのです。自分たちとは異なる存在への好奇心ですとか、尊敬・畏敬の念を十分備えているとは言えないのではないでしょうか。ほかの国や人々との違いを尊重して、そこから学ぶ機会を自ら閉ざしてきたのではないかとさえ思うのです。』
『日本社会が自倍を取り戻して、再び前進するためには、世界の多様な文化や価値観、政治や社会に目を開いて、そこから何かを学びとること、それとともに、国内でも多様性を涵養していくことが不可父です。異なるものを認め、そこで対話を聞くというのは、頭で理解するほど容易ではありません。』
『現実にはそのプロセスは苦痛も多いでしょう。努力がいるのです。異質な他者を認め敬うなどということは、自然には起こりません。ですからできるだけ早くから多様性に対する感性を養うのが重要です。そのことが日本に活力を与え、閉塞感を打開することにつながるのです。そこにこそ、これからの日本の進むべき道はあると私は思っています。』
ーなるほど。世界の多様性と向き合って、自らも多様性に基づく社会を築いていくためには、何が
必要なのでしょう。
『最も大事なのが教育です。日本の教育の最大の問題は、やはり画一的であることだと思います。子どもたちは同じ教科書で、一斉に同じことを学ばされています。異なる意見をぶつけ合って、自分の意見を鍛え上げる、そして学び合う。日本の教育は大学を含めて、いまだにそうした調練の場にはなりきっていないのではないでしょうか。』
『世界の中で生きていく力を身につけるための、多様性をはぐくむ教育を積み重ねていくべきです。語学力はもちろん大事ですが、語学はあくまでツールであって、目的ではないのです。「英語力=グローバル人材」だと思ったら間違いです。そもそも、グローバル人材という言葉が氾濫している昨今の風潮自体がおかしいのです。より広がりのある視野を持とうとする好奇心、異なる存在を受容する寛容、対話を重ね自らを省みる柔戦性、池する情報をより分ける判断力、そうした力の総体こそが求められているのです。これからの日本に本当に必要な力はそうしたものです。』
『日本のみが孤立して暮らしていけることはありえません。国を開き、多様性をそなえ、高い能力を持って外との関係を築くこと、そして国際的な責務を果たすこと。これなくして、日本に明るい展望は望めません。そうした方針を積極的に打ち出し、果敢に行動すべきです。このまま孤島に閉じこもる道などありえないのです。』
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1990年代に国連難民高等弁務官として人道支援を指揮した緒方貞子。その経験から「人間の安全保障」を提起し、日本の開発援助を主導する−。戦後日本を代表する国際派知識人の生い立ちから現在までを聞き取りによって辿る。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40237551 -
聞き手が、緒方さんの教え子と同僚ということもあり、また、この分野に精通している方々ということで、とても質が高く、理解しやすい。
また、質問とそれに対する緒方さんの回顧で、フォントとサイズが適度に違っていて、緒方さんの回顧をすんなり読み進められる。
緒方さんの一ファンとして、最高の一冊。 -
尊敬する人の回顧録なので購入。著者は本人になっていますが、側近が資料を取り纏めて回顧した書籍。その分客観的になっている。
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戦争
社会 -
▼福島大学附属図書館の貸出状況
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90317641
冷戦後に難民口頭弁務官をつとめ国際的に大変尊敬されている緒方貞子さんの回顧録。ご自身が執筆された回顧録もありますが、その後もフォローした決定版です。
(推薦者:行政政策学類 鈴木 めぐみ先生) -
国連難民高等弁務官・JICA理事長を歴任した、緒方貞子さんへの聞き語りによる回顧録。
本書を通じて感じる事は、学者の様な強靭・膨大なバックボーンを持ちながらも、目の前の難民問題に真摯にかつ現実的に対応する緒方さんの凄味であり、人間として凛々しさである。
個人的には、緒方さんの比較的若いキャリアにおける、太平洋戦争の政策決定論の研究面での経験談が、特に知識面での刺激を受ける内容であった。
編者あとがきも秀逸であり、素晴らしい一冊と思える。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第5回図書館企画展示
「聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念展示」 第3弾!
聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念に係る図書館展示です。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2016年10月17日(月) ~ 2016年11月11日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
国連難民高等弁務官を務めた著者へのインタビューを基にした回顧録。世界各地で起きた数々の紛争と難民問題に果敢に立ち向かう姿が凛々しい。しかし今なおシリア難民をめぐって揺れる現在を顧みるとつくづく人類とは厄介な生き物だと思わされる。
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元国連難民高等弁務官、JICA理事長緒方貞子氏の回顧録。
国連難民高等弁務官として仕事をした時代のお話は、当時の難民の現場やその時の関係諸国の動きがわかりそして氏がどう決断し現実を動かしていったかなど非常に読み応えがある。
現実の国際問題は結局はリーダーシップのある人間によって解決へ動いていくのだ。
かつて国際協力を志した人、これから国際協力の現場を志す学生には特におすすめ。
個人的には大学の同級生であった作家の須賀敦子さんへの言及に温かい気持ちになった。 -
国際問題が紛糾しているところに、国連の担当官として活躍する颯爽たる姿を拝見しており、どんな方なんだろう?というぼんやりした興味を持っていた。
緒方貞子氏が語る自身の系譜。
外交官の家に生まれ、海外、特に中国とかかわり深く育つ。
国際政治を学び、研究者の道を志す。
そして政治の世界に見いだされ、日本国の国連代表を経て国連職員へ。その活躍のなかで、同時期に結婚し、子を生し、育て上げ、さらに研究者として、そして国際舞台での実務家として活躍する。
サイドストーリーだけで、普通の人の一生分以上の活躍をされてきていると思うが、さらに、実務家として国連の場で大きな成果を上げている。
国連の日本の立場、そして国際社会との付き合い方、さらに国連として行ってきた活動の詳細は、非常に興味深く、また、当事者として実務に精通しながらことを行ってきたことを物語る。
国際問題に興味がある人にとっては非常に面白い内容だと思うし、研究するにも非常に面白く深い内容だと思う。
もうひとつ実務的だと思うのは、彼女は武力の必要性を否定していない。「残念ながら、人々の安全が損なわれたときに、軍事力を持ってやらないとどうにもできないことはあるのです。」ただ、「国と国との戦争のために、人間の安全保障を持ち出す必要はありません。」とくぎを刺す。
なんでもかんでも話し合いだけがすべて、というお花畑理論とは、一線を画していると思う。
緒方氏の回顧録という形をとっているが、日本がこれから世界の中で生きていくためのいくつかの方向性を、明確にして整理する良書だと思う。 -
研究が実務に非常に役立った。例えば政策決定過程論。実務をするようになって、物事を動かそうとするときに、政策決定過程論の思考法が役立った。誰がどれくらいの力を持っていて、何を主張しているのか、どのような力学が働いているのか、それらを見極めて、人や組織にうまく働きかけることができる。
日本の学会では実務の世界と学術の世界を分けて考える風潮が強いようだが、緒方はそう思わない。両者は有機的につながっているべきであり、その方がはるかに生産的。
日本は甲羅から頭を出して広く外をみまわさなければ、自分の立ち位置も日本の方向も見えない。日本は何が自分たちの本当の過大なのかを見極めることができていないから。はっきりしたビジョンを持つこと。日本社会が自信を取り戻して、再び前進するためには、世界の多様な文化や価値観、政治や社会に目を開いて、そこから何かを学びとること、それとともに、国内でも多様性を滋養していくことが不可欠。異なるものを認め、そこで対話を開くというのは、頭で理解するほど容易ではない。現実にはそのプロセスは苦痛も多い。努力もいる。異質な他者を認め敬うなどということは自然には起こらない。ですから、できるだけ早くから多様性に対する感性を養うのが重要。そのことが日本に活力を与え、閉塞感を打開することにつながる。 -
女性の社会進出が推し進められている中でお手本のような人。尊敬します。
楽観的と自分を表現してますが、きっと自信があるから悲観的にならないのだと思う。 -
2015年86冊目。
元国連難民高等弁務官・JICA理事長の緒方貞子さんのインタビュー形式の回顧録。
研究者時代には「なぜ日本は戦争に走ったのか」を追求し、冷戦後の過渡期にあった世界の難民支援をリードし、人間の安全保障の考え・実践を広めた緒方さんの声を、今の日本・世界の状況で聞く価値はとてつもなく大きい。
ご自身も「自分から手を挙げて始めた仕事はあまりなかった」と仰っているように、緒方さんはどの仕事にも「私がこれを変えてやろう」という意気込みで挑んでいない。
むしろ何は分からずともまるで天命のように出番を受け入れ、自らひたすら現場を飛び回ることで感じた「必要」を起点に、前例にとらわれずに組織や業務を変革していった。
尊敬してやまない。
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