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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784000610872
みんなの感想まとめ
国家の役割や経済政策に対する深い考察が展開されており、特に小泉元首相の政策がもたらした影響が明確に示されています。著者は日本経済を制度論的に分析し、新自由主義の進展がどのようにセーフティーネットの欠如...
感想・レビュー・書評
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やや難解で理解が難しい。
日本では、バブル崩壊以降、経済が低迷している(本書の原本の発行は2014年なので、少なくともその時点までは)状態が続いている。巷間、よく言われているのは、日本は新自由主義的な社会システムへの変革に失敗したがために、今日の低迷を招いたということであるが、筆者の意見はそれとは異なる。
すなわち、「改革」自体は、中曽根政権、すなわち、1980年代から継続的に行われてきた。それでは、低迷の原因はと問われると、「日本の危機-その強度の持続性-は制度変化の欠如ではなく、むしろ従来のシステムの崩壊と一貫性及び調整の欠如から生じた構造的な非整合性によって説明される」としている。
すなわち、制度というのは単独で存在するわけではなく、それぞれが整合性・補完性を有している「システム」であり、ひとつの制度の変更は、他の制度に影響を及ぼし、「システム」全体のパフォーマンスに影響を及ぼすものである。
これは、理屈として「そういうこともあるよね」という意味で、よく理解できる。ただ、本書の難解な点は、それに対しての納得のいく事例を示してくれていない(筆者としては示しているのかもしれないが、自分的には、なるほどと思えるものではなかったということかもしれない)点である。
どういうことかを自分なりに考えてみる。
日本では、今、「ジョブ型人事制度」というものが流行している。政府も「三位一体の労働市場改革」の中で、「転職を促進することによって賃金をあげる。そのためには、雇われるための必要要件がクリアになっているジョブ型雇用制度に変革することが必要である」として、各企業に「ジョブ型人事制度」への変革を促すメッセージを出している。
「ジョブ型人事制度」は、個別企業の人事制度という位置づけのものでは実はない。ヨーロッパに典型的なものであるが、それは、「社会システム」なのである。それが成立するためには、多くの社会的なサブシステムを必要とする。例えば、学校を卒業した段階で、企業のジョブディスクリプションを満たすような能力を有する学生を育てる「学校教育システム」、労働者のスキルアップや転職を支援するような「社会人教育システム」「職業教育システム」。あるいは、失業した際の社会的な「セーフティネットワークシステム」、それらのものと連携・補完し合いながら「ジョブ型人事制度」は成り立っているのである。「ジョブ型」という言葉の生みの親である、濱口桂一郎氏の、ジョブ型についての2021年の著書の題名が、「ジョブ型雇用『社会』とは何か」となっているのは、そういうことなのである。
すなわち、政府のお薦めに従って、各企業が「ジョブ型人事制度」を導入したとしても、「学校教育システム」「社会人教育システム」「職業教育システム」「雇用のセーフティネットワークシステム」等が、それと整合性を持っていないために、社会システム全体としては、結局はパフォーマンスが落ちるのである。
合っているのかどうかは分からないけれども、私はそのように理解したし、それはその通りだよな、と思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書では、小泉元首相は、最も弱いものを保護するという国家の責任の否定、と明確に小泉元首相をあとづける。
日本経済への制度論的、レギュラシオン的分析。
現在の日本経済を理解する上では必読書ではないのか。 -
フランス人の経済学者による日本経済論。米国輸入の見方が蔓延する中では貴重な一冊だ。
日本は欧米経済にキャッチアップしようとし、ある程度の成功を納めた後、80年代から新自由主義に舵を切る。著者は中曽根政権にその嚆矢を見る。
その後はセーフティーネットが無きまま、自由化だけが進んでいった。日本にとってアメリカ経済は異質だったのではないか。アメリカを手本にするのではなく重層な国家福祉を持つ欧州から学ぶことがもっとある筈だ。 -
日本にとってのグローバリゼーションとは単なる順応の問題ではなく以下にグローバルなルール形成に積極的に参加するかという問題
問題
1成長モデル 輸出か内需 投資と消費
2脱産業化
3グローバリゼーション
4福祉レジーム
新しい社会的和解 調整が必要
新川敏光の作品
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