シベリア最深紀行――知られざる大地への七つの旅

著者 :
  • 岩波書店
3.20
  • (0)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 57
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611114

作品紹介・あらすじ

ロシアはモスクワが中心と思いがちだ。しかし苛酷かつ広大なシベリアの底知れぬエネルギーを抱えてこそロシアという国は成り立っているのだ。「住所はツンドラ」と表記するトナカイ遊牧民。今も活躍するシャーマンたち。シベリア各地に広がるイスラム教徒や仏教徒、そして各宗教の寺院をはしごする住民たち。何百年も周囲との関わりを絶った旧教徒の村や道なきドイツ人たちの集落。シベリア最深部に根を張り、たしかに今を生きているあまりに多様で自由、豊かで柔軟、そして強靱な人びとを訪ね歩いた政治学者の稀有な記録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 漠然としたイメージしかなかったシベリア!
    珍しさで、最後まで、読んでしまつた!
    「ロシアの中のシベリアでなく、シベリアの中のロシア」の記述が象徴的だった!

  •  満洲の北、沿海州からシベリアにかけての地域にずっと関心があった。中国史では、粛慎、匈奴から契丹、遼、金とつらなった北方の人々の歴史である。本書に登場するのは、その遠い末裔の人々と重なっているのだろうかと思いながら手に取った。
     そんなわたしの期待は外れたが、シベリアの奥深さ・底知れなさを感じるには十分すぎるほどの内容だった。シベリア・タタール人、ネネツ人、トゥヴァー人、ロシア人のカトリック、ポーランド出身のプロテスタントだというゴレーンドル人の一家、言語を失ってまで自給自足で孤独に生きる「世捨て人」たち…。本書に登場する人々の思考には、現代の消費文明に生きる人間たちには容易に理解できない、圧倒的な距離がある。しばしばロシア文学について言われるロシア的な謎、闇の部分とは、つまるところシベリアのことであり、シベリアこそロシア性の根源にあるのでは。――そんな疑念にさえ襲われた。

  • アラスカがアメリカ合衆国の一部であっても”アラスカ”であるように、シベリアはロシア国の一部であっても”シベリア”なのだ。

    シベリアは、ピョートル大帝がロシア帝国を作る前から存在し、現代ロシアの重要な一部分ではあっても、シベリアは底知れないほど深い。そして、そこに暮らす民は国や政府とはほとんどかかわりなく暮らしている。

    そのシベリア奥地に踏み込んでいった、政治学者が書いた紀行文は、エネルギーや天然資源の宝庫というロシア国内の位置づけとは異なるシベリアを見せてくれる。

  • シベリアっ子が語るシベリアの妙、混在する宗教、たいへん興味深いです。ロシアの中にシベリアがあるのではなく、実はシベリアの中にロシアはあった。「シベリアって、シベリアって、それだけではないね・・・(Сибирь, Сибирь и не только...)」(力点は第二音節) 。顔写真は、白黒でも十分迫力があります(カラーは表紙のみ)が、できることなら建物や風景の写真ももっと見たかったです。ここまで深く入り込むことはめったにありませんので。著者は私より少し年下ですが、言葉が時に大仰で判り辛いのが玉に瑕です。

全4件中 1 - 4件を表示

中村逸郎の作品

ツイートする