- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000611282
作品紹介・あらすじ
政治哲学が"現代"に切り込む。トクヴィルや現代フランス政治哲学の視座から、個人と社会、自由と平等、労働と格差、デモクラシー、市民権などについて考察する待望の論文集。
感想・レビュー・書評
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『政治哲学的考察――リベラルとソーシャルの間』
【書誌情報】
■体裁=四六判・上製・408頁
■定価(本体 3,400円 + 税)
■2016年5月18日
■ISBN 978-4-00-061128-2 C0031
現代において人々は自らと社会をどのように関係づけ,意味づけているのか.その営みにデモクラシーはどう関わっているのか.トクヴィルや現代フランス政治哲学の研究を通じて,この問題を考察してきた著者による初めての論文集.「トクヴィルと現代政治哲学」「フランス政治哲学の可能性」「政治哲学から社会へ」の三部から構成.
【Webの誤植@岩波HP】(20160718確認)
○「第四章 政治が社会的紐帯を語るとき」
×「第四章 政治が社会的靱帯を語るとき」
……紐帯[ちゅうたい]と靭帯[じんたい]。
【目次】
序(二〇一六年 桜が満開の季節に 宇野重規) [v-xiii]
冷戦終焉とトクヴィル再評価/左右対立の融解と「政治哲学」/「政治哲学」とは何か/リベラルとソーシャルの間
目次 [xv-xxi]
第 I 部 トクヴィルと現代政治哲学 001
第一章 リベラリズムと共和主義の再統合――トクヴィルの遺産 003
一 はじめに 003
二 リベラリズムと共和主義 006
三 トクヴィルにおける自由 012
四 トクヴィルにおける規律 021
五 おわりに 027
第二章 トクヴィル復興の意味 033
一 フランス政治哲学の再生 033
二 トクヴィル復興 036
三 「政治哲学」と「トクヴィル復興」、そしてフランス自由主義 041
四 現代フランス政治哲学の独自の意義 043
第三章 トクヴィルと政治哲学の再生――大西洋両岸におけるトクヴィル 049
一 はじめに 049
二 共和主義的トクヴィルとリベラル・トクヴィル 050
三 政治社会とその推進力 052
四 結び、および日本への含意 061
第四章 トクヴィルとネオ・トクヴィリアン――フランス・リベラリズムの過去と現在 065
一 はじめに 065
二 「フランス・リベラリズム」という問題設定 067
三 トクヴィルはリベラルか 072
四 ネオ・トクヴィリィアンの問いかけるもの 077
五 フランス・リベラリズム 084
第五章 代表制の政治思想史――三つの危機を中心に 089
一 はじめに 089
二 前史 093
三 第一の危機――バークとルソー 098
四 第二の危機――トクヴィルとマルクス 108
五 第三の危機――シュミットとアーレント 118
六 おわりに 128
第II部 フランス政治哲学の可能性 133
第一章 メルロ=ポンティ/ルフォール――身体論から政治哲学へ 135
一 メルロ=ポンティの政治哲学 135
二 政治哲学にとっての身体論 140
三 ルフォールの政治哲学 144
四 現代政治哲学へのメルロ=ポンティの寄与 150
第二章 平等と自由の相克/相乗 157
一 「平等=自由」のフランス的系譜 157
二 トクヴィル――平等と自由の極限的一致を求めて 162
三 カストリアディス――「自律」社会における平等と自由 166
四 バリバール――「平等=自由」の理論家 171
五 意味するもの 175
第三章 保守主義と人権 179
一 はじめに 179
二 人権批判の系譜(1)――古典的批判 181
三 人権批判の系譜(2)――現代的批判 191
四 おわりに 199
第四章 政治哲学問題としての欧州統合 203
一 はじめに 203
二 デモクラシーと欧州統合 208
三 〈ヨーロッパ〉とは何か 223
四 おわりに 237
第五章 シティズンシップと境界線 243
一 はじめに 243
二 共同体なき市民権 247
三 境界線の民主化 252
四 おわりに――未完の市民権 256
第III部 政治哲学から社会へ 261
第一章 労働と格差の政治哲学 263
一 はじめに 263
二 労働と格差の政治思想史 267
三 ドミニク・メーダ――経済学から政治哲学へ 273
四 ジョン・ロールズ――経済学的な政治哲学? 279
五 アントニオ・ネグリ――労働社会のユートピアの再興 284
六 おわりに 290
第二章 中間集団と社会的なものの再編 293
一 はじめに 293
二 古典的な解決――貧困問題と社会の組織化 295
三 福祉国家の歴史的意味 299
四 個人化する社会 302
五 新しい社会権の意味 305
六 中間集団論の今日 308
七 おわりに 311
第三章 社会的紐帯の政治哲学――トクヴィルを中心に 313
一 はじめに 313
二 社会的紐帯はなぜ再注目されたのか 317
三 トクヴィルの「結社(アソシアシオン)」と「中間集団(コール・アンテルメディエール)」 321
四 おわりに 334
第四章 政治が社会的紐帯を語るとき 339
一 はじめに 339
二 近代政治と社会的紐帯 342
三 政治と社会的紐帯の再接近 348
四 「政治的なもの」の再定義 354
五 おわりに 359
初出一覧 [363-364]
参考文献 [5-16]
人名索引 [1-4]詳細をみるコメント0件をすべて表示